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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
5章

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156話 ステージ1

 流石にもう小、中規模、数人の相手では苦戦する事はない。

 廃墟と言っているが市街地なので囲まれる心配も無いし、万が一囲まれても建物への一点突破で脱出も出来る。

 これがFPSなら高所取られて撃ち下ろしされてそのままお陀仏とか、グレネード包囲網で少なからずダメージを貰うとかもあるな。

 それにしても何で高所有利取ってるのに同じ位置まで下がってくるのか理解できんな。

 上からスキルなり、魔法や遠距離攻撃で攻めればいいのに、わざわざ名乗り出る様に前でて接近戦するなんて、流石に対人戦のセオリーを理解してないんじゃないかな。


「スキルゲーじゃないのもポイントよねぇ」

「アカメちゃん、リロードはー」


 前衛がいるだけで安定度変わるわ……やっぱりタワーシールド作って疑似前衛作れるようにしよう。そしたら運搬の手間は掛かるけど、安定度は上がるだろうし、戦いやすくなるだろう。

 うんうん、今後の課題として前衛に頼りすぎない戦い方の確立だな。


 で、言われたリロードはさくっと装填スキルで完了させて構え直す。案外ウサ銃とDボア使わないけど、使い所あるんかね、この状況まで来て。

 

「流石に考える事は一緒なのか、少数のクランは南東か北東に避けてるな」

「東側には知らん大手のクランも来てるし、このまま行くと……」


 西側3方向から大手3クラン、北と南から進行しているのは30人規模ので、西から真っすぐ東に来てるのはあの犬紳士の所で、そのまま東から進行してるのと正面からぶつかって板挟みになるかもしれんな。

 だとしても、此処で犬紳士の奴がやられると西側2勢力、東1勢力と細かいのと戦う形になると三つ巴+αか。


「東の大クランにちょっかい掛けて削っておいて、あの犬紳士のところとぶつけるか」

「そんな上手く行くとは思えんぞ、此処までが順調過ぎた」

「こいつらあんましポーション持ってないねぇ」


 蹴り倒した相手のデスボックスを漁りながらちぇーっと唇を尖らせてるのを見ながら、何個か同じように漁ってみるが言う通りポーションはそんなに見つからない。

 何だったら銃弾も使った分とトントン位なのであんまりうま味がない。

 これがキル数によってポイントが加算されるルールだったらまた違ったんだろうけど、消耗するだけ無駄だし、装備がドロップして自分の装備更新されるわけでもない。

 勿論スキルを途中追加する事も出来ないし、新しいのを覚える事も出来ないから、マジで戦う必要性ないんだよな。


「SP残して途中でスキル振るとかステータス振るって小技は使えたんかな」

「どうだろねー、最初の選択で振り切らないと項目進めなかったしぃ」

「じゃあ、ダメか……とりあえずここから北上して、東から進行してる大規模クランを片付けるか」

「片付けるのは良いとして……っと、どうするんだ」

「市街地は市街地で戦い方があるのよ、脆い廃墟ってのもあるしね」


 ヒントはさっきの落下ダメージだな。何度かあったが、衝撃ダメージ、落下ダメージ、とにかく物理的に痛みを伴う現象に関しては結構なダメージを受ける。

 さっき食らったのは1Fで瓦礫と共に落下だったので10ダメージだったが、もう少し大きい瓦礫を上から頭に落としたらどれくらいダメージが出るのかって話よ。


「とりあえずトラッカーで距離と状況は見ながら進むとして、最終決戦最初の相手は東エリアからの大クランね」

「小物ばかりででかいのが残っていると面倒だしな」

「ただ、かち合わせるのはあくまでも犬野郎の所だから、そこは忘れないのよ」

「ある程度削って、倒しやすくしつつ、両者を疲弊させる……また、面倒な」

「つべこべ言わずに行くわよ」

「まーた直接戦闘無しかぁ」


 バトルジャンキーはこれだから……もうちょっと自制すると言う事を覚えなさい。






「結構でかい所じゃない?」

「そうだねぇ……本隊はここだとして、20、20、30ってとこ?」


 3部隊に分けてローラー作戦の様に進行しているとは思わなかったが、それよりも結構な人数がまだ残っているというのが驚きだった。

 うん、まあ、確かにここまで予想通りに事が運び過ぎていた、正直此処の連中も軽く倒せると思っていたのは完全に驕っていたわ。


「……しょうがない、分隊の一つを片付けよう、20も削ればあの犬野郎も戦いやすくなるだろう」


 とは言え、戦法としては家から家に飛び移りながら瓦礫を落としてダメージを与えると言う物なので、そこまで難しい事はないわけだがな。

 

