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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
5章

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外伝4 色んな人

 いえーい!バトロワイベントで速攻死んだ、私が来た。


『瞬殺かよ』

『新規出遅れじゃスキルきつくね』

『そもそもソロだからわちゃわちゃされて死んだのか』


 まーね、個人戦参加したんだけど、もー、とにかく接敵早過ぎて回収もできないし、銃弾はすぐ切れるし、マジで何にもできんかった。

 もうちょっと準備期間があったらどうにかなったんだろうけど、流石にカタツムリかなあ。


 で、すぐ負けてあれだから、クラン戦みてたんだよねー。


『観戦実況っていうゲーム放棄』

『そういや二つやってたんだっけか』


 個人はもう全員で殴り合いって感じだったから、戦略的に動いたり面白いのはクラン戦なんだってさ、ゲームやってる日が浅くてクラン入る事出来なかったら個人戦だったけど。


『ぼっち乙』


 うっせーよ!

 で、参加者めちゃくちゃいるんだけどさ、憧れがいるわけよ。テンションマジで上がるわ。


『憧れとかMMOで?』

『コミュ障ぼっちの配信者が憧れって』


 ほら、前に私に銃弾くれたじゃん?コートに葉巻のドラゴニアン。

 銃格闘スキル覚えれたの本当に助かったんだよね、あとビジュアル、単純にかっこよくね?

 ガンナーで知らないってにわかだろってくらいにはガンナーやってるよね。


『そういやそんなことあったな』

『銃弾も貰ったってたあれか』

『って言うか一発ネタでガンナー選んだのに続いてるのか』


 やっぱりさりげなく頑張れって言うのカッコいいじゃん?

 んで、今日はその人の観戦実況って事で配信しちゃうよ!これでも色んなゲームの実況もしてきたし、対人ゲームもしてきたから、結構できると思うんだよね。


『ポンコツイメージしかないわ』

『ポンコツだろ』

『ポンコツ定期』


 んなことないですー!ほら、観戦しよーや。丁度いい感じに、20人くらいの所に強襲掛けてるじゃん。不意打ち強襲で燃やして爆破してばっかりだけど、あれ、ガンナーってなんなん?


『本職ボンバーマンなんだろ』

『すげー燃えてるんだけど、引くわ』


 立ち回りがやっぱ玄人ってか場慣れしてるよねぇ、対多数の戦い方を知ってるって感じ?こういう戦略とか戦法ってうまいことハマったらすっごい楽しいの分かるし。


『あー、言いたい事は分かる』

『それなー』


 これからどうなるかちょっと見続けてこうねー。



 あの人の勝ちって何なんだろうなあ、対人イベント自体もそこもまで興味なかったって事?流石に色々理解が追いついてこないんだけどー。


『あの結果発表はねーわ……』

『結果大勢の前で晒上げってどうなん』

『実際ログとSSはあった訳だから正当な物なんじゃ?』


 トラブルって基本的に本人同士しか分からんし、正当かどうかは運営が決めるんじゃね?って言うかやっぱかっけーわー、あの人見つけてクラン申請してみようかなあ。

 一大ガンナークラン!って凄いテンション上がるし、スーツとコートも欲しいな。


『影響されすぎる配信者』

『自分の色が無い配信者』

『自力でやらない配信者』


 うっせーうっせー!楽しくやれたらいいじゃんかー!











「痛い目しか見なかったよ、もう」


 はーっと大きめにため息を付きながらクランハウスでのんびりと一息。

 わいわいがやがや、人がある程度集まったので黒板を叩いて此方に視線を向ける。


「相手が悪すぎたけど、一応今回のイベントの反省会するよ」


 手をぱんぱんと叩いてクラン員からの挙手を待つ。

 1人ずつ手を上げて述べたり、指名したりしながら黒板に意見を記入していくわけだが、これ必要かな。


「まー、やっぱり相手だよねぇ……火炎瓶と爆弾で完全に戦線混乱しての強襲って……初見殺しにも程がありすぎ」

「最初のイベントからチェルってあの人に負けてるよねぇ」

「ダチとしては前向きになったのがちょっと寂しい」

「い、いいじゃん!とにかく、次があったらしっかり対策しながら立ち回りたいじゃん!」

「結果4位だから悪くはないんですけどね、クラマスの恩人相手した後に、3位の鍛冶クラン、2位の恩人クラン、1位の円卓と削られた状態でよく戦えたかと」

「北と東の大手クランもぶつかったり、最後の最後は滅茶苦茶の大乱闘……健闘したほうですよ、やっぱり」


 最初のイベントの時から呪いの様にアカメさんが染みついているような気がする。

 いや、別に悪い事じゃないし、信用できる相手なのは確かなんだけど、例の結果発表も考えたりすると、敵に回しちゃいけない相手だよね。


「うちはまあ、良好な関係を築いておこうね……」


 うんうん、と全員が納得したところで解散する。









 毎回毎回トップを取っているのだがどうも納得ができない。

 いや、勝ちは拾えているのだが、見ている所がどうも違うせいで噛み合っていないのだな。

 

