193話 言われればそう
「お疲れさん、これクエスト報酬」
コボルトからしっかり逃げ切ってガンナーギルドに辿り着き、クエストの達成報告を済ませる。
それにしてもこのゲームって基本的にNPCが素っ気ないのが多いな、やたらと会話させて結果それだけ?ってクエスト受けるのって結構嫌いだから、私としては全然ありではあるんだが。
で、貰ったクエスト報酬なのだが、貢献度と銃弾20発。1発だけ使った割にリターンが多いのは、二次職として暫く銃弾供給してくれるって事なんだろうな。
それにしたって未だに他のガンナーがいないってのはどういう事なんだろうか。
流石に何個もギルドがある訳じゃないし、他のプレイヤーが辿り着かないと言う理由があんまりない気がする……いや、トラッカー使わないと分からんって所はあるけど、それ以外の条件があるとは思う。
とは言え、前にも言った通り私の身内じゃなきゃ何をどうしようがご勝手にと言った感じはある。
……お、良い事思いついたわ、後でやってこようっと。
『アカメ様、お客様がご来店中ですが、如何いたしましょう』
『今日は誰よ』
『薫様です、私の燕尾服が気に入らないから試着してくれと言っています』
『はぁ……あそこまで来たら病的だな……問題ないなら付き合ってやりなさい』
『分かりました』
とりあえず私のやりたい事はイベントに向けての資金稼ぎと自己強化をしなきゃならないから暫くサイオンは生贄になって貰わないと。
さて、暫くぶりにやってきたの情報クラン。
いつも通りカウンター席に座って机を小突いてマスターを呼ぶ……のだが、あれ、砂丘と舎弟じゃん。
「何か暫くぶりにあんた達の事見たわ」
「うっす」
「そりゃここ最近来てないからでしょう」
グラスに注がれる酒を傾けると共に、RES値に+3の補正が掛かる。ああそうだ、嗜好品の酒もバフ効果が付いたから、こうなるのか。
それにしてもRESだからあんまり私としては恩恵が少ないんだよなあ……結構死にステータスみたいだし、この辺ももうちょっと調整入れてくると思ったんだが。
「で、今日は何の情報っすか?結構色々やってるみたいっすけど」
「ガンナーギルドの場所って言ったら幾らだしてくれる?」
「見つけたのか、あそこ」
「条件まで教えたらゲームとして面白くねえから、場所だけだけどな」
「んー……ガンナーはアンタの動画を見たりで人口も増えてるから需要はあるんだよな……こんなとこでどうです?」
指2本、もう2万とか2千で取引している仲じゃないので20万ってとこだから、ジャガイモ2000個分か……まあ良い所だが。
「もう一本つけーや、結構探すの大変だったんだし」
「そうっすよ、ガンナー職のトップなんすから」
「じゃあそれで」
相変わらずの硬貨データを貰って30万ゲット。
これでもうちょっとガンナーの情報が出回ってくれれば私も楽出来るしなあ。
って言うか多分遠距離職を経由してガンナー、そこから3次職のような感じで私が選んだ2次職系に進むってのを考えると、今選んだ2次職は3次職該当になるんじゃないかな。
だとしたらかなりな情報な気がするんだけど、もうちょっと付けてもいいんじゃねえかな。
「うし、毎度」
自分の所持金に30万が入っているのを確認したうえで、グラスの中身を飲み干してカウンターに。
「そういえば姉御は次のイベントやるんすか?」
「それなー、対戦レース物って結構バランス構成が大事だし、どういう機体でやるのかって所も問題だから今のところ保留してる」
「個人成績での1位は無いんだっけか」
「グループやクラン単位で見たら好成績ではあるけど、個人じゃトップに立ったことはないね、なんだったら最後の最後で死んでる事多いから残った事もないわ」
そういうのを考えたら1位狙いでイベントに参加するってのもいいかもしれないな。
RPGは得意だけど、レースは得意じゃないって場合もあるし、逆も然り。
私は何でもかんでもそれなりに上手にゲームクリアするくらいには腕はあると思うからそういうのも狙い所ではあるな。
「イベントのポイントは欲しいから参加するとは思うけど、上位までやるかは周り次第かな」
「結構暴れまわってるクランメンバーだし、そもそもその中で勝てるのか?」
「あー……確かになあ、接近戦じゃ新規加入の奴と、バトルジャンキーに髭親父、猫耳が圧倒的に強いし、遠距離もトカゲの奴が銃器開発でごついのを作ってるから、私って実はそこまで強くないのよねぇ」
「闘技場荒らしのトカゲさんっすね、真っ当に戦っている割に大分暴れまわってるせいで目の敵っすよ」
