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第六話「剣術の上達と新たな知識」


 剣術の稽古が始まってから一ヶ月ほどが経過していた。



 俺の進歩はというと。


 触れている物にも闘気を送れるようになるまで常に闘気を纏っていろ、の試練はクリアしていた。

 できるようになるまで五日ほど掛かった。


 それまでは家のものを破壊しまくりルルにまで呆れられるし、毎日エリシアの説教を聞いていた。

 エルを怪我させてはいけないと甘やかすこともはばかれた。

 エルはその間ずっと機嫌が悪かったし。

 アスライさんから借りた本も破いてしまったりしてはまずいだろうと、好きな本を読むこともできなかった。


 いつまでこの状況が続くんだと、それはもう必死に石を握りしめ練習したのだ。

 初めてできた時は思わず家の中を走り回ってエリシアに怒られた。


 今となっては闘気を纏ってる時の力加減もわかってきた。

 何か触っていても壊すことはなくなっている。





 そんな訳でやっと本格的に剣術の稽古が始まったのだが。


 闘神流の基本的な型を教えてもらい、木刀を振りながら体に馴染ませる。

 最初はイゴルさんとセリアの稽古を横目で見て素振りしてることが多かった。

 しばらくすると闘神流は体術も使うのだ、とセリアと組み手させられた。


 それはもうぼこぼこにされた。


 女として生まれていたら俺はきっと大泣きして喚いていたことだろう。

 男である以上セリアの前で情けない所は見せたくなかった。

 いや、ぼこぼこにされてる時点で情けないが。


 最初のうちはエルが心配してすぐに治癒魔術をかけてくれていたんだが。

 イゴルさんは俺が痛みに弱いと気付くと、慣れたほうがいいと言ってその日の稽古が終わるまで治癒魔術をかけるのを禁止にした。


 鬼だ。

 

 しかし前世でもぼこぼこに殴られることなんてなかったのだ。

 痛みが走ると動きが止まってしまうのも事実だった。


 もちろんセリアも手加減してくれているのだろうが。

 イゴルさんとの稽古で寸止めなんてしたことないらしく。

 セリアに寸止めを期待するのは無理そうだった。

 確かに、イゴルさんとセリアで稽古したら寸止めするのはイゴルさんのほうだ。

 

