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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
16章

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421話 強行軍

 正直一回倒したボスをもう一度倒すというのは、再生怪人よろしくあっさりと倒せる。

 と言っても2人なのでやっぱりきついと言えばきついのだが、戦線が崩壊してあっさり全滅ってパターンは無い。私が前線を張っていれば後ろはあいんつがやってくれるので長期戦にはなるが戦えている。


「戦えないって言ってる割には動けるな」

「まあ最低限は」


 チャイナ服をひらひらとさせつつガンスミスとは思えない動きで雑魚の攻撃、ボスの攻撃を避けながら反撃を飄々と戦い続けている。何て言うか戦闘が特殊とは言ったが、戦い方が独特過ぎる。

 撃つことは撃つのだが、何て言うか、大量に生産したであろう自作銃をぶつけたり、そのままぶん殴ったりと一回に使う銃の量じゃない。弾じゃなくて銃ってのがポイント。無茶苦茶なようでダメージは出してるから文句の言いようは無いが。

 して、エリア1の狼ボスだが、攻撃パターンと雑魚の行動ルーチンが分かっていると案外弱い。そして何が驚きかってボスと雑魚の攻撃パターンをある程度、教えてやったらあっさりとそれに対応してくるのは意外だった。これが天才肌って奴だな。


「これ最初何人で倒したん?」

「4人だな、前2後2、雑魚を捌くのに結構苦戦した」

「へー、武器は?」

「っと……SMG、AR2、HGだったかな」

「あんまし作った事ないなあ」


 そんな軽口を叩きながらもボス狼相手に立ち回る。

 うまい具合に先にボスを相手していた連中はあっさり全滅したので、入れ替わりですぐに戦闘に入ったのが、やっぱり人数って大事だわ。偉い人も言ってたもんな、戦いは数だって。


 とかなんとか思ってたらボス狼がポリゴン状に消失していくので撃破完了。あいんつがボス撃破の証を手に入れて、それをまじまじと見つめる。

 

「あんまし面白いアイテムじゃないなあ……」

「何でもかんでも材料に見てるとかこえーぞ」


 とりあえず使った分の弾を込め直し、一通りの回復等を済ませた後はさらに先へ進んでいく。

 その道中、あいんつの戦い方について聞いてみる。


「その萌え袖の中から何本銃出すんだよ」

「えー、いっぱい?」

「だったらもうちょっと銃の回収方法を考えた方が効率上がるわね」


 投げたら投げっぱなしなのが気になるんだよな。

 もうちょっと使い回しができたりしたら良いと思うんだが、あんまり自分の考えを押し付けるのってこのゲームにおいてはあんまりよろしくない。セオリーやコンボが確立されていて、使わないと舐めプ何て事になってない限りは口煩く言いたくない。


「ま、動けてるなら良いけど」

「SP余裕ないからなあ、結構カツカツなんだよね」


 やっぱりどいつもこいつもSP足りないんだな。

 何でもかんでも、あれもこれもスキル取っていくと器用貧乏まっしぐら、サブ職を伸ばさなきゃならないけど、そこでもまたスキルが増えるから考え物だ。


「ガンスミスは大変ねえ」

「楽しいよ?」


 雑魚を片付けつつ、祭壇の方になるべく急ぎ向かう。

 その移動中も相変わらず特殊な戦い方をするのだが、あまりにも気になったから銃操作の事を教えてやったわ。あんまり響いていない感じではあったが、結構詳しく聞いてきたので、興味自体はあるっぽい。




 そんな話をしたり、ガンスミスの現状を聞いたりとあれこれと話しながらさくさく進みつつ、エリア2も問題なく進行……いや、問題はあるな。やっぱり虫苦手だわ。

 足の沢山ある奴は特にヤバい。やっぱり一瞬体固まるし、嫌悪感半端ない上に強制ログアウトしそうになる。この機能あんまり多用すると、ゲーム側からログインも制限がかかるって聞いたし、いちいち虫が出てきたからって驚いてられん。

 

「あー、虫嫌い」

「だよねー、容赦ないもん」


 エリア2のボス、あの時は完全にログアウト状態だったのでどんな感じの攻撃をしていたのかを後で聞いたが、あんまり強い感じの事はしないで、状態異常だったりデバフを掛けてくるのがメインだった。毒液吐いたり、糸吐いたり、麻痺ガス撒き散らしたりとまあ嫌らしいが。

 狼相手の後だと移動速度が遅く、雑魚の足回りも良くはないので距離さえ取っていれば射撃戦でどうにでもなる。見掛けの強さだけで言えばラスボスだったが、強さ的には全然狼の方が強いわ。途中何度か背筋に寒気が走ってログアウトしかけたが、それ以外は問題なし。戦い方も相変わらずだし、長期戦になる以外は変わり映えもない。


 と、まあ、ここまで来たらエリア3のボスも特に問題なく撃破出来る。

 そこそこ足の速いガンナーが遠距離でちくちく攻撃して、時間を掛けてもいいからどたばたと走り回れば相手の速度がこっちよりも上回っていない限りは一方的に攻撃出来る。当たり前と言えば当たり前だな。あいんつの攻撃方法的に手数は多いし、私自身もアデレラ2丁にしているのでリロードタイミングさえミスしなければヒットストップで相手の出鼻をくじく事も出来る。ぐるーっとボスエリアを大きく使って引き撃ちするだけのイージーゲーム。





「何ていうか、対応さえ分かっていればかなり余裕だな」

「5人で苦戦したん?」

「……実は、言うほどしていない」


 どちらかと言えばシャールが前に出るからそれを援護するために、ちょっと苦戦するって感じだったな。ガンナーらしく距離を取って遠距離攻撃に集中したら2人でもどうにでもなるもんだ。その代わりに非常に長期戦になるので精神的疲労の方が強かったりするが。


「って言うか、勝つ戦い方をするとなるとガンナーは単調になりがちなんだが、前のパーティは面白い奴が多かったから、そいつらに合わせてたのもあるな」


 エリア3のボスエリアを抜け、祭壇に向かう途中でそんな事を思い出す。

 

「アカさん、やっさしいー」

「自分で私は優しいなんて言わないしな」


 さらに転移し、エリア4にかなりのハイペースで到達。

 後はどれくらい先に行っているかが問題だな。

https://tieupnovels.com/novels/11/cover


こんなのも書きました

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虚無を見てる...? >あいんつがボス撃破の証を手に入れて、それをまじまじと見つめる。 『405話 答えは案外簡単』 より さっきも手に入れた証ってのも何かしら形のあるというものではないので、…
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