東理子 視点
日間ランキング1位ありがとうございます!
新参者でまだまだ拙い文章ですがよろしくお願いします。
「よし!」
玄関にある鏡の前で身なりを整え、私は気合を入れた。
今日から高校一年生!たくさん友達作って、運命の王子様に出会って恋をして、高校生活を満喫するぞ!
学校に着くと新入生が沢山いて、ピンクの花を貰っていたので私も流れに身を任せて花を貰うと親友の姿を見つけたので声をかける。
「まゆりーん!」
「理子、花貰ったんだね」
私の親友、朝香真由里は小学校から一緒でめちゃくちゃ美人!美少女とかじゃなくて美人!それでいて胸は大きいしくびれてるし足はスラってしてる。平凡顔とビミョーな体付きの私とは比べ物にならない......
私のことを1番理解してくれる大好きな親友なの!そして私もまゆりんを1番理解してる...と思う!
いつもミステリアスだけど今日はちょっと緊張してる?まゆりんが緊張するなんて珍しいな〜
まゆりんと一緒に入学式が行われる体育館へ行き、そのまますぐに入学式が始まった。
そして出会ったの。
キラキラの王子様に。
「新入生代表、桐ヶ谷隼人」そう呼ばれてステージに立った彼の姿は物凄くかっこよかった。
180cmありそうな高身長でストレートでサラサラな黒髪にくっきり二重の目、シュッとした鼻に柔らかそうな唇。物語から飛び出してきたような容姿をしていた。
私以外にも沢山の人が魅入って見惚れて蕩けていたと思う。
彼の凛とした佇まいに目を奪われ彼の澄んだ声に耳を奪われ私は一瞬で恋に落ちた。
きっと彼が運命の人に違いない!
挨拶が終わって席に戻る桐ヶ谷くんを目で追い、真剣な表情の桐ヶ谷くんに見惚れながら入学式が終わった。もっと見ていたかったのに...
桐ヶ谷くんと同じクラスなんじゃないかって思い、まゆりんを引っ張ってクラス表を見に行ったら、なんと!同じAクラスだった!しかもまゆりんも一緒!
やっぱり運命の人なんだ......
クラスに行くとまだ桐ヶ谷くんは来てなかった。
「まゆりんあのね、私運命の人見つけちゃった!」
「もしかして桐ヶ谷隼人って人?」
まゆりんはそう言ってきた。さすが親友だよ!
「うん!ビビッときたの、この人だ!って」
「そうなんだ、ライバル多いと思うよ?」
「愛があればいけるよ!」
「あんまり突っ走りすぎちゃダメだよ、理子はそういうとこあるんだから」
「了解です!」
敬礼とポーズをする。まゆりんは色んなことにアドバイスしてくれるから凄く助かる。
桐ヶ谷くんがクラスに入ってきた。すっごいオーラでキラキラしている。後ろにいた4人もキラキラしてたけど桐ヶ谷くんは比べ物にならないくらい凄かった。
ぼーっと見ていると窓側の後ろに座ったので、追いかけてまゆりんと一緒に1番近い席に座った。
桐ヶ谷くんの斜め前!授業中見れないのは辛いけど近くにいると思うとドキドキした。
桐ヶ谷くんと4人の会話に一区切りついたみたいなので後ろを向いて自己紹介をする。
「――――あのっ!私、東理子って言います!これからよろしくお願いします!」
間近で見る桐ヶ谷くんは挨拶で見た時よりもカッコよくてキラキラしていて眩しかった。きっと性格も良い人なんだろうなぁ。
「あー、よろしく。俺は桐ヶ谷隼人。でこいつらは中学からの親友。」
他の四人もやっぱりキラキラしてた。眩しい。私も親友を紹介しようと思い、こっちを見ていたまゆりんを引き寄せる。
「あ、えと、こっちの人は朝香 真由里で親友、です!」
「朝香真由里です。よろしくね」
紹介が終わるとまゆりんは席に戻って、桐ヶ谷くん達は5人の会話を始めようとしてたので私も席に戻り、興奮した状態でまゆりんに話しかけた。
帰りも話しかけようと思ったらすぐに教室から出ていっちゃったので諦めた。
次の日、学校に行くと桐ヶ谷くん達がいたので、皆に挨拶をした。
授業はオリエンテーションでプリントが配れることが多く後ろに渡す度に桐ヶ谷くんが目に入るので何度も見惚れそうになったりした。
お昼はまゆりんと桐ヶ谷くん達とで食べたかったけどまゆりんが2人で食べようと言ってくれたので今度にすることにした。
放課後はすぐに帰ってしまったので話しかけることが出来なかった。
む〜なかなか話せる機会がない......でも諦めない!!
その次の日は、挨拶は出来たけどお昼に先生に雑用を頼まれてしまった。入学して3日なのに...