 そしてイゴルさんから許しが出て、素手から木刀になった。


 セリアはより一層気合が入り、更に俺をぼこった。

 稽古が終わるまで俺の体は痣だらけだ。

 エリシアが見たら発狂して気を失うこと間違いないだろう。

 エルは心配そうにはしているが意外と大人しく見ていた。

 多分セリアのことを信頼しているのだろう。


 まだ剣術を始めたばっかりの俺がセリアと張り合えるようになるのはしばらく先だろう。

 セリアは天才らしいし追いつけるのかも怪しいが、自分で想像できないからな。





 そんな日々を送りながら、今日は新しいことを教えてもらっていた。


「目に闘気を集中させるんだ」


 イゴルさんはそういいながら自分の目を指差した。

 言われた通りにすると、イゴルさんとセリアが纏っている闘気が見えた。

 なるほど、これで俺のレベルに合わせてくれていたのか。


「戦闘中は必ずこの状態を維持すること」


 説明によると。


 相手がどこを重点的に闘気を纏っているのかを見るのが大事らしい。

 例えば全く同じ力量の相手だとすると、八割の闘気で拳を打ってきたらガードするこっちの腕の闘気を厚くしなければならない。

 もしくはその拳をかわして闘気の薄くなった所を狙ったり。

 これの難しい所は相手の攻撃を分析しながらころころと自分の闘気を移動させないといけないことだ。

 ゆっくりだったらできるが、高速戦闘となれば話は別だ。

 闘神流は高速で闘気を動かすのも極意の一つらしい。

 これも慣れるまで時間がかかるだろう。


 強くなる道のりはまだまだ長そうだ。

 まぁゆっくりやっていこうじゃないか、俺はまだ五歳だしな。

 鍛錬を怠らなければ成長して体が出来上がった時には。

 俺の腕前はなかなかのものになってるはずだ。

 将来俺が何をしているかはまだ想像できないけど。


 しかし新しいことができるようになる感覚は楽しい。

 毎日の稽古の時間が経つのは速く感じた。



 昼になると稽古は終わる。

 イゴルさんはたまに傭兵の仕事で町の近くにでた魔物の討伐に出かけたりした。

 基本的にイゴルさんが狩ってきた獲物が食卓に並ぶらしく、たまにの稼ぎでなんとかなっているらしい。


 イゴルさんは出かける際に、一人前になったら一緒に連れていってやると言っていたが正直怖い。

 もちろんイゴルさんがいれば大丈夫だろうが。

 やはり絶対に死なない確証がない以上怖いものは怖いのだ。

 こんな根性なしでこの世界で生きていけるのかと自分で心配にはなるが。



 稽古が終わると俺はエルとセリアを連れて診療所に向かうことが多かった。

 相変わらずセリアに文字を教えているのだ。

 俺が剣術を始めてから、セリアは変わった。

 セリアは何を思ったのか以前と違い積極的に勉強を頑張っていた。

 たまに頭を抱えて今にも頭から煙が噴出しそうなのは変わりなかったが。


 アスライさんにも剣術を習い始めたことを伝えた。

 というかエリシアから既に伝わっていた。

 アスライさんもエリシア同様、最初はかなり心配していたが、

 最後は頑張りなさいと言ってくれた。

 俺はこの人が大好きだった。

 感情豊かなセリアもすぐにアスライさんに懐いていた。

 

 たまにエルとセリアを連れてアスライさんの家に遊びにいったりもした。

 あまり体も良くないだろうに俺達に付き合って一緒に遊んでくれた。



 しかし、町を歩いているとたまに嫌な奴に出くわすこともある。

 俺を恐喝してくれたランドルとかいう奴に睨みつけられる事もあるのだが。

 しかしいつも横にいるセリアを見るとチッと舌打ちして去っていった。

 俺がこえーなぁと思っていると、そのセリアはエルにランドルを指差しながらあいつはねー、と何か注意していた。


 そういう闇もたまに垣間見る異世界生活だったが、俺は非常に充実した毎日を送っていた。




 ある日の稽古の途中。


 イゴルさんとセリアの打ち合いが終わり、俺に声が掛かった。


「アル、そろそろやってみるか」


 そう言って手をひらひらさせて俺を手招きするような仕草を見せる。

 やっとイゴルさんと打ち合えるのだろうか。

 俺はまだセリアとしか打ち合いはしたことはない。

 最初はずっとセリアの相手の予定ではなかったらしいのだが。

 俺の痛みに弱いのが慣れるまではセリアとだけやれとのことだった。


 そう、セリアは容赦がないのだ。

 

