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好きな子追いかけてたら英雄になってた  作者: エコー
第十章 災厄

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第八十三話「助力」


 剣に限らず槍、盾、ランドルの持っていたような斧が並んでいる武器屋。

 

 次第に店が騒々しくなるのは俺達が原因だった。

 俺と、クリストのせいだった。


「だから、絶対こっちだって言ってるだろ。俺は譲らないぞ」

「俺だって譲らねえよ。おい! ランドル! どっちがいいんだよ!」


 クリストの怒鳴り声が響き、店内にちらほらいる客から視線が集中する。

 ちなみにエルは「ランドルの武器一緒に選ぶなんて嫌」と店の前で待機。

 フィオレも「なら」とエルと待機組に入った。

 

 セリアは俺達と選んでいたが次第に呆れ顔になり、気付けば女子グループに混ざっていた。


 要するに今は、男子会だ。

 こうもはっきり決まらず平行線なのは、ランドルのせいだった。


「お前らが選んだのならどっちでもいい。お前らが決めろ」


 俺とクリストの選んだ剣を「こっちがいい」とか一切言わないのだ。

 まだランドルが決めるのなら納得できるが、自分達で折り合いをつけろといわれると難しい。

 

「くっ……」


 歯を剥きだしてクリストを威圧するが、クリストも目を細めて敵を見るような目だ。

 これは話し合いでは決着はつかない。


「クリスト、勝負だ」

「上等だ。表に出ろ」


 隙を見せるなとか散々言われていたが、お互いそんなことは脳内から排除している。

 理性はある。闘気の負荷を感じるほどの戦いはしない。

 だが、剣を抜かねばならない。

 これはそれほど大事なことなのだ。


 ランドルが剣を振るのを見て「あの剣、俺が選んだんだぜ」とずっとどや顔できる権利を持つのは、俺だ。


 表に出ると俺とクリストの陰険な雰囲気に、女子達が「はぁ?」と呆れ顔。

 セリアが近寄ってくる前に、俺達は剣を抜く。


「こんな所で師匠を超えることになるとは、災厄前のウォーミングアップには丁度いいか」

「言ってろよ。いいか、ルールは負荷のかからない闘気量で、だ。分かったか」

「当然だ」


 俺は闘気を開放する。

 負荷がかからない量とはいえ、辺りが赤い闘気で包まれる。

 何事だと俺達を観察していた通行人もごくりと喉を鳴らす。

 

 そして、クリストの闘気が開放された。


 俺の闘気を包み込み、視界に映る場所はクリストの赤い闘気によって埋め尽くされる。

 ちょっとまて。

 少し外れかけた理性が戻り始める。


「お……おい、何で全開なんだよ。勝てるわけないだろ」

「八割くらいだ。別に俺は負荷かからねえし」

「チッ……いや」


 ははん、分かったぞ。

 元々災厄に気をつけろと言っていたクリストだ。

 こんな自分に有利なルールを作って、戦う前に俺を諦めさせる作戦だろう。

 分かってしまえば、下手に出る必要もない。


「かかってこいよ。やれるもんならな」

「は? 何言ってんだ。行くぞ――!」


 クリストが真剣な面持ちで剣を構えると、風斬りの姿勢。

 そのまま、足に力を入れるのが見えると、クリストの体が――。


 消えた。


 いや、気付けば俺の目の前にいた。

 クリストは迷いなく、俺に剣を振り下ろし……。


「おおおおおお!!」


 俺は焦り剣を合わせるが、ギリリリと剣同士が鳴り響く。

 闘気の差で重すぎる。

 やばい、腕の骨がぎしぎしと軋んでいる気がする……。

 

 俺が仕方なく更に闘気を開放させると、剣を振り上げ、クリストを弾き飛ばす。

 くそ、ふざけやがって。

 俺は風斬りの構えで、中段から構える。

 そのまま、踏み込もうとすると――。


「ちょ、ちょっと――」


 唖然として口を開いたまま固まっていたセリアが、少し声を出す。

 そんな静止じゃ止まらない、俺が飛び込む瞬間。


「待ちなさい! 何やってるんですか!」


 懐かしい、声が聞こえた。

 さすがに足を止めてしまい、剣は構えたまま声の方向に視線をやる。


 そこには、懐かしい顔があった。

 最初に頭に浮かんだのは、成長しているな、と。

 剣術はもちろんの事、綺麗なさらっと艶のある長い青髪。

 お淑やかという言葉がぴったりはまる、清楚な顔立ち、美人。

 すらっと柔らかそうな佇まいで俺と目が合う彼女は、碧眼をぱちくり見開いていた。


「アルベルさん……?」

「あ、ローラさん。お久しぶりです」


 状況には似合わないが、普通に挨拶してしまう。

 ローラはこの異常事態をすぐに察知したのか、飛ぶように俺の横に並んで剣を抜いた。

 構えを見ただけで分かる、あれから、更なる進化を遂げている。


「アルベルさん、敵ですか……?」


 巨大な闘気を変わらず開放しているクリストを敵だと思ったようだ。

 険しい表情を作りながら、俺に問いかける。

 うん、そうなるか。

 

