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最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職  作者: 鎌霧
1章

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14話 正しい使い方

 『To The World Roadへようこそ』




 いつもの機械音声とともにエルスタン東エリア1と2の間の安全地帯にログインが完了する。まあいちいちログインするたびにお久しぶりですとか、いちいち運営が出迎えてくれるわけないから当たり前なのだが。


 あれから6時間ほど睡眠を取って朝の4時。休み中の私には時間の概念など、吹き飛んでいる。現在ゲーム内時間では1/4の16時、リアルタイム19時間経過だ。


「せっかくここまで来たけど、やっぱりエルスタンに戻って北エリア1で狩りがいいか」


 マップを開きエルスタンの方向を確認し、あまり意味がなさそうだがしっかりと柔軟体操をしてから走る準備を進める。東エリア1は犬さえ突破できればあとはヌルゲー。そう、来た時と同じように潜伏しながら掻い潜れば何一つ問題ない。って、思っていたんだけどまあ死ぬ。


 はっきりいって事あるごとに死にまくってるのでデスペナとか、死に戻りとかに抵抗が全くなくなっている。昔はMMOで一回死ぬと取り返すのに何十時間とかかるからなるべく死なない様にしていたが、それも移り変わってFPSやらすぐに死ぬアクションゲームとかをやっていると「まあ、取り返せばいい」という思考に移り変わっていく。しかも現時点でペナルティの部分がないわけだから、それも拍車をかけまくり。




「ちょっと命を軽く見過ぎだと思うんだよね、自分でも」


 通算四度目の死に戻りをしながらもう、なんとも思ってない顔ですぐにエリア1の方へと歩き出す。とにかく一回突破してエルスタンに入れば復活地点を更新できるので、それさえ忘れなければ勝ったも同然。決して復活地点を更新し忘れるというフリではない。


「流石にフルダイブだから自分の反応速度とか経験で回避できると思ってたけど、できないんだよなあ……わかってても体が付いてこないっていうか、自分の認識と体の反応がずれるし、ステータスが低いからダメって事なんかな」


 ログアウト中にちらっとみたトッププレイヤーの動画では、二回りほどステータスが上の人物が縦横無尽に回避やら移動しているのを見たが、やはりステータスありきの話っぽい。だからいくら私の意識が反応しても体が付いてこなければそれは動けていないという事で確定だ。

 リアルのほうで別ゲームをやっている時も自分の操作とゲーム上の動きがリンクしていないせいでやられてしまうとか、目では追いついているのに操作が追いつかないとかもある。


「何にせよ、結局レベルを上げてステータスを上げるのが課題に違いないか」


 そう考えながら私の足はあのクソ犬に噛まれている。AGIが高くなれば移動速度にブーストがかかるので逃げられると思ったが、向こうの方が上だった。そりゃあ自分よりも足の速い奴が一緒に走ったら追いつかれる。これはこの間の犬耳ショタに弾き飛ばされた時と一緒だ。


「よし、もう一度だな、さっさと殺せ」


 痛くはないが、びりびりと振動が流れるような感じがある。東エリア1突破作戦を開始して五度目の死に戻りを経験、とっくに二桁死亡してるのは私だけだろう。それにしても行きは余裕だったのに帰りがきつすぎる。


 もう回避と言うか素早く動けないんであればもっと慎重になって隠密してみよう。動かない事とか息を潜めるのに関してはステータスと言うよりも動かないという意思の強さだ。


 まずあのクソ犬に関しては、戦闘乱入と2:1で喧嘩を売ってくるアクティブモンスターだ。探知方法は視覚と嗅覚。2:1の状況で今の所やられているパターンは一匹に発見されている状態で他のクソ犬に発見されてアクティブ化だ。それに発覚されたときにしばらく此方を様子見しながら付いてくるのがすげえ狡猾、それでもう一匹に見つかれば襲い掛かってくる。


 っていうか、たかがLv4の初心者相手のモンスターをここまで理解して突破しなきゃならないって、どんだけガンナー貧弱なんだよ。銃弾出来たら覚えてろよ。

 

「まったく、しばらく東エリアにはいかない」


 わかっていたり、対策ができていたとしてもそれを実行に移して完璧にこなせられるステータスがあるわけではない。こんなことならポーション取っておけばよかったよ。

 結局あのクソ犬包囲網を突破してエルスタンに戻るまで追加で二回死んだ。





「犬なんて大嫌いだ!だから猫派なんだよ!」


 復活ポイントをエルスタンの北エリア側に再設定しながら叫びあげる。これ、本当に火薬自作できるんだろうか、自信がなくなってきた。なまじリアルな犬と言うかモデルなので本当に嫌いになりそうになる。可愛いモンスターに囲まれて楽しくゲームしたくなってきた。