 つまり今回のイベントの場合、上位入賞と目立つと言う事が目的だったので、1位を取る取らないはあまり関係なかった、だからこその『勝ち』と言う訳だったんだろう。

 

 結果全体の勝利にはなっているが、いまいち目立っていないせいで負けたという風に捉えられているんだろう。


「中々難しい所ですね」


 いつもの様に紅茶を啜り、一息。うーん、名前は売れている割には目立てない。

 結構動画で頑張っていたんですが。


「アカメさんのところ……やっぱり……脅威じゃ……」

「対人イベントではそうですがね、基本的にPvEのこのゲームではそんなにですよ、同盟も組んでますから。これが常にPKのあるゲームでしたら確かに脅威ですが、友人としては面白いのでね」


 ふふっと笑いながらメタリカの分の紅茶を入れてまったりと。


「私は私でボス相手だったり騎士プレイするのが好きですし、あんまり目くじら立てて敵対しても疲れるだけですよ」

「って、言うだけで大分悔しいんだろうけどね、兄さん」

「それは内緒ですよ」


 口角を上げてくつくつと笑いながらティータイムを終わらせる。

 明日は新しいダンジョンのボスを倒しに行く予定でした。


「さて、本日のティータイムも終わりましたし、今日はログアウトしてしっかり寝るとしましょう」

「そういやあの結果発表コメントの動画あるけど、見る?」

「ダダ滑りジョークを交えたコメントなんて恥ずかしいだけですよ」


 もうちょっと良い感じのジョークを言えなかったのは反省しておきましょう。










「うちのボスは何なんだろうな」

「うーん……半炎半氷論者かなぁ」

「まー、やる事は無茶苦茶だな」

「やりたい事はわかるけどねぇ、あたしは戦いも好きだけど勝ちたいってのはあるしぃ」

「そのせいであいつ、儂の作った酒全部使いおって……」

「いーじゃんー、色々買ってくれるんだからぁ、中身は優しいじゃん?」

「そりゃそうなんだがな……まぁ、悪い味だったからいいんじゃが、手塩にかけて作ったものを全部使われるとは」

「それでも新しいの買ってくれるじゃん?あれ50万くらいだっけ?どこから出てくるだろうねぇ、あのお金」

「大量のジャガイモ生産だろうな、牧場経営のゲームでも芋やカブで金策するぞ」

「色んなゲームしてるみたいだし、その辺は上手だよねぇ」

「もうちょっと扱いやすい職を選べばもっと強いだろうけどな」

「いやー?多分ああいうタイプは、癖があるとか玄人向けの方が楽しんで強くなるタイプだよぉ?」

「そういう物か」

「そうだねぇ……それでも強い武器、職を選ぶのに躊躇いは無いはずだよぉ?だけど『面白くない』って言ってやんないだけかなぁ」

「めんどくさい奴だな」

「多分だけど、『勝ちは欲しい』『面白い方が良い』『人を見下したい』って所かなぁ」

「見下したいってのは、どういう事だ」

「んー……つまり『使いこなせないのはお前のせいだ』って見せつけるんだよ、言い訳する前に使いこなせってね。まあどうしようもない勝ちがない武器だったり職は手出さないよ」

「厄介な奴だな、うちのボスは」

「まー、そこが面白いんだけどね……じゃ、負けたら会おうぜー」

「そっちもな」












「例の件ですが正当性を確認しました、処理してもいいですか」

「該当者には一時的な停止措置と警告を、次は無いと連絡してください」

「露店関係も確認しました、内容は元々修正案件でしたが先に本格的に修正を入れます」

「煩雑になっていた露店の区画整備の修正ですが、配置によってはまた囲い込みが可能では?」

「露店一つずつの一定範囲と合わせて数個の露店の塊を一つとして、そこからさらに一定距離を離す対応で様子を見ます」

「今後GMの巡回に露店の配置も確認するように、人員を増やすか、作業を追加で」

「後は細かいデータを確認しつつ、修正内容の大まかな決定、また今回のイベントの反省点も踏まえた上で次回開催のイベントも企画しておきましょう」


「はい、了解しました。それでは本日もよろしくお願いします」

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― 新着の感想 ―
[一言] 犬紳士、ジョーク言ったの!!?すごい勇気あるなぁw 毎度楽しませてもらってます。炎上?騒動の解決までこんなに話数がかかる小説は初めて読みました。リアリティっていうのかな?(なんかズレてる気が…
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