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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
20章

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544話 ようこそ地獄の入口へ

 結局パチモンの所に暫く居座って銃本体、銃弾、アタッチメントの研究開発を続けていた。何だかんだで研究開発でしこしこやれることやら出来るものが増えると楽しいのよね。


「こんなに楽しいのに不遇職になるって何だったんだろうねー」


 新しく作った銃弾を指で弾いて上に飛ばし、キャッチしては飛ばしてを繰り返しながら出来に満足する。


「銃弾切れたらなんも出来ない、接近されたら貧弱、HPとMPの上昇値が低いせいでステータスの振り間違いで一気に雑魚……まだ言います?」

「そこまではっきり言うようになるとは思わなかったわ」

「どこかの誰かさんのおかげですね!」


 相変らず小さい癖にフルプレートでガッチガチに固めているちんちくりんなチェルシーの後ろをげしっと軽く蹴りを入れつつ上に飛ばしていた銃弾をガンベルトに収めて一息、ついでにロリポップを取り出して咥える。


「いてて……アカメさん、乱暴ですよ!」

「私の事を初期から知ってる一人じゃないの」

「そうですけど、それとこれとは別です」

「ま、そうだけどねえ」


 次にやってきたクランはちんちくりんの所。たまたまいつもの街でぷらついてベンチでのんびりしていたら声を掛けられたからってのはあるにせよ、どんなクランか単純に気になったから付いてきたと言っても良い。前に聞いたときは全体的に初心者の受け入れをしているって言っていたかな。


「それにしても、何で急にクランやめちゃったんですか?」

「やめてないて、預けてるだけ」


 口の中でロリポップをころころさせながらそんな質問を投げかけられるのできっちりと説明する。こういうのは有耶無耶にするとあれこれ面倒くさい。


「初めて会った時は随分尖っていたのに」

「あんたは相変わらずホラー系の相手は苦手なんでしょ」


 そんな軽口を叩きながらクランハウスのリビングでまったりしている。そもそもあんまりレベリングだったり、ボスやらなんやらを倒しに行くことをしない、本当にまったりしているクラン。初心者を受け入れて、ある程度形になったらさくっとやめて他の所に行った方が良いって言うくらいにはまったり系クラン。ものっそい肌に合わないなあ、私には。


「それで思い出したけど、死霊系のモンスターってあんましいないわよねー、夜もあるけど基本的にモンスターの強さ上がるだけだし」

「いるところは知ってますけど、行きたいんですか?」

「ん-、あんまり戦ったことのない相手ってのも面白いかなあって」

「ゾンビは頭をぶち抜くに限る、なんて事言ってましたよね」


 ゾンビの対処は万国共通で頭を吹っ飛ばすか撃ちぬくに限る。


「それはそうなんだけど、今はヘビメタをがんがん掛けながら暴れまわるってのが主流なのよ」

「初耳なんですけど、それぇ!」

「カスタムサウンドでがんがんヘビメタ流しながら一狩りいかない?」

「最悪なデートの誘いじゃないですか?」


 自分で言ってても最悪ではあるな。


「ちなみにどこに行けば死霊系モンスターと戦えるの?」

「それぞれの街に地下があって、難度別になっています」

「此処から近いん?」

「歩いてすぐですが……」

「久々に一緒に遊ぶのもいいじゃない、やっぱり」


 椅子から立ち上がり、ロリポップを取り出してにんまりと笑い。


「ついでだからバトルジャンキーの奴も呼んで楽しもう」

「……懐かしのバンド再結成みたいなノリ」

「いいでしょ、そういうのも」

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― 新着の感想 ―
[一言] しかし、煙草・葉巻がロリポップになってると、周りはすごく丸くなったように感じそう。 (リアルみたいにニコ切れでのイラつきも無いし)
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