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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
5章

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159話 ステージ4

「大分大混戦になってきましたね」


 土煙や叫び声、スキルや攻撃が飛んでくる最中に紅茶を入れてティータイム。

 うむ、相変わらずいい色味を出せているし、香りもよく立っている。


「兄さん、もうちょっと緊張感をもって欲しいんだけど!」


 飛んできた矢を盾で受けつつ、紅茶を啜る。

 暫く戦いばかりで疲れたので一服してもいいじゃないかと思うんですよ、私は。

 戦いばかりといいますが、今も戦闘中と言うのは変わりないわけですがね。


「西側の2クラン同士が小競り合いをしているので、西の方は問題ないですよ、北東南からの中~大規模相手の方がよっぽど大変ですが……」

「が、って何?」

「東にはその大きいクランよりもヤバい相手がいるじゃないですか」


 次に飛んできた矢ではなく魔法をまた盾で防ぎ、辺りに風が起きる。どうやら風魔法のようだ、霧散していった魔法の残留がそよ風となって頬に当たってくるのでね。


「銃声と爆発音、大分近づいてきているようですが……うちのクランは一筋縄ではいきませんよ」


 ぐいっとティーカップの中身を飲み干してからインベントリにティーセットを仕舞い、また盾や剣を持ち直して一息つける。

 こういう乱戦の時こそ心に余裕を持って対処するのが大人の余裕と言う物だ。


「さて……状況は?」

「西の二つがかち合いならこっちに、北と東の大クランがぶつかり合って、同じようにこっちに、南のは動きなし」

「では南に寄りながら東西の相手を引き込みましょう、うまく北東西同士で戦ってくれれば楽になります」

「勝算は?」

「まあまあって所ですね、それでも悪くはないと踏んでますよ」


 ふふっと笑いながら南進する指示を出し、相手を引き込みつつ、ポジションを変えるとしよう。








「北にいたのと東にいたのがぶつかったっぽいわねぇ……外周回り込んできたけど、これじゃあマイカ拾ってくるのは厳しいわ」

「偵察と観戦ばっかりなのはいいが、神経を使うのは疲れる」

「どうせ終わったら酒造シミュレーターやるんだから文句言わないの」


 それにしてもこの双眼鏡買ってよかった。まあまあ良い値段って言うか、1万Zもしたんだから使い潰さないと勿体ない。


「何だったらソロで動く?別に私としてはやられなければいいけど」

「いや、複数ぶつかる今の状態であちこち動くのは得策じゃないだろう?」

「そらそーよねー」


 相変わらず双眼鏡で辺りを見たり、トラッカーを使いながらで進行し、ぐるりと永久グライダースタンプの様な回り込みしてるけどやっぱり中央側に集中し始めている。

 小規模の相手に関しては見つけ次第全員フルボッコ……と言うのはやめて、攻撃意思が無ければそのまま見逃す形に変えている。

 余計な戦闘で消耗する必要も無いし、ここでやられたら折角残ったのに……と言う心理同士で特に何もせずにお互いスルーし、後ろから撃ち殺す。

 こういうあまちゃんばっかりだったらいいんだけどなあ。


「流石に引くぞ」

「紳士ルールとか死ねばいいのよ」


 ほくほく顔で二つ分のデスボックスを鼻歌を交えながら漁り、銃弾+8発。

 これでも完全に赤字ってのが、なんとも不遇と言う感じ。弓の様に連射するものだったら多分10発とか多めに手に入るんだろうけど、銃って実はMAX5発までって条件があったりして。

 しかしポーションは無し、銃弾回収しただけで終わったのはちょっと残念だな。


「全体的に疲弊してきたからポーションないわね……やっぱりそろそろ決着がつくって感じだなぁ」

「人数ゲーだな、やっぱり」

「そんなんどの対戦ゲーでも当たり前でしょ」


 基本的に相手の人数が増えれば増えるほど不利になるのはどのゲームでもそう。

 特に人数の多い対人物は顕著だな。いくらプロのゲーマーだとしてもそれなりにできる腕前のやつを同時に相手するって難しいわけだし。


「倒した奴がどのクランに所属してるか分からないってのもポイントよねぇ……倒したら倒したで連絡は取れないだろうから良いけど、自分のクラン員がやられたってのは分かるのかしら」

