魔法学校
「ムカつくんだゾ☆」
静まり返った死神山。そこで炒菜椿は喚いていた。
「サソリ、希望学校ごと滅ぼして来てほしいネ☆」
炒菜椿が隣に佇む人形、サソリに向かって声をかける。
サソリは返事をしない。
「……はぁぁ〜。待って、その子は魔法学校へ派遣して」
しかし、炒菜椿の命令は妨げられた。
死神二冠の1人名前狩りの藤原玲菜によって。
「どうしてか教えてくれるかナ☆」
炒菜椿の赤く光る目が真っ直ぐに藤原玲菜を見つめる。
「どうだっていいだろう、はぁぁ〜」
藤原玲菜はため息を吐きながら立ち去ろうとする。
「サソリ」
炒菜椿は隣にいたサソリに命じて藤原玲菜の腕を掴ませた。
「はぁぁ〜、面倒な……今四天王が魔法学校を攻撃してて、もう少しで引きずり出せそうだから……はぁぁ〜」
何を引きずり出せそうなのか。それは言われずとも分かった。
「虹蝶みゆ、なかなか面白そうなんだゾ☆」
炒菜椿がにっこりと笑った。
「サソリ、よろしくだネ☆」
そうしてサソリを魔法学校は向かわせた。
「うん、なるほど」
しばらく寝たあと、私、星月夜翡翠は再び遡楽さんと話していた。
「はい、結局何も収穫はなくて……」
るるがお兄さんを探していることを相談して見たのだ。
「私、うっかり、るるの兄を殺したか、を聞いちゃったんです。まだ生きているかもしれないのに」
そう、これが失敗だった。でも炒菜椿はるるの兄自体知らなそうだったから、無関係ではあると思うけど。
『るる?兄?……人間界の子カナ?椿様は人間界では誰も殺してないんだゾ☆』
炒菜椿のセリフを思い出す。そう言うなら誰も殺してはいないんだろうけど、不穏だな。
「調査は八方塞がりってところだね、確かにそれは悩ましい」
遡楽さんは一生懸命に考えてくれているのが見て取れる。
私も考えよう。
人間界に干渉できる人で怪しい人。
いや、なかなか難しいな。
「……魔法学校行ってみたら」
いつのまにか真後ろにユェンユェンが立っていた。かなりびっくり。
「魔法学校?」
どう言う意味なのか分からず、私はユェンユェンに尋ねる。
「……うん、レンレンが相当力使ってる……何かが起きているのは間違いない」
なるほど、手がかりがないから今起きている事件にとりあえず突っ込もうってことか。
「なかなかいい案であるとは思うけど、安全は保証されないね」
遡楽さんがサラッと恐ろしいことを言ってる、けど……
「行ってみます」
できることはやりたいから。
「僕も……」
ツェンツェンが手を挙げようとしてユェンユェンに止められた。
「……今はレンレンに使わせてあげて」
ツェンツェンが思いっきり悲しそうな顔をする。
「……次姉のためなら」
それでもおとなしく引き下がった。
「今は魔法学校との連絡手段はない、本当に気をつけて」
さて、寝て回復したし、行くか。
私は遡楽さんの言葉を背に店主の間を出た。