 もちろん本気でセリアが戦ったら俺は一瞬で無力化されるが。

 セリアは俺を木刀で打つことに何の躊躇も持っていなかった。

 そのおかげもあって俺も痛みに慣れてきたのだが。


 正直、俺も木刀を思いっきり振りたいと思っていたのだ。

 セリアとの稽古を見てる限り、イゴルさんは捌きながらダメな所を教えている。

 セリアのように一方的にぼこぼこにしてくることはないだろう。

 俺は喜んで声を上げた。


「はい! お願いします!」


 俺がそう言うと、イゴルさんも嬉しそうに木刀を構えた。

 イゴルさんは闘神流中段の構え。

 闘神流には上段、中段、下段の構えがある。

 基本的には中段の構えで、臨機応変に対応する形だ。

 俺も中段に構えて、少し大きくなった闘気を纏って見詰め合う。

 しばらくして、イゴルさんの口が開いた。


「よし! こい!」


 その言葉と共に、俺は闘気を足に送って足を踏みしめた。

 何度も練習した技の、闘神流風斬り。

 足に闘気を集中させて踏み込み、相手を斬る瞬間に腕と剣に高速で闘気を移動させる。

 これは闘神流の基本的な技で、奥義のようなものだ。

 ほとんどの技がこの技術の応用だ。

 しかし、俺はまだ闘気を自分の踏み込むスピードより早く移動させれなかった。

 あまり闘気が乗っていない木刀がガンッとイゴルさんに簡単にとめられる。

 

