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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
結界奥義
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九十九戦

私、星月夜翡翠(ほしづくよひすい)たちは死神三傑である虹蝶九十九(にちょうつくも)と向き合っていた。

「固有魔法、雷属性、巫女舞雷竜」

 幽依(ゆい)先輩の魔法が容赦なく三傑さんを襲う。

「固有魔法、無属性、『きらきらぼし』」

 メロディー先輩も魔法の準備に入る。

「あ、見たことあるね~。虹蝶栄華(にちょうえいが)の足手まといで~すぅ!」

 幽依先輩が三傑さんと戦ったことがあるということは、三傑さんも幽依先輩の魔法を知っているということ。

「確かに栄華さんと比べれば、足手まといだったのです。でも、すごく弱いというわけではないのです」

 幽依先輩が力を籠めると、雷の龍が一体から三体に増えた。三方向から一斉に襲い掛かってくる。

 重力制御。

 三傑さんのワイヤーを全部地面に落とす。

「ちょっ……」

 三傑さんが言葉を放つ間も与えず、雷の竜が直撃する。

「リズミック・ジムナスティックス」

 メロディー先輩のきらきらぼしも完成し、三傑さんに降り注ぐ。

「痛い痛い痛いィ!!」

 三傑さんが悲痛な声で叫ぶ。効いてる。

 そっか、重力制御でワイヤー無効化出来たのか。

 でも、そんなに甘くなかった。

「とりゃぁ!」

 三傑さんが地面に向かって棒を振る。ワイヤーが勢いよく地面にたたきつけられる。

 すると、地面が崩れ、三傑さんは下へ落ちて行ってしまった。重力制御を逆に利用された……

「追いかけるのです。最下層まで」

 幽依先輩がためらいなくできた穴に飛び込んでいく。雷の竜を従えて。

「はい!」

 私もそれに続く。最下層みたいなものがあるのかどうか知らないけど、ここで逃がすのはもったいないと思ったから。

「アカリン、行ける?」

 メロディー先輩が明里先輩を気遣う。

「問題ないわ、ユイッチもいるんだから」

 そうして2人も飛び込んだ。

 三傑さんが棒を振り回すが、ワイヤーは重力制御に敵わないようで、壁には引っかかった小型の鎌と、切れたワイヤーだけが残っている。一応、その辺に捕まろうと努力をしていることだけが伝わってくる。

「くっ!」

 三傑さんが止まった。着地したようだ。さらに下へ行こうと、武器を直接地面にたたきつけているが、地面は壊れない。ここは最下層なのだろうか?

「行くのです!」

 幽依先輩がそんな三傑さんに向かって、雷の竜を落とす。それはまるで本物の稲妻のように速く、鋭い。

 私は自分にも重力制御をかけて、落下速度を速くする。

 幽依先輩の魔法への干渉は外して、思いっきり三傑さんに向かって落ちる。

「痛いっ!」

 私の渾身のドロップキック。そしてその直後に雷の竜が三傑さんにぶつかる。

「なんなにょぉ」

 すでに呂律が回っていない三傑さん。きっと、勝てる。

 でも、本当に強い敵だから、絶対油断しないようにしないと。

「がっ!」

 そんな三傑さんが突然倒れた。

「……消えろ」

 その三傑さんの後ろにはユェンユェン。三傑さんの体が消えていく。

「……今までどこにいたのですか?」

 たしかに、そう言えばユェンユェンが付いてきてくれたことを今の今まで忘れていた。それくらいにユェンユェンの気配がなかった。

「……翡翠?覚えて...…強い死神は、魔法だけじゃ倒せない」

 知らなかった。でも、じゃあユェンユェンはどうやって?

「どうやって倒したの?」

 そう思ったのは私だけでなく、明里先輩がユェンユェンに尋ねていた。

「......死神?のこと......はよく知ってるから」

 ユェンユェンが答えをぼかす。

「とにかく、勝ててよかったのです。だれも欠けることなく」

 幽依先輩はそんなユェンユェンの答えを深追いしなかった。さりげなく話題を逸らしていく。

「そうですね」

 そっか、敵、倒せたんだ。

「みんな~お、め、で、と!」

 メロディー先輩が拍手をする。私たちはそれにつられて自然と拍手をしていた。


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