『そういう訳だから作戦決行、もう建物壊して瓦礫落としていいわ。ある程度ダメージと足止め出来たらマイカは降りて突っ込んで、私は上から狙撃する』

『儂はどうする?』

『瓦礫落とし続けて、本体側の方へ流れないようコントロールね』

『うちのボスは無理を言ってくる』

『あんた達の専用施設作ってやるんだからきりきり働け』


 20人の部隊が進行している先、廃墟の上へと葉巻を吸いつつ登り、狙っている部隊を確認してからウサ銃を構えて、葉巻を揺らしながら引き金を絞る。

 大きく銃声を響かせると共に、警戒していた前衛の一人に一撃与えて、それを皮切りにマイカと十兵衛が建物を内側から攻撃して、進行している所へと降り注がせる。

 大小様々な瓦礫が落ち、小さいダメージから大きいダメージを与えつつ襲撃に対する警告を部隊全体に知らせる声に、ホイッスルで音を鳴らしているのもいる。

 結構しっかりと連携を取っているな、やっぱりでかいクランになればなるほどこういう手段は多いのか。


『火炎瓶は使ってもいいわ、此処でこの20人全員潰すわよ』

『大盤振る舞いだなぁー』

『あんたは投げるよりもさっさと突っ込みたいのも知ってるって』

『もうマイカの火炎瓶は儂が預かってるぞ』

『だろうな』


 とにかく投げまくってすぐに消費するから没収されたんだろうな、そりゃそうだ。


『とにかく短期決戦で叩き潰すわよ』

『やる気のアカメちゃんこわーい!』


 うるせえ、銃弾ぶち込むぞ。

 とにかく着弾を確認したらすぐに撃ち、修正をしつつ撃ちを繰り返す。


『私の方に走り始めてるから、追撃と退路封じのタイミングは任せるわ』

『マイカいっきまーす!』

『儂も動くぞ』


 5発撃ちきると同時にクリップが跳ね飛んで「チャキン」とあの独特のクリップ排出音をさせてからすぐに装填スキルで5発同時に弾倉に押し込んで、装填を完了させる。

 本当だったら場所を知らせるから、少し撃ったら移動をするべきなのだが、囮としての役割や、人数をごまかすと言う部分でもこの銃声と言うのが非常に重要になる。

 サプレッサーを付けての減音でどこから撃ったか分からない様にしながらと言うのもありと言えばありなのだが、要は使いようって事だな。


『あんた達いい仕事してくれるわ』


 ウサ銃の場合だと1発で大体50ダメージは入るので後はマイカに任せるが、とにかく止めではなく相手の足を止める、此方に向かわせるのさえやっておけば後はもうDボアで接近戦なり、銃剣で止めを刺せる。

 条件さえ揃っていればガンナーって強いな、通常のゲームプレイじゃ難易度高くて不遇だけど。


『イエース!』

『退路はあらかた塞げたぞ』

『あと1セット撃ったら移動するわ』

『了解』


 10発目を撃ち切ってクリップの排莢音をさせてから、また5発入れなおす。電撃作戦で大事なのは速さよ。HPはケチるとダメだが、MPはケチるべきじゃない。

 まあガンガン銃弾使ってるから、そこはケチるべきではあるがな。


「いたぞー!突っ込めー!」

「おっと、やばいな」


 マイカと十兵衛が横から殴っているのから抜け出した、銃弾を食らってないのが流石に近づいてくる。


『こっちはこっちで戦うから、銃撃援護は出来ないわ』

『うーい』

『こっちもそっちに向かう』


 其れと合わせて鬨の声も北と西から響いてくる。やっぱり銃声、でかすぎたな。

 その聞こえた方を軽く確認し、もう一度向かってくる相手を確認したのだが、撃ち下ろしてた所を見られたのか、1人と視線が交わると同時に斬撃が飛んでくる。

 あっぶねえ、今いた所、がっつり抉ってるし掠ってるわ。


「いや、ちょっと待て、そんな遠距離あるんか!」


 「ザン」っと音をさせ建物を吹き飛ばしながら私の事を追い立ててくる。

 失敗したな、そりゃ剣士系だとしてもそういった攻撃してくるのはいるよ、完全に私の想定外だった。

 とりあえず接近戦用に鳳仙花を切り替え、廃墟の中に戻り、階段上に待ち構える。まあ基本よね、上に陣取って待ち構えるのって。


「よし、こい、こいこい……」


 と、同時に1階の辛うじてあったドアが蹴り飛ばされて3人程中に入ってくる。まあ、人数がいた所で上に登ってこれる人数って1人だからあんまり意味ないのよね……さっき何人いたのか確認するの忘れてたわ。