「まだ遅い!」


 返事をする余裕もなく、俺は剣を受けられたまま蹴りを繰り出す。

 狙うのはイゴルさんの足だ。

 本来は剣を握っている手や打ち合って隙ができた腹などに見舞うのだが。

 身長差があって俺の足ではイゴルさんの足ぐらいにしか届かなかった。


 しかし、俺が蹴りを出そうと右足を地面から離した瞬間。

 俺の蹴りより早くにイゴルさんが片足になった俺の左足を軽く蹴った。

 俺はバランスを崩して地面に横から倒れ込む。

 セリアならここで追撃するように倒れた俺に木刀を振ってくるが。

 イゴルさんは待っていた。


「続けるぞ」

「はい!」


 それだけ言うと俺もすぐに立ち上がって再び構える。

 しばらく打ち合いが続くが、やはり子供をあしらうように簡単に捌かれる。

 でも、セリアとの稽古より楽しく感じた。

 思いっきり木刀を振れるからだ。

 一本取れるとは、はなから思ってないので覚えた型を試すように木刀を振った。


 瞬間、俺の背中から風が吹いた。

 なぜか横から一閃した、薙ぎ払うような剣速が速くなった。


 ガンッと音と共に、もちろん簡単に受け止められる。

 分かっていた、この後俺の腕が蹴り上げられ木刀が宙に舞うだろう。


 そう思ったのだが、イゴルさんは動かなかった。

 俺の木刀を受けたまま動かない。

 俺は何故だろうと視線を上げると、イゴルさんは少し驚いた顔をしていた。


 その様子に俺は打ち合っていた木刀を離し、一歩下がった。

 あごに手をやり考え込むイゴルさんに声を掛ける。


「あの、どうしました?」


 俺の言葉が聞こえていないように、イゴルさんは小さく呟いていた。


「やっぱり間違いないな……剣術とも相性良いし、うん」


 小さい声で何を言っているか分からないが。

 イゴルさんはたまに一人で勝手に考え込んでぼそぼそ呟く時がある。

 また始まったと思って俺は大人しく待つことにする。

 しばらくすると、やっとイゴルさんは俺の顔を見た。

 そして剣術の稽古中とは違う、普段のイゴルさんの陽気な感じで聞いてきた。


「なぁアル、精霊とか見えてる?」


 その言葉は俺にはあまり理解できなかった。

 何を思って言ったのかは分からないが、精霊なんて見えていない。

 もちろん声も聞こえない。

 精霊と契約すると魔術が使えたりするとはエリシアから聞いたが。

 精霊使いではない俺には関係ない話だ。

 俺は当たり前のように言う。


「いえ、見えたことも声が聞こえたこともありませんよ」


 俺が言うと、イゴルさんは「何でだろうなぁ」と不思議そうに言っていた。

 その様子を不思議がってるのは俺のほうだ。

 また考え込んだイゴルさんに一応言う。


「お父さんは精霊使いだったってお母さんが言ってましたけど……」


 俺のその言葉に、すぐにイゴルさんは顔を上げた。

 そして何か納得していた。


「そうかそうか! いきなり中断して悪かったな! 続けようか」


 それだけ言うと急に切り替えて木刀を再び構えた。

 俺は勝手に納得したイゴルさんを不思議がる間もなく、木刀を構えた。


 そして再び打ち合いが始まった。

 そのまま先程のことにはイゴルさんは何も追及しないまま、稽古が終わった。




 その日の晩。


 夕食が終わり、エルが俺の膝でうとうとしてる中。

 ルルが食器を片付け始めると、俺はエリシアに質問した。


「お母さん、精霊って見えてなくても力をくれるものなの?」

「え? うーん……」


 俺が聞くと、エリシアは可愛い仕草であごに手をやって考え込んだ。

 そんなに真剣に考えてくれなくてもいいのだが。

 そしてエリシアが考え終わったようで、口を開いた。


「精霊使い以外が精霊の加護をもらうのは聞いたことないわねー。

 でもー、体質とかあるのかしらー?」


 体質って、そんな適当なものなのか。

 そもそも精霊使いが精霊と交流できる体質なのだから違うのでは。


「体質で見えなくても勝手に精霊が集まってくるの?」


「そういうのもあるかもしれないわねぇ。霊人の人とか色んな人がいるしー。

 でも精霊が集まる霊人なんてすぐに気付かれて騒ぎになるかしら?」


 そう言ってまた考えるエリシア。

 そしてこの世界に来てからまだ聞いたことがない単語が出てきた。

 霊人ってなんだ?


 「霊人って何なの?」


 俺が聞くと、エリシアは「そうなの?」と少し驚いた表情を見せた後、困ったような顔に変わった。

 そのままエリシアはルルに視線を向ける。

 ルルは視線に気付いたようで、こちらに寄ってきた。


「どうしましたか?」

「アルが霊人のこと知らないって言うから。

 もしかしてルルが教えたくなくて教えてなかったのかなってー」


 そんなやり取りに、俺はついていけてなかった。

 聞いたらまずいものだったのか?

 何故ルルに確認する必要があるのだろうか。

 エリシアは自然に霊人と口に出していたと思うが。

 そんな俺の考えを他所に、ルルは気にした様子もなく言った。


「そんなことありませんよ。

 最近は一緒に勉強する時間も減りましたから」


 それは俺が剣術を始めてセリアと遊ぶようになったからだろう。

 いまだに俺が混乱していると、それを気にしないようにルルが説明を始めた。


「霊人とは、生まれながら特別な力を持っている人のことです。

 精霊の子と呼ばれたりもします。」


「なんか凄そうだね……」


「魔術では再現できない力を持っている人が霊人と呼ばれます。

 そうですね、今有名なのは一人しかいませんが――」

 

 ルルは少し考える仕草を見せながら分かりやすく説明してくれる。

 

 霊人の数は本当に少ないらしい。

 その時代に一人か二人いればいいぐらいらしい。

 しかし、能力を隠して生活している者もいればもう少しいるだろうとのことだ。

 霊人の呼び名は人よりも精霊に近いといわれているところから来ているみたいだ。

 そして、今有名な霊人の説明をルルが始めた。

 

「今世界で有名な霊人はコンラット大陸の予見の霊人でしょうか。

 予見の霊人はその人の様々な道筋を見ることができるそうで、

 その人にとって一番良い道に導けると聞きました」


 それはすごいな。

 それが本当なら何が起きても無敵だ。

 そもそも問題が起こりそうもない。

 俺がすげーと感心していると、ルルが「しかしですね」といいながら言った。


「予見の霊人の力は強大で、例え王族の方でも導きを頂けることはありません。

 霊人自ら、その力を授かりにきた者を見て、導きを与えるか決めるようです。

 霊人の護衛は厳重で、小国が攻めてきても問題ないと言われてる程です」


 まぁ、さすがに取り合いになるだろうからな。

 俺には分からない事情が色々あるんだろう。

 予見の霊人の説明がほとんどだったが、俺が気になっているのはそこではない。


「もしかして、ルルも?」


 エリシアがわざわざ確認するぐらいだから、そうなんじだろうと思ってしまう。

 誰かに知られたら問題な能力なのだろうか。

 