 愚痴とため息を吐き出しながら北エリア1へと戻ってくる。

 しばらくぶりにやってきたマップは、最初に来た時よりも人口は少なくなっていた。そりゃそうだ、サービス開始と同時にやっていまだにこんな所にいるのは私だけさ。


 Lv1ラット、もう私の宿敵だよ。対策と言うか今までやられていたパターンは先に手を出して、体勢が崩れた状態で反撃を貰って転倒したり、クリティカルで死んでいたわけだ。っていうか犬の時もそうだが、この低レベル相手にボス戦並みに慎重になるってなんだよ。ほんと、最初の銃撃戦は楽しかったよ。


 しかしここでしっかりと戦い方の確立と立ち回りを改めて見直すいい機会だ。

 手頃にいるラットを正面に捉えつつ、ウサ銃を構える。今まではバットの様に持ったり、遠心力とか言ってストック部分を両手で振り回してたが、今回は違う。

 左足を相手に対して正対に、右足を左足の半歩後ろに横向きに。フォアエンド……よくライフルを構えるときに持つ銃身の下部分を握り、ストックと本体の付け根部分を握ってしっかりとぶれない様に構える。剣部分は最初の短剣なので一突きで相手を倒すのを心掛ける意気込みで。


 正直相手を倒せればこういった型と言うのはどうでもいいと言われている。特に弓とか、射法とかどうでもよくて相手を殺せるように射れば何でもいいと、プロが言うくらいだし。でもそれはあくまで基本ができているという話なので、基本もままならずに振り回ししか出来なかった私はまず基本動作をしっかりするべきと考えた。


「どうせ2、3撃当てられるほど私は強くないんだ、よっ!」


 ラットが正面を向いた瞬間に一歩踏み出してまっすぐに相手の頭へと銃剣を突き出す。不意打ち気味に放った一撃はそのまま、真っすぐにラットの頭を貫き、いつもの甲高い悲鳴と共にポリゴン状の粒子になって消滅する。

 生物的な弱点部分にがっつり攻撃が入ったのでクリティカルになったのだろう。まさか一撃で倒せるとは私も思っていなかった。


 そしてなんだかんだで初めてまともに銃剣を使っての初撃破になった。


「よしっ、低レベルノンアクティブならこの方法で確実にいける」


 手ごたえを感じてぐっと握りこぶしを作る。



『銃剣のスキルがアンロックされました』



 このゲームをやってかなり上位に嬉しかったのだが、その間にピコンと音が鳴るとアナウンス音声が頭に響く。勿論メニューのログでも確認できる。やはりあるとおもった銃剣スキルだ。早速余っていたSPをつぎ込み取得する。

 基本的にこのゲームのスキルはレベルが上がるとその扱いが上手くなるというものになる。例えば触れていなかった装填に関してはLv1よりもLv2のほうがスムーズに装填できるようになる。と言った感じだ。自分の動きに関してはステータスが上がれば良くなるのもさっき説明したとおりだ。

 それに補正が掛けられるのがスキルになる。




スキル名:銃剣 レベル:1

分類:パッシブ

詳細:銃剣を使う際の行動に補正




 つまりさっきのようなしっかりした動きではなくても多少無茶な動きでもいけるようになる、そんなスキルだ。

 勿論なんでもかんでも覚えていくとあっという間にSPは枯渇するので、上位プレイヤーは実績やクエスト報酬でのポイントを狙うプレイもあるらしい。今の私には縁のない話だが。


「とりあえずあのクソ犬を倒せるくらいには強くならんと」


 いつかきっと根絶やしにしてやる。

名前:アカメ 種族:ドラゴニアン

職業:ガンナー

基本Lv:5 職業Lv:4

HP:26/26 MP:13/13 

STR:5 AGI:12 VIT:2 

DEX:11 INT:2  RES:2


スキルP:残4

スキル1:二度撃ちLv1 装填Lv2 調合Lv1 カスタマイズLv1 銃剣Lv1 

スキル2:木工Lv1 鍛冶Lv1 錬金Lv2 伐採Lv2 採掘Lv1


装備:カスタムM2ラビット(残弾0)×1 銃弾×0 

持ち物:レーション×9 鋸 鍛冶ハンマー 錬金窯 伐採斧 採掘つるはし

    :ゴミ×188 木炭(質1)×5

所持金:0Z


状態:異常無し 満腹度32%

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ読み始めの14話だが一旦所感書く。 話の内容自体は普通に楽しめているのだが、兎にも角にも文章がイマイチ。 「多分ここはこう書きたいんだろうな」「ここはこういう意味合いで書いてるんだ…
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