 さすがに誤解されるのはしのびなく、俺は闘気を抑える。

 俺の様子にクリストもやれやれといった感じに巨大な闘気を静めた。

 「あれ?」とローラが困惑する中。


 一人お怒りの人物がいた。


 その怒りのオーラを撒き散らしているのは、俺の嫁だった。

 拳に闘気が集中して、青い炎のようにゆらゆらと燃えている。


 まずは、クリストだった。


 クリストの美顔がぐしゃっと歪んだと分かる頃には上空にすっとんでいった。

 

「うわ……」


 宙で弧を描くクリストに呆気にとられていると、次は俺の番だった。

 最後に見たのは、遠く離れた地面。

 空が近いな……そんな事を、思っていた。




 目が覚めると、顎を砕かれたと思っていたが傷一つなかった。

 頭には柔らかい感触、俺には一瞬で分かる。セリアの膝だ。

 目蓋を勢いよく開くと、もう怒ってなさそうなセリアがいた。


「アル、だめじゃない。クリストにはもう言ったけど」

「さっきのは、悪いのはクリストだよ……」


 とばっちりだ。まじで。

 体を起こすと、ばつが悪そうにぽりぽり頭を掻いているクリストが見える。

 ほんと、クリストのせいだぞ。


 そしてその横にいるランドルを見て、驚いた。

 腰には、剣が掛かっているじゃないか。

 ランドルの巨体に見合う大きめの剣で、よく似合っていると思うが。

 俺が気絶している間に、買っている。

 まさかクリスト……と思い睨みつけるが、クリストが溜息を吐きながら首を振った。

 

 あれ? と思いながらよく見ると、確かに俺が選んでいたやつでも、クリストが選んだものでもない。

 では、なぜ……。


「もう貴方達一生決めないから、私が選んだわよ」


 セリアは呆れ顔で「はぁ」と俺とクリストを見回した。

 仕方ないか……。

 彼女が選んだのなら、俺とクリストに発言権はない。

 セリアがNo1なのだ。


 とにかく一件落着か、そう思ったが。

 意識を失う前に懐かしい人を見た気がする……。

 

 もうあそこから夢の世界だったのだろうか。

 俺はきょろきょろと周囲を見回すと、違った。


 エルと並んで微笑みながら話している、清楚美人の姿があった。

 俺は挨拶しないとと、立ち上がってローラに近寄っていく。


「あの、先程はすいません。お久しぶりです」


 俺が申し訳なさそうに声を掛けると、ローラは苦笑いながらも、綺麗な姿勢で礼をした。


「お久しぶりです、事情は聞きましたけど、街中で喧嘩を始めるのは……」

「はい、心から反省してます。もう二度としません」


 肩をおとしながら頭も下げ、上げると、もうローラは微笑みに変わっていた。


「何年ぶりでしょうか。最近よく噂を聞いていたので、そろそろ会えるような気がしてました」

「あぁ……この数年色々ありましたからね……」


 もう海竜王の群れ辺りからの噂も出回っているだろうか。

 

「多分今、アルベルさんは世界一有名ですよ。私などでは届かないほど強くなってるのでしょうね」

「いえ、実はそういうわけでは――」


 俺が言い終わる前に、ぽんと肩を叩かれる。

 手の形ですぐに分かる、セリアだ。

 ばさっと長い金髪を振りながら、少し眉を寄せている。


「アル、この方は誰?」


 少し、怒っているだろうか。

 それもそうだ。

 俺だって、自分の知らないイケメンとセリアが仲良さげに話していたら嫉妬する。

 セリアの場合は、怒りに変化するのかもしれないが。

 嫁の拳は全て受け止めるつもりでも、さすがに頻繁に気絶したくない。


「この人はローラさんっていってね、この国に来た時に凄くお世話になったんだ」

「そうなの……」


 セリアは少し俯いた後に、ローラの瞳をじーっと見つめた。

 俺も一緒になってみるが、ぱっちり開かれた碧眼がきらりと輝いている。

 俺達の視線が集中してもローラは動じず、儚げな表情でセリアと向かい合った。


「セリアさんですか?」

「え? えぇ、なんで知ってるの……?」

「アルベルさんの想い人だと、よく聞いていましたから」


 薄く微笑みを見せた後、ローラは深くおじぎをした。


「ローラ・ベトナーシュです。よろしくお願いします」


 真摯な態度に、セリアも強張っていた表情を和らげ、背をぴんと伸ばした。


「セリア・フロストルよ。よろしく……」


 何故か、その凛々しい姿勢とは正反対にセリアの挨拶には力がなかった。

 さっきまでの俺への態度を見るに「そう! よろしく頼むわね!」なんて言ってもおかしくないのだが。

 

「ねぇ、貴方、もしかして……」


 セリアが珍しくおどおどしながら聞くと、ローラは薄く微笑みを作りながら、首を振った。


「まだ私には気持ちを伝える資格はありません。想いが変わるような方じゃないのは分かっていますが、いつかは伝えるつもりです。その時はセリアさんにとって腹立たしいことかもしれませんが、少しだけ時間をいただけますか」


 ローラが長く語り、セリアは子供のようにこくりと頷いた。


「独り占めして、ごめんなさいね」

「初めて並んでいるところを見ましたが、お似合いですよ。お二人はもう?」

「結婚してるわ」

「そうですか……お幸せに」


 二人の会話は終わり、何故か強気だったセリアがしゅんとする結果になった。

 女の子同士なにか思うことがあったのだろうか。

 

 しばらくするとローラは俺に向き合った。


「ここに来てくださった事は嬉しいのですが、どうなさったのですか? 旅の途中で顔を出してくれたのですか?」

「少し問題を抱えてまして、それが終わればここで暮らします。何事もなければ、恐らくずっと」

「そうなんですか! 仕事などはどうなされるのですか?」


 『問題』を軽視したのか俺達がここで暮らすのが嬉しいのか、ローラは嬉々として生活の話を切り出す。

 もちろん、常識人のローラならそんな話になるだろう。

 クリストをちらっと見ると、その長身を活かし俺を見下ろすように威圧している。

 分かってる、分かってるさ。

 でも『働く気ないんすよ、ずっと剣術の稽古っすね!』なんて言いたくない。


 というか、災厄のことだ。

 流帝に限らずローラにも協力を仰ぐつもりでここに来たのだ。


「その事なんですが、ローラさんとアデラスさんに頼みがあるんです。聞いてもらえますか?」

「はい? もちろん構いませんが、お母様は道場ですので、そちらで話をしますか?」

「えぇ、助かります。急ぎの話なので……」

「ではすぐに行きましょうか。アルベルさん達なら問題ないので」


 他流派の人間が道場に入る事についてだろうな。

 俺は当たり前のように入っていたが、本当に異例なのだろうな。


 俺達はぞろぞろと、ローラに率いられながら懐かしの道場への道を歩いた。

 

 道場へ着くと「あら」と言いながら流帝が道場の前で俺達を待つように立っていた。

 この国に入った瞬間からバレてたような気配がするぞ。

 いや、別にいいんだけど。


 「お久しぶりです」と頭を下げて挨拶すると、流帝も嬉しげに挨拶を返してくれる。


「お母様、アルベルさんから話があるようで」

「あら、どうしたのかしら」

「大事な話なんです。ちょっと、ここでは……」


 たまに人が通る道場前を眺めながら、少し重々しく言う。

 そんな俺を察したように頷くと「来なさい」と道場の中へ導いた。


 中に入ると剣を振っていた門下生達が流帝と、俺達に頭を下げる。

 ちゃんと覚えられていたらしく、初めてきた時のような部外者を見るような視線ではない。

 俺も丁寧に礼をすると、何も言わずに歩く流帝に続いた。


 そういえば、昔に聞いたな。

 

 道場には男部屋と女部屋の大きい寝室が二つあり、個人の部屋を持つのは流帝だけだと。


 そして予想通り、廊下を歩いて招き入れられたのは流帝の部屋だった。

 ローラと流帝を合わせて俺達は八人の大所帯だが、すんなり中に入る。


 さすがに全員が座れるような椅子はなく、流帝が「ごめんなさいね」と立ったまま話を進める。


「それで、どうしたのかしら?」

「えぇ、実は……」


 俺達は災厄に狙われていることや、海竜の群れの移動、海竜王の行動の理由などを事細かに話す。

 そして、災厄は絶対に姿を現すこと。

 セリアの父だというのは言う必要もないし伏せておく。


 危険な相手だが、戦闘の際に協力してほしいということだった。


「そんな事態なら私達にも無関係ではないし、構わないのだけれど、力になれるかしらね」

「昔より今のほうが貴方の強さは分かりますよ。やはりとんでもなく強いですね」

「もう貴方の方が強いのではなくて? ルクスの迷宮攻略に、海竜王の討伐、噂になってるわよ」

「事情がありまして、その時と比べたらかなり弱くなったんです。今はアデラスさんには敵いませんよ」

「そうかしら、それに……この方のほうが強いでしょう」


 流帝が横目で見たのは、クリストだった。

 ローラはクリストの外見からか、母親が自分より強いといったからか、困惑していた。


「確かに……さっき見た闘気はとてつもないものでしたが……有名な方なのですか?」

「いや、俺は魔族だ。魔族の中じゃ有名だが、こっちじゃ名前を知ってるやつもいねえさ」

「なるほど……そちらの方も、えっと、エルフの方ですか?」


 フィオレは見た目ですぐに分かるからな。

 ローラが視線をちらりと向けると、フィオレも「あわわ」と頭を下げる。

 転ばないように、祈るようにフィオレを見守ると、なんとか踏みとどまった。

 よし、成長している。

 

「ドラゴ大陸に転移したので、そこで出会った仲間達です。頼りになるんですよ」

「皆さんの強さはよく伝わってきます。その、戦力の中に私も入っているのですか?」

「もちろんですよ。無理強いはしませんが」

「いえ、喜んで協力させてもらいますが、皆さんを見ていると力になれるかどうか……」

「そんな事ありませんよ。ローラさんの強さは昔から知ってますし、本当に頼りにしてます」

「はい……」


 自信なさげなローラだが、ローラは本当に強いと、心底思う。

 昔の俺の知ってるローラの腕でも、協力してくれたら嬉しいと思うはずだ。

 それから何年も経っているし、相当腕に磨きがかかっているだろう。

 立ち振舞いからも、あの頃より数段貫禄を感じる。

 

 とにかく、良かった。


「あっさり引き受けてもらえて助かりました。あまり驚かないんですね」

「えぇ、最近災厄という名前が頻繁に出てきてたから」


 言われてみればそうか。

 この大国に辿り着くまでにも何度か名前が挙がってたしな。

 

「なるほど……やはり民の間でも噂になってるんですか?」


「そうね、私は王城で耳に入れたけれど。海竜の群れの大移動から、海竜王が姿を現したことで異変の元凶を調べる者も多かったから。それに、この国に入った時違和感は感じなかった?」


「違和感……? 前より人口が多い気はしましたけど」

「それで合ってるわよ。そうね……私より本人から直接聞くのがいいでしょう」


 以前より人口密度が高いのがおかしなことか?

 というか、本人って誰だ。

 

「ローラ、行きなさい」


 はて、ローラはどこに行くのだろうか。

 しかし本人には伝わったのか頷き、俺と向き合った。


「災厄の事を一番危惧していたのはイグノーツ様です。伝えてきます。皆さんとも一度しっかり話し合ったほうがよいでしょう」


 なるほど、民を思うイグノーツらしい。

 それに、ちゃんと伝えないといけない。

 災厄の目当てが俺達だと知れば、さすがのイグノーツといえども出て行けと言うだろうか……。

 もちろんこの期に及んで居座るつもりはないが。


「どこかで待っていたほうがいいですか?」


「いつ城から降りてこられるか分からないので、なるべく屋敷にいてくださると助かります。あそこなら人目にもつきませんから」


「分かりました。あまり外を出歩かないようにしときます」


 ローラが微笑みを見せると、すぐに俺に背を向けて歩き出した。

 去ろうとするローラに、エルがぽつりと言う。


「ローラ、後で話せる?」

「えぇ、もちろんです。落ち着いたらゆっくり話しましょう」


 二人で微笑みあうと、ローラの背中は見えなくなった。

 俺の周りは美人が多すぎて、女の子同士の会話を眺めているだけで癒される。

 こんな顔セリアに見せたら殴られるかもしれない。

 ぶんぶんと軽く首を振ると、再び流帝と向き合った。


「では、ありがとうございました。もし戦いの時がくれば、よろしくお願いします」

「ええ、すぐに駆けつけると約束しましょう」


 災厄と戦えば、この国のどこにいても異変に気付くだろう。

 流帝の足ならすぐに俺達の元に来てくれると思う。

 よし、精闘気は使えなくなったのを帳消しにしてくれるような頼りになる剣士を仲間にできた。

 クリストも流帝の強さを感じ取っていたのか「うんうん」と満足気だった。


 これで襲撃が今晩だった場合などの問題は片付いた。

 後は、イグノーツに流帝を俺達の旅に同行する事の許可をもらうだけだ。


 俺達は流帝に深く礼をすると、道場を出た。

 


 途中銭湯に赴き風呂に入りたい気持ちを抑える。

 イグノーツのレスポンスの速さなら、すぐに屋敷に来てくれるかもしれない。

 王子を待たせて風呂に入ってました、なんてさすがにイグノーツも顔を引き攣らせそうだ。


 俺達は皆で家に帰り、日が暮れるまで剣術の稽古をした。


 こんな重大な話ならイグノーツはすぐに顔を見せにくるだろうと思ったのだが。

 その日は、イグノーツは現れなかった。


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