嫌うこと 憎むこと
みんなのことを全員
好きで生きていけるわけじゃないし
憎みさえしなければ 嫌いだってかまわないはずだ
嫌うこと 憎むことのちがいを
わかりやすく例えるなら
敵として出逢って 討ち負かしたあと
とどめをさしそこねて 逃がしてしまうとき
じぶんの目の届かない場所でなら
静かで 平穏かつ ささやかな幸せと暮らしを
どうぞ勝手しやがれと
見送ってやるのが嫌うことで
じぶんの目の届かない場所でさえ おまえには
静かで 平穏かつ ささやかな幸せと暮らしなど
とうてい ふさわしくない
苦しみと 悔恨と 怨念の海に沈むがいいと
呪ってやるのが憎むことさ
嫌うことはけっして昏い感情でもなく
相容れない存在の棲みわけをうながすもの
憎むことのように 排斥を目的としたものでもない
おれだって だれかやきみから嫌われることも
そりゃああるだろうけど
憎まれまではしたくないもんだよな