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世界はかわいていた

作者: 月白 深夜

世界は乾いていた


空気は熱くも冷たくもない

ただ舌に貼り付く乾き

息をするたびに消えていく水分

閉じた唇がかさりと音を立てる


弾力のない薄い壁を叩くような

どこにも繋がらない扉のノブを掴むような


透明なコップに一杯水を汲んだ

傾けた瞬間に蒸発している

溢したくないのに溢れていく

大きく開けた口の中に落ちる一粒

水滴は舌に届く前に消え


白一色だった

何もなかった

光のない空よりも乾いていた


追いかけて

手を伸ばして

捕まえて

掴んで

崩れて

溢れて

溶けて


満たされない


世界は渇いていた

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― 新着の感想 ―
[一言] 良いメロディーですね 伴奏付けたい……無理だけど
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