「んーまー……バグやチートでやってないんだから私としてはセーフだけど」
何かしら問題のある行為でランキングトップになっているのなら追放処分だし、何だったら私が直々に運営に通報してBANをしてるくらいだ。
それも見に来ないか?と言われた時に闘技場で戦っている所を見たが不正しているわけではないのを確認したし、なんだったら手回しガトリングがえげつないけど正当な物として射撃場で確認が出来ている。
装備のステータスを確認しても、30レベルちょいで装備できる物だったし、自作と言う部分である程度の故障が発生するってデメリットもあったのだが、ガンスミスのおかげでそれも無し。
「ただあれは、結構要求ステータスが高いし、それなりなデメリットもあるから、その弱点を突ければ勝てるとは思うけど……あんまし言うとあいつに悪いからお口チャック」
指でバツ印を作って口元に。どこぞの兎みたいな感じにしつつ、席を立つ。
「じゃ、毎度さま」
「今度クランハウス見に行ってもいいっすか?」
「余計な事しなきゃ好きにしな」
そう言って手をぷらぷらと振って情報クランの酒場を後にする。
「おかえりなさいませ、アカメ様」
「ゴリマッチョ……じゃなくて、薫以外に客は?」
「クランショップの利用者が数人、その他クランメンバーの方々が出入りした以外、特には」
「……うーん、やっぱりもうちょっとNPC増やすか……各階1人はいないと、ショップにいる時に不便だ」
「人数の追加は2人目が20万Z、3人目が30万Zになります」
「じゃあ、追加するか、丁度50万あるし」
「はい、ではキャラクタークリエイト、配置を決めていただきます」
そうなのよ、このクランNPCのデメリットとして、1Fで作業させている間に2Fや3Fで使えないってのがあって結構不便なんだよ。
このゲーム結構、金の使い所がおかしい気がする。とにかく施設拡充などには金がかかるのだが、その他の装備品、消耗品に関してはそこまで高くない。素材系のアイテムに金が掛かると言うのはあるが、それでもだな。
「って、思っている間に完了っと、配置は1Fごとに1人っと」
「髪色と身長以外は一緒ですね」
「まーね、黒、白、灰の髪色で上に行く程小さくしてみたから分かりやすい」
「…………内部データの共有が完了しました」
うむ、やはり優秀だな、うちのメイドロボは。
「後は昨日の売上と、在庫の状況を報告」
「かしこまりました。まず売上からですが……」
さてと、ちょっとやる気出してイベント取りに行ってみるか。
名前:アカメ 種族:ドラゴニアン
職業:ケルベロス
基本Lv:30 職業Lv:30
HP:51/51 MP:20/21
STR:10 AGI:21(22) DEX:21
VIT:2 INT:2 RES:2
SP:残13
【スキル1】
二度撃ちLv1 調合Lv1 銃格闘Lv3 カスタマイズLv5(MAX)
ガンスミスLv5(MAX) トラッカーLv5(MAX) 銃剣Lv5(MAX) 装填Lv5(MAX)
2丁拳銃Lv0 曲撃ちLv0 跳弾Lv0 HS.Lv2(OFF) 大型銃器Lv1
【職業Lv外】
幽霊退治Lv1 銃素材割引 銃弾取引権 生活火魔法 ボマーLv5(MAX)
【スキル2】
木工Lv7 鍛冶Lv10 錬金Lv6 裁縫Lv3 細工Lv4
伐採Lv6 採掘Lv15 採取Lv5 料理Lv3 農業Lv10
【装備】
武器:カスタムM2ラビット(劣化)(装弾×5)
防具:パンツスーツ ブーツ グローブ ガンシールド
装飾:耐火コート ガンベルト(銃弾×20)
その他:銃弾×71 黒色火薬×50g 双眼鏡 眼帯 ツナギ(青)
:鳳仙花(装弾×2) Dボア(装弾×6) G4シュバルベ(装弾×13) CH(装弾×0)
【持ち物】
HP下級ポーション×3 MP下級ポーション×2
錬金窯 伐採斧 鍬 採掘つるはし 剣先スコップ
針金×4.0m 葉巻×12 バケツ×20 薬草×20 硝石×31
所持金:50,000Z(20,000Z) イベントP:10
状態:異常無し
【所属ギルド】
1:農業 Lv5 貢献度50
2:木工 Lv2 貢献度25
3:ガンナーLv4 貢献度40
【所属クラン】
ヴェンガンズカンパニー CLv1
Lクランハウス有(地上3F、1Fショップ化、部屋空有り)
クラン資金152,620Z
【無人販売】
特殊:露店特別許可証
未展開
【自宅エリア】
L家 地下3F(1F酒造樽(杉)×5) 庭(拡張1) 小屋1件
裁縫細工作業場 キッチン 鍛冶炉 錬金窯 木工加工場
L畑20面 硝石丘11㎏(生成中)




