魔法学校奪還戦④
「これは……」
「そっくりなのです」
魔法学校へやってきていた三島幽依、小石明里は戸惑っていた。
それは、敵があまりにも自分たちに似ていたから。
「多い……」
私、星月夜翡翠はひたすら魔法を打つ。
死神の四天王とかだけしか来ていないって勝手に思い込んでいたけど、楽観的だったようだ。普通の死神もたくさん来ていた。多分炒菜椿の人形も混ざってるし。
呪莉さんが笛で死神を弱体化させてくれているのですぐに倒せるが、多いとやはり辛い。
「向こうに四天王がいるわね」
望初さんがそう言って指さす。うーん、全く分からないけど……望初さんがそう言うならいるのかも。
「幽依と明里か?加勢するぞ」
炎帝さんがそっちの方向へ駆け出していく。
幽依先輩と明里先輩も来ていたんだね。
「固有魔法、雷属性、巫女舞雷鳥」
「固有魔法、無属性、超治療薬砲」
飛んでいたのは、幽依先輩の魔法でも、明里先輩の魔法でもなかった。
だけど、2人の魔法にすごくよく似ていた。
「固有魔法、雷属性、巫女舞雷竜なのです!」
幽依先輩が負けじと魔法を打つ。
閃光が炸裂し、雷同士がぶつかり合うが、幽依先輩が劣勢だ。
「死神四天王の三島玉依に小石明音。いつか戦うことになると思っていたが、まさかこの二人となんてねぇ」
呪莉さんが軽く話しながらも、笛を握る手を少しも緩めない。幽依先輩、明里先輩と苗字が一緒だ。これが人間界では兄弟だったけど霊界では記憶がないから他人、って感じの死に別れ?
「超級魔法、火属性、灼熱絶火」
炎帝さんは周りにいる死神を迎撃する。
その間にも呪莉さんは四天王の一人との距離を一気に詰める。
「連携とは珍しい」
呪莉さんの言う通り、お互いの鎌でお互いをかばいあうため、攻撃が当たらないようだ。
「あの子の魔法、私と似ている。多分、髪の一本、血の一滴でも残ってれば復活してくる」
明里先輩が苦々しげな声で呟く。
「一気に倒さなきゃってことね」
望初さんが構える。
魔法屋店主ではなさそうだから、攻撃は当たらないと思いたい。突っ込むか。
私は距離を詰めて、結界奥義をぶつける。
二人とも両断できた……けど。
「……固有魔法、無属性、超治療薬砲」
明里先輩の言う通り、一瞬で復活してきた。
でも、鎌は私に当たらなかった。攻撃が当たらないことが分かっただけでも大きな収穫。
「あの魔法が回復なら、あえて当たりに行って遮るのもありなのです」
幽依先輩はそう言って距離を詰めていく。
だけど鎌を回避するのが大変そうだ。一筋縄じゃ行かないな。
「全部燃やせばいいんだろ!劫火牢!劫火牢!」
炎帝さんが魔法を撃ちまくってるけど、いつか幽依先輩に当たりそう。
「熱いのです!?」
やっぱり……
「固有魔法、無属性、超治癒回復」
明里先輩がいるから大丈夫なのか?
そう思った矢先。
死神が幽依先輩と明里先輩の間に入り込み、回復を横取りした。
……考えることは同じか。
「仲間同士で固まって火力の大きな攻撃で一気に畳み掛ける」
明里先輩がそう言ったので、私たちは一旦敵から距離を取る。
敵の顔、あんまり見てなかったけど、見れば見るほど幽依先輩と明里先輩だ。
だけど、確かに死神だ。
倒さないと……




