魔法学校奪還戦①
私、星月夜翡翠は魔法学校へ来ていた。
「助かりすぎるわぁ。でも、そのセリフ関係なく戦わざるをえなそうだけどねぇ」
帆傘さんの視線の先を辿ると、死神がいた。
あれは確か、ミレイユ。
四天王だけじゃなくてサソリもいて大変だと思っていたけど、さらに三傑のミレイユまでいるのか。
「あら、久しぶり」
ミレイユがのんきな口調で話しながら、容赦なく丸めた鎌を投げつけてくる。
何が厄介なのか?干渉制御じゃ避けられないところ!
「もちろん私も戦うからぁ。それっ!」
帆傘さんが傘を開くと、雨が降ってきた。ミレイユの上だけ。
その雨がミレイユが投げる鎌を叩き落としつつ、ミレイユにもダメージを与えている。
帆傘さん超強くないか?
魔法学校より希望学校の方がレベルが高いって聞いてたけど、そんなことはないような気がしてきた。だって、前に会ったエリカさんとか強護さんとかも強かったもん。
「固有魔法、風属性、俊足」
珠夜さんが確実に距離を詰めていく。この距離なら魔法を当てられそう。
「超級魔法、属性混合、しゃ……」
しかし、珠夜さんの詠唱は途中で遮られた。
「えっ!?」
私は目を疑わざるを得なかった。
だって、珠夜さんの詠唱を止めたのは、ワイヤーだった。
ワイヤーで思いつく死神など一人しかいない。虹蝶九十九は倒したはずなのに。
「隙ありね」
ミレイユが鎌を一段と強く投げてきた。
「隙なしですぅ」
だけど、帆傘さんは動揺することなく雨で鎌を打ち落としている。
「虹蝶九十九がいるわけないわ。見て、あれは……」
望初さんが見ていた先には死神がいた。ワイヤーを使っていたけれど、虹蝶九十九じゃない。
「任せてください」
私はその死神に重力をかける。あっさりと潰れた。ワイヤーの武器を模倣しただけで強い死神ってわけじゃなかったんだね。
「それっ」
ミレイユは数を投げる作戦に切り替えてきたようだ。鎌の数が倍増してる。
「うぅ……」
帆傘さんでも打ち落としきれず、いくつかこっちへ飛んでくるが、結界奥義でなんとかなった。というか、明らかに今の鎌たちは望初さんを狙ってたな。前回戦った時、望初さんがミレイユの攻撃をしっかりと回避していたから、警戒されているのだろう。
「さて、どう戦いましょうか」
望初さんがミレイユを見つめる。
おそらく、同じ手は通じない。だから……
「!?……固有魔法、魔法屋店主、強制送還」
だけど、突然ミレイユが撤退していった。
ミレイユが消えた直後、ものすごくたくさんの鋭い氷が猛スピードでミレイユがいた場所を通り過ぎていった。
「大丈夫ですか?」
そう言いながら駆け寄ってくる人はユェンユェン?ん、なんか違う、じゃあツェンツェン?でもチャイナドレスじゃないし……
「レンレン、もっと早く助けてよぉ」
帆傘さんが傘を閉じ、その人のもとへ歩いていく。
レンレン、ってことは魔法学校の生徒会にいるユェンユェンの妹か。
「ごめんなさい、即死攻撃への対応を優先していたので」
レンレンさんが頭を下げる。
やっぱりサソリ、いるんだ……
「そちらのお三方もご協力感謝します」
今度は感謝されてしまった。
「いえ、それより何ら起きているのでしょう?」
望初さんがレンレンさんに尋ねる。
確かに、死神が希望学校に攻め込む道を確保するために魔法学校に攻め込んでいるってところまでは分かったけど、なんで希望学校が狙われているのかとか全く分かってないな。
「お話します、こちらへ」
レンレンさんに案内されたのは、無事だった建物。辺りの建物は壊れているのに、この建物だけ無事なのは作りが頑丈だからなのだろうか。
なお、「私は行かないよぉ」って言って帆傘さんはどこかへ行ってしまった。
「ここが生徒会室です」
なるほど、確かに頑丈そうだ。




