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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
20章

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554話 噂話

 傭兵稼業での付き合いでレベリングをしているわけだけど、中々いい戦い方って言うか、モンスター相手には殆ど苦戦しない。適正レベルよりもはるかに上って所を行くわけでもなく、適正レベルの所で戦っているので、順調に経験値を稼げる。


「こうしてレベリングしても闘技場で使えるのはスキルだけって悲しいですね」

「それなー」


 一緒にやってきた、前衛の剣持ちと後衛の魔法使いがそんな事を言っている。まだ名前覚えてないし、今回のシーズンってかあと2戦やったらクランを出る予定なので名前じゃなくて顔と職で覚えている辺りが私らしい。ちなみにもう一人はめちゃめちゃ不愛想ではあるが、純回復職って言うギャップ狙いの奴。


「そういえば、なぜガンナーを選択したんだ」

「簡単に火力も出るし、ファンタジーの世界で現代兵器使えるって素敵だろ?」


 じゃこっとコッキングレバーを下ろして空薬莢を排出しながら質問に答える。これに関しては初めにこのゲームをやった時の動機なので、そこはずっとぶれていない。ぶれ始めたのは周りの環境の様な気もする。


「急に聞いてなしたん」

「ガンナーは最近、あまりいい目で見られないから、何でかと」

「良い目で見られないって……別にそんな事無いと思うけど」

「ガンナーは一部の人が目立ってるせいでそうなってますね」

「それなっ」


 どこのガンナーが悪評を広めているのやら。


「ロテアは、アカメと言うガンナーを知っているか?」


 本人やがな。


「名前は聞いたことあるけど、そんなに迷惑なプレイヤーなのか」

「闘技場と言うか、対戦系コンテンツでは嫌われていますね、高火力の射撃をバカスカ撃つのは当たり前、スモーク、フラッシュ、グレネードとあれこれ爆発物を扱い、他人の事は知ったこっちゃない……」


 かなりの悪逆非道な奴だな、こんな事ばかりしてたら確かに悪評が広まるのも無理はないよな。


「最近だと核にも手を出して地形を変える程の乱獲をしているとか聞きますね」

「……どこからそんな噂が流れてるのやら」


 ガンベルトに差し込んでいた銃弾を何発か抜き出し、1発だけ口に咥えながら装填を続ける。ほんと、どこからどう伝わって噂が広まったのかよくわからん。そもそも私自体、名前や姿を変えたのは誰にも教えてないから、さらっといなくなっただけに見えるけど、それ以前の問題だよな。


「情報クランだったり、たまに闘技場にいるガンナーとか、ですかね」

「悪行三昧でBANされた、とも聞く」

「錬金術ギルドを爆破したって噂もあるね」


 おっと、それは事実。


「このゲームでBANされるってよっぽどの迷惑行為か、ハッキングやらチートでもしない限りありえなさそうなのにねえ」

「実は運営と繋がっていてギルドやアイテムの流通をしていたとか……」

「銃弾を購入、分解して火薬を大量生産して市場に横流し、なんて事も聞いたことあるね」

「くっそ効率の悪い稼ぎだなあ、それ……って言うかグレネードバカスカ撃てる奴がそんなみみっちい事しないって」


 わざわざ3,000Zの銃弾1発買ってばらして1~3gの火薬を取り出して、ってなると今の相場がグラムで1,000Zくらいだからめちゃめちゃ赤字。


「やけに詳しいな」

「MMOの金策じゃ定番の店売り横流しを試さない奴はいないって」

「アイテムの買値、全体的に高いんだよね」

「売値は低いけど、沢山入手できるから金策はそんな感じですね……っと、回復もしたし先進みます?」


 こういう他愛もない話をしている間に準備を完了する手際の良さはやっぱ慣れたプレイヤーならではだよな。口に咥えていた銃弾を手に取り、ウサ銃に込めてからこっちも一息入れて、トラッカーを使って周辺探索をして、モンスターのいる方を指示する。


「ロテアさんは気が回るし、立ち回りも上手なのにガンナーってだけでちょっと弱めにみられてるのは残念ですね」

「それはそれで何とも言えんわ」


 職に関しては使い方とステータス、装備次第。ガチになればそっちよりの編成にもなるから一概には言えない部分もあるけど、使ってるからってどいつもこうつもやばい奴ってのはちょっと短絡的な話よね。


 それにしたって私の変な噂ってずっとあるな。前は商人連中共が余計な手回しをしていたからそれを潰すためにあれこれやっていたけど、今はそんな事もないし、私の事を明確に敵として見ている奴はいないはず。


「まあ、とりあえず頑張りますか」


 見つけたモンスターを殴りはじめ、撃ち始めてレベリングを再開する。

昨日誕生日で忙しいのも落ち着き始めていい事ずくめ

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