表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の秘密研究所を壊滅させたら、実験体の少女に懐かれたんだが……。若き凄腕エージェント・ムラサメはある日突然、1児の父となる。  作者: マナシロカナタ(かなたん)★ネコタマ★3巻発売決定!☆GCN文庫
オペレーション『Water Side Angel』(水辺の天使作戦)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/67

第53話 邂逅、エンドレス・ウォーカー

 エンドレス・ウォーカー。


 直接会ったことはなかったが、資料などでさんざん見覚えのある顔と名前だった。

 それもそのはず。


 この男こそが、サファイアをはじめとする小さな子供たちに、非道な人体実験を行っていた悪の科学者なのだから。


「俺たちイージスがずっと追っていた張本人が、わざわざ会いに来ただと? 自首扱いにでもして欲しいのか? 残念ながらそれは無理な相談だな」


「ははは、自首だって? まさかまさか。そんなことをする理由は、私にはこれっぽっちもありはしないよ」


「じゃあなんだ? 見たところ一人のようだが、まさか俺とサシでやり合おうってのか? 俺も舐められたもんだな。お前の手下どもがどうなったか、知らないわけじゃないだろう?」


 彼らは今頃イージスの収容施設に連れていかれ、厳しい尋問を受けていることだろう。


「手下? はて……なんのことだろうか?」


 しかしエンドレス・ウォーカーはなぜかそこで、不思議そうな顔で小首をかしげた。


「とぼけるな。海で襲ってきた3人組のことに決まってるだろ」

「ああ、彼らのことを言っていたのか」


「まるで他人事みたいに言うもんだな」


 俺は呆れたような言ったのだが、返ってきたのは思いもよらない言葉だった。


「実際、彼らは他人だからね」

「なんだと……?」


「彼らは金で雇っただけの有象無象さ。襲撃を撃退したと君たちに思わせ、油断をさせるためだけの、いわば捨て駒だ」


「な……っ」


「失敗した時点で私の目的は達せられた。その後に彼らがどうなろうと、私には何の興味もない。それ以前に、私は彼らの名前も素性も知らないしね」


「どうしようもないほどに、クズの極みだな、お前は」


「おやおや、君は道端の石ころを踏んだ時に、名前を呼びながら可哀想だと泣いてあげるのかい?」


「お前にとって、あいつらは道端の石ころってか」

「ああ、そうだが?」


「OK。お前がどういう人間なのかは、改めて理解した。一切の手加減はしない。2度と舐めたことが言えないように、きっちりお灸をすえてやるから覚悟しておけ」


 俺は殺意にも近い敵意を込めて、エンドレス・ウォーカーを睨みつけた。


 しかしエンドレス・ウォーカーは、飄々(ひょうひょう)とした態度のまま言葉を続けていく。


「少し話が逸れてしまったね。つまりだ。私は私の可愛いあの子を、君たちから返してもらいに来たのさ。実験体334号を今日まで保護してくれて、どうもありがとう」


 笑みを深めながら舐めたことを言い放ち続けるエンドレス・ウォーカーに、俺はついに怒りを爆発させた。


「なにが実験体だ! サファイアを! 何の罪もない子供を何十人も犠牲にして、よくそんなことが言えたな! お前には人の心ってもんがないのかよ!」


 だがそれでも。


「私の世界の真理を探究している。その前では、人の心なぞ大した価値はないよ」


 エンドレス・ウォーカーはまるで子供に諭すように、自分の理想を俺に語り聞かせてくる。


「世界の真理だって? サファイアの持つ天使炉のことか?」


「なるほど、その反応を見る限り、君たちはどうやら天使炉──エンジェル・リアクターの価値を何もわかっていないようだ。あれは世界のあり方すら変える存在だというのに」


「世界の在り方を変える?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