次の日も挨拶して、お昼を誘おうと思ったら違うクラスの3人の女子から声をかけられてしまった。知らない人だけど、あっちは私のことを知ってるみたい。
人が少ない女子トイレまでくると真ん中にいる女子が凄い剣幕で睨んできた。
「ねぇ、桐ヶ谷くん達に迷惑掛けてるんだって?」
「迷惑?」
なんの事だろう。言葉を返すと他の2人も睨んできた。
「うっざ、こっちは知ってんだから」
「仲良くもないのに桐ヶ谷くん達にベタベタ付き纏って」
別に付き纏ってなんかない。
「ねぇ、聞いてんのかって!」
真ん中にいた女子が肩を思っきり押してきた。
「仲良くなりたいから桐ヶ谷くんに話しかけてるだけ!悪いことなんてなにもしてない!」
私は悪くない。こんな事言うなんて絶対間違ってる。
「はぁ?アンタ馬鹿?それが迷惑させてるって言ってんじゃん」
「いい?あの5人はアンタみたいなブスなんかが軽々しく話しかけていい存在じゃないの、仲良くなりたいとかマジありえないから」
ずっとこんな言い争いを続けているとチャイムがなり昼休みが終わった。
「今日はこの辺にしとくけど次桐ヶ谷くん達に変なことしたら、ただじゃすまないから」
「調子乗んなよ?」
そう言って女子3人は出ていった。
「私は間違ってない、ただ仲良くなりたいだけ」
拳を握りしめ呟く。
次の日、学校に行くと下駄箱の所で見つけた桐ヶ谷くん達に挨拶をした。今日もかっこいい!キラキラしてるなぁ〜。
お昼を誘おうと思ったら私とした事がお弁当を忘れてしまった!!夢のお裾分けタイムが〜〜!
仕方なく購買でパンを買ってこようと廊下に出ると違うクラスの女子2人に呼び止められた。ついてきて欲しいところがあるらしい。これって昨日と同じやつなのかな......
ついて行った所は体育館裏だった。女子2人はやっぱり昨日と同じような話だった。私も同じように返していたけど、どんどん言葉がキツくなっていき私は突き飛ばされて尻餅をついた。
でもそれだけじゃ終わらなくて、蹴られる!って思った時に、女子2人の後ろの方から声が聞こえた。
「――――こんな所で何してるんだ?」
女子2人が後ろを振り向きその間から声のした方を覗くと、中学の時同じクラスだった矢澤 翔吾がこっちに歩いてきていた。
「チッ、いこ」
女子2人は邪魔が入ったからか走って逃げていった。
「理子、大丈夫か?」
「翔ちゃん、なんでここに?」
翔ちゃんの差し伸べた手を取り立ち上がる。
「お前結構噂になってるからなー、クラス行ったら朝香しかいないし購買にもいないし色々探してたらここに辿り着いた」
「噂...そうなんだ...ありがとう翔ちゃん!」
翔ちゃんは中学2年生の時に同じクラスになってお互い馬鹿にし合ったりする1番仲のいい男友達。いつもからかってきたりするけど、ここぞって時に助けてくれる本当は優しい人なんだよね!
「ああいうのはあんまり相手にしない方がいいぞ、今だって危なかったし」
翔ちゃんは裏入口の階段に腰掛けたので私も隣に座る。
「でも、私は悪いことなんてしてないし」
「理子はそういうところが頑固なんだよなー」
「うるさいー!こんなんで負けてられないの!」
「あの桐ヶ谷ってやつのこと好きなのか?」
翔ちゃんはこっちを向いて真剣な顔をして聞いてきた。
「うん、初恋だから全力で行こうと思って」
「......そっかー理子がとうとう初恋かー!まぁ、道は険しいが頑張れよっ!」
翔ちゃんが背中を叩いてきた。結構痛い...
「ありがとう、がんばるよ!」
「おう!」
入学してからの話をしながら校舎に戻りクラスの前で別れた。
「まゆりんただいまー!」
「おかえり、パンは?」
「ああ!!」
まゆりんのデザートの梨を貰いました...
週が明け、いつものように桐ヶ谷くん達に挨拶をして授業を受ける。お昼になると、今日も知らない人に呼ばれてしまった。今日は先輩女子2人みたい。絶対負けないから!
旧校舎にある水道のところで2人は立ち止まった。2人の言ってることは前と一緒でまた同じように返す。
「調子のんなっつってんの!」
「つかさ、その顔でF5に近寄るとか何様って感じなんだけど」
「私はただ、仲良くしたいって思っただけです!何様でもありません!!」
「だからそれが生意気なんだって!キモイから!」
先輩2人は水道に付けてあったホースをこっちに向けた。
かけられる!!! 私は咄嗟に目をつぶった。
「―――――っつめてぇ...」
身構えているとそんな言葉が耳に入った。この声を知ってる。澄んだ綺麗な声。もしかして...
「あ、あ、F5の桐ヶ谷くん......」
桐ヶ谷くん!!なんで?どうしてここが分かったの!?本当の本当に王子様なのかな。凄いキラキラ光ってる。
「桐ヶ谷、くん...どうして」
「先輩、なにしてんすか。」
「これは、その、ちょっと、遊んでて、」
「やりすぎですよ」
桐ヶ谷くんは水を止めて先輩達を睨みつけてる。私の...ために?