「一応参加クラン員は見れるが、特にネームの色が変わったりもせずのままだな」

「やられたら赤字か灰字に表示が変わるとかかね、今の所やられたクラン員もいないわけだし、その辺の情報がようわからん」

「やられたらやられたで問題だろうに」

「まあねー……っと、やっぱ北側にも大きいクランいたか」


 大きめの通りに出ていく前にちらりと見えた大きいクランを観察。

 すぐさま双眼鏡を出してどういう感じかをしっかりとチェックしないとね。


「規模がいまいちわからんなあ……60くらいで見積もっとくか」

「5万近くユーザーがいるのにやけに人数が少ない気もするが」

「確かにねー、参加するだけで何かしら特典がつくから、クランじゃなくて個人でって場合もあるんじゃない?もしくは対人イベント自体そこまで興味ないって場合もあるし」


 あのゴリマッチョは完全にイベント不参加と言っていたしな。

 5万人……ちょっとBANされてるから最大人数ってわけじゃなくなったけど、全員が全員、対人が好きってわけでもないし、都合が付かない場合もあるからなんとも言えん。

 別鯖で対戦ってわけでもないし、もしかしたらもっと規模自体は大きかったけど序盤に戦闘が多くて人数が削れたってパターンもあるんじゃないかな。


「このまま南進されるとマイカを回収できない気がしてきたわ」

「どこまで深く入り込んだんだか……思い切りぶつかり合ってる近くにいるぞ」


 現在地がわかるからこそ手薄であろう場所から回収しようと思ったのに、なんで激戦区の方に進んでるのかね。

 これだからバトルジャンキーは。


「どうにかこうにか抜けやすそうな地点見つけて無理やり突破してもらう?」

「それは中央から外に向かって抜けれる前提だろうに」


 中央から北東回りは人数が多いから無理だな、囲まれやすいのが問題なのでパス。

 次に手薄っぽい西は、戦闘が激化して、戦闘地帯が動き回っている。どういった戦いしてんだか、絶対私の知り合いじゃないね。



『アカメちゃん、どこいってんー』

『お前さんを回収するプランを練っとるぞ』

『いくなら西かなぁ…北東から中央に流れてきてるし、乱戦なのは北西だから?』

『あんたが抜けられるなら何処でもいいのよ』

『もうこっちきてくれないかなぁ?』


 激戦区に飛び込んで暴れまわってる奴のところにさらに飛び込むってアホか!

 中と外から3人で何人相手にしなきゃならんと思ってるんだ、こいつは。


『無茶言ってんじゃねえぞ、こっちは銃弾かつかつなんだから、節約したいってのに』

『あたしだってポーションないしー!』

『突っ込んでいったのあんたでしょーが!デスボ漁ってやりくりしなさい!』


 リアル年齢はわからんが、子供の相手してるような気がしてきた。

 っていうか子供か、思考が単純な大人かどっちかだが。


『とにかく手薄なら北西に抜けてきて、あんたなら突破できるでしょ』

『はーい』

「疲れた顔してるな」

「しないと思ってるのか」


 だろうなって納得した顔しながら移動指示を受ける。

 先導役っていうか、私の考えていることがわかってくれているとものすごい助かる。何でもかんでも指示出して悪態つかなくていいってだけで十分満足。


「まー、北西に向かおうや、あのバトルジャンキーでもマップくらいは見れるでしょ」

「どっちかっていうとアホ扱いしてるな」

「なんのことやら」


名前:アカメ 種族:ドラゴニアン


職業:ガンナー

基本Lv:30 職業Lv:30

HP:92/100 MP:55/75

STR:10 AGI:24(26) DEX:20

VIT:1 INT:1 RES:1


【スキル1】

装填Lv5(MAX) トラッカーLv5(MAX) ボマーLv5(MAX)

二度撃ちLv2 銃格闘Lv3  銃剣Lv3 曲撃ちLv3 跳弾Lv3 

生活火魔法


【装備】

武器:鳳仙花(装弾×2)

防具:パンツスーツ 

装飾:コート ガンベルト(銃弾×20)

その他:Dボア(装弾×6) 

   :銃弾×11 (枠外) カスタムM2ラビット(劣化)(装弾×5)


【持ち物】 

HP25ポーション×5 HP100ポーション×2 MP30ポーション×3

HP100ポーション×1 MP30ポーション×2

葉巻×5 火炎瓶1.0ℓ×6 パイプ爆弾30g×5

双眼鏡×1 針金×5m 松明×5 油×4 

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