戦闘訓練
私、星月夜翡翠はその後部屋に戻って寝た。
そして目が覚めた。
さて、始めようか。死神三傑とか、世界への反逆者とか、敵が多すぎるんだよね。
「繭羽先生、こんにちは」
向かったのは教室という名のグラウンド。敵にいきなり突っ込んでも、勝てないから、修行しないと。
「話は聞いているの~。結界奥義、便利そう~」
なんだ、どう話そうかいろいろ考えていたけど、それなら話は早い。
「強くなりたいんです、よろしくお願いします」
深く、頭を下げる。
「そう言うと思ってたの~。だから、今日はいっぱい人を連れてきたのよ~」
全部お見通しじゃん。
「なんで天花様がこんなところに」
不満げな天花様の声がした。どこにいるのかと思えば、空を飛んでいた。具体的には、足元に氷を出して、空中で飛び跳ねていた。雪