 で、階段下に出てきた瞬間に鳳仙花で1射。

 ダメージ与えて出鼻を挫かせてから、そのまましゃがんで覗き込みながらすぐに撃てるようにしておく。


 追い詰められた事あんまりないけど、こういうのって動くのとじっとしてるのをどう判断するか結構難しいのよね。

 飛ぶ斬撃持ちがいるから、あんまりじっとしてるの悪いとは思うし、此処で攻め込まないと回復される可能性もあるんだったな。

 ケチって1発だけにするのやめときゃ良かった。


 ああ、もう、読み合いって苦手。

 そういう訳でインベントリから1ℓ火炎瓶を取り出し、葉巻で火を付けて階下に投下。

 「バリン」と瓶の割れる音と共に階下が火の海になった所で動き、さっきの斬撃で斬られた所からそのまま一気に降りて、南側へと走り始める。

 炎上効果で足止めしたのか、引いたのかは分からんが、とにかく一度合流して、立て直すか。


 なんて、思っていた時に後ろから思い切り斬撃を貰う。

 飛んできた方向を確認すれば、炎上しながらこっちにさっきの飛ばせる斬撃を放っているのが見える。

 よくあそこで我慢してたわ、2人になってるのを見るに炎上と鳳仙花ダメージで1人落ちたかね。


「此処まで残ってるんだから読み合いに強いのくらい考えて置けよ、馬鹿」


 高性能な方に入るスーツでも30ダメージ近く貰うとは、あんなの連打されたら敵わん。

 とにかく距離のあるうちにさっさと次の廃墟に入り込みながら南の方へと逃げる。


『ちょっとやばいかも』

『5人やったけど、残り15人くらいはー?』

『こっちでも4人だな』

『私で1人、2人後ろに付かれてる』

『残ってる8人をあんた達で片付けられる?』

『火炎瓶使うぞ』

『いいわ、とにかくここで片付けてから立て直そう』


 そう言ってから減ったHPとMPを回復しつつ、南の方に向かい、そこから東に方向展開して十兵衛との合流を考えるが。


「くっそ、結構しつこいな!」


 大体クールタイムが20秒くらいか?

 一定間隔で斬撃が飛んでくるのが、マジで厄介すぎる。


「正念場だって言うのに……ああ、もぉー!」


 鳳仙花を片手で持ち、Dボアを抜いて後ろに向けて1発撃ち、走り、1発撃ちを3発分やりつつ、走り続ける。

 まあ、勿論の事当たるはずもなく、銃声ばかり響くわけだが、さっきから何度も撃ち込んでたかいもあって東南側にいた有象無象が銃声を聞きつけちらりと見える。

 

「一抜けた!」


 何度目かの斬撃を避けてから0.5ℓ火炎瓶で進行を妨げてから、別の廃墟に素早く入って、また持ち替えてから息を潜める。

 倒した数は多いけど、やっぱり対多数相手はきつすぎるわ。

名前:アカメ 種族:ドラゴニアン


職業:ガンナー

基本Lv:30 職業Lv:30

HP:92/100 MP:71/75

STR:10 AGI:24(26) DEX:20

VIT:1 INT:1 RES:1


【スキル1】

装填Lv5(MAX) トラッカーLv5(MAX) ボマーLv5(MAX)

二度撃ちLv2 銃格闘Lv3  銃剣Lv3 曲撃ちLv3 跳弾Lv3 

生活火魔法


【装備】

武器:鳳仙花(装弾×2)

防具:パンツスーツ 

装飾:コート ガンベルト(銃弾×20)

その他:Dボア(装弾×3) 

   :銃弾×11 (枠外) カスタムM2ラビット(劣化)(装弾×0)


【持ち物】 

HP25ポーション×4 HP100ポーション×2 MP30ポーション×2 

葉巻×5 火炎瓶0.5ℓ×5 火炎瓶1.0ℓ×6 パイプ爆弾30g×5

双眼鏡×1 針金×5m 松明×5 油×4 

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