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新生活保護

作者: nob

nobは、K県F市の生活保護担当の職員である。

nobは悩んでいた。

なぜなら、生活保護受給の申請がここのところ、うなぎのぼりに増えており、上司からはできる限り増やさないようにときつく言われていたからだ。


今日も受給申請者が何人もやって来た。

受給要件に満たさない者に対しては、それを告げて帰ってもらうようにしているが、殆どのものは受給要件を満たしており、断るわけにもいかなかった。

nobは焦った。

このままでは、どんどん受給者が増えてしまう・・・

そうだ!。いい方法を思いついた。


nobは、受給申請者の対応をしていた。

申請に来た男は40代後半くらいであろうか。だいぶ疲れている様子で、会社をリストラされたような感じに思えた。男は言う


「もうこのままでは暮らしていけないんです。なんとか生活保護をお願いします。」


nobは、笑顔で言う


「はい、分かりました。受給できますよ。」

「えっ!?、本当ですか?。ありがとうございます。」

「本当ですよ」

「それと、できればなんですが・・・」

「なんでしょう?」

「今日から受けるというわけには、いかないでしょうか?」

「はい、大丈夫です。これから、方法を説明しますから、よく聞いてください。」

「ほんとですか!、ありがとうございます。で、方法とは?」

「この建物を出て右のほうに行くとスーパーがあります」

「はい」

「そこで、お好きなものをカゴに入れて、そのまま店を出てください」

「そんなことしたら、万引きではないですか?」

「提携しているスーパーですので、大丈夫です」

「ああ、そうなんですか」

「そのあと、スーパーの店長と面談がありますので、何か言われたら『私がやりました』と答えてください」

「はい」

「少しすると、生活保護担当の制服を着た係員が伺います。あとは、その係員の指示にしたがってください」

「分かりました。早速行ってきます!」

「お気をつけて。では、次の方どうぞ」


最近、K県F市では、同じスーパーでの万引きが多発しており、犯人が素直に罪を認めるという事件が急増し、警察はこの不思議な事態に頭を悩ませていた。


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