「ご、ごめんなさっ」
先輩女子2人は走って逃げてった。
「桐ヶ谷くん、どうしてこんなところに」
「連れてかれるの見たから追いかけた」
追いかけて来てくれたんだ...嬉しい
「巻き込んで、ごめんなさい!!」
「いや大丈夫、俺が勝手にやったことだから」
やっぱり桐ヶ谷くんは優しい人だ。心のどこがで本当は皆が言ってる通り迷惑がってるんじゃないかって思ってたけど、そんなこと無かった。桐ヶ谷くんは誰に対しても優しいし私が特別って訳じゃないけど同時に迷惑もしてないってことだよね!だって助けてくれたし!はぁ、かっこいい。
桐ヶ谷くんは上着を脱いでネクタイを取る。
裸なわけじゃないのに目のやり場に困る...
「た、助けてくれてありがとう!ほんとにごめんなさい!いつものとは今日は違くて、まさかこんなことになるなんて。」
私は俯きながら言った。多分顔真っ赤だろうな。
「呼び出しにほいほい付いてくのもどうかと思うんだけど」
桐ヶ谷くんはそう言ってきた。あなたと仲良くなりたいから!なんて言える訳ないし...
「だって!何も悪いことしてないのに文句言われる筋合いはないし逃げてるみたいで嫌なの!」
「そ、じゃ俺保健室寄ってくから教室帰ってなよ」
私の気持ちを知らないで軽く流されてしまった。
「いやいや一緒に保健室行くよ!私も悪いし!」
それにもっと話したいし!!仲良くなりたいし近づきたい!
「いらない、悪いと思うなら床拭いていきなよ誰かが滑ると危ないし」
「え?床?――――っきゃ!!」
なんとしても一緒に行きたいと桐ヶ谷くんの方に歩くと足が滑って桐ヶ谷くんの方に転んでしまった。
「うわぁ!ごめんなさい!」
き、桐ヶ谷くんのむ、胸に突っ込んでしまった!!キラキラの王子様の胸に...!!
うわぁぁぁ!!!
「どけてくれる?」
そう言われたのですぐさま立ち上がる。心臓がドキドキいってる。爆発しそうだよ〜!
「ブレザーびしょびしょ...」
桐ヶ谷くんは落ちたブレザーを拾い上げると水がポツポツと床に落ちた。
「ごめんなさい......」
桐ヶ谷くんは保健室に私は水道の横に干してあった雑巾で床を拭くために別れた。
もっと一緒に居たかったなぁ...びっくりするほどいい匂いしたし。
桐ヶ谷くんを思い出してるとあっという間に掃除が終わった。保健室に寄ろうと思ったけどチャイムがなってしまって断念。またお昼ご飯逃したよ...
5時間目が終わっても桐ヶ谷くんは戻ってこなかった。F5の4人たちはサボりだって言ってたけど大丈夫かな、風邪とかひいちゃったり?ここは保健室行った方がいいよね?
そう思って立ち上がるとまゆりんが止めてきた。
「サボりなら行かない方がいいんじゃない?疲れてるんだろうし」
「う〜ん、それもそうだよね!」
確かにまゆりんの言う通りサボってるところに会いに行ったらそれこそ邪魔になっちゃう。やめておこう。
6時間目が始まって半分が過ぎたくらいにまゆりんが腹痛を訴えて保健室に行った。少しだけいいなと思ってしまった。ダメダメまゆりんに失礼だよね!
でも桐ヶ谷くんとまゆりんが凄く仲良くなってたり......そんなわけないか!
放課後になって、保健室から2人が戻ってくるのを待った。F5の4人も桐ヶ谷くんを待ってるみたいだけど、会話に入れない......あれ、私って桐ヶ谷くんがいないとグイグイ行けないのかな。
「お!隼人ー!サボり病は治ったのか!」
隣の席の土井くんが扉の方に向けて声をかけた。そちらを見ると桐ヶ谷くんとまゆりんが一緒にクラスに入ってきていた。
「おー龍二、ピンピンだわ」
私はまゆりんに駆け寄った。
「まゆりんお腹は大丈夫?」
「うん、もう大丈夫元気になったよ」
まゆりんはいつもみたいに微笑んで見せた。でも少し顔が赤いような。本当に大丈夫かな。
「桐ヶ谷くん!今日はありがとう!また明日ね!」
私は桐ヶ谷くんにお礼をしてまゆりんと一緒に帰る。
「まゆりん!桐ヶ谷くんと何か話したりした?」
「え?ううん特に何も、一緒にクラス戻っただけだよ」
「じゃあ、桐ヶ谷くんを好きになっちゃったりなんかは!?」
「ふふふ、なってないよ」
「そうなんだね!」
良かった〜まゆりんがライバルでも譲らないけど、流石に勝てそうもなくなっちゃう。
まゆりんとまではいかなくてもライバルはきっと私よりも可愛い子ばっかりなんだろうな。
よし、来月の林間学校までに女子力上げるぞ!!
翔ちゃんの当て馬感