「はい、私も小人族の村で霊人と呼ばれていました」

「どんな力なの?」


 聞いてよかったんだろうかと思ったが気になるものは仕方ない。

 しかし、ルルの表情はあまり優れなかった。

 俺に教えたくないというより、聞かせていいのか悩んでるように見える。

 ルルがエリシアに視線を移すと、エリシアは微笑みながら言った。


「別に大丈夫だと思うわよー。多分アルにはまだ分からないからー」


 そう言って安心しているエリシア。

 一体何なんだろうか。

 ルルが少し言いにくそうに口を小さく開いた。


「そのですね、私は男性と結ばれた時に、子供じゃなくて魔石を生むのです」

「魔石って何?」


「一部の魔物から取れる石ですね。

 赤ん坊サイズの魔石は大型の竜から稀に取れるくらいです。

 その魔石は高額で取引されまして、

 その多くは杖の材料になりますが、他にも用途は様々です」


 なるほど。

 大体事情が分かった。

 子供が生まれると思ったら高価な魔石が出てきた。

 これはルルに一生魔石を生ませよう! と村で騒ぎにでもなったのだろうか。

 取り合いの末にルルは皆の物にしようみたいな話になったんだろうか。

 それが嫌で村を飛び出してエリシアに拾われてみたいな感じか?

 少し、謎が解けた気がするぞ。

 というか、ルルって本当に何歳だ……。

 見た目は小学生か、よくて中学生くらいだぞ。


 そして俺が理解できないと言っていたのは性交渉のことか。

 確かに今の俺の歳じゃ理解できる子もなかなかいないだろうな。

 俺はルルを労うように言った。


「それは村から出ちゃうのも仕方ないね」

 

 何気なく言ったその言葉に、二人は少し驚いていた。

 エリシアが作ったように微笑むと先に言った。


「アル……今の話分かったのー?」

「え? 色んな人とそういう事したくなくて村を出たのかなって……」

「そういうことってー?」


 何故かエリシアが追求してくる。

 いや、母親の前でこんな話したくないんだけど……。

 しかし、詰め寄るエリシアから開放されそうにもなかった。


「えっと……子供を作る行為……かな?」


 戸惑いながら精一杯の言葉を返す。

 もう許して欲しい。

 

「なんでアルがそんなこと知ってるのー? 誰かから教えてもらったのー?」


 何故だろう、少しエリシアが怒っている気がするぞ。

 そして俺は今になって自分の発言の愚かさに気付いた。

 何で知ってるのか理由を説明できない。

 もちろん、前世の知識で知ってるなんて言えるわけがない。

 俺は覚悟を決めて、すぐに忘れてくれそうで本当に言いそうな人を生贄に捧げた。


「えっと……イゴルさんから……」


 心の中で土下座する。

 きっとイゴルさんなら深く追求することもなく許してくれるだろう。


「そうなのぉー、イゴルさんには少し言っておくわねー」


 そう言って微笑みの底で怒りを燃やしながらエリシアは完璧な笑顔を作った。

 俺はそんなエリシアから目を逸らし、逃げるようにルルを見た。

 すると、ルルは少しだけ微笑んで言った。


「アルベル様は本当に賢いですね」


 それだけ言うと、家事に戻っていった。

 ルルは怒るどころか俺を褒めるようだった。

 その言葉に少し安心して、エリシアから逃げるように俺の膝で眠ってしまっているエルを連れて寝室へ向かった。


 


 後日。


 俺を迎えにきたイゴルさんが説教されている光景があった。

 エリシアが怒りながら微笑み、淡々と注意していた。

 イゴルさんは「何のことか分からないぞ!」と終始混乱していた。


 本当に、ごめんなさい。



 そのエリシアの説教から。

 エリシアとイゴルさんの関係は友達のような砕けた関係になり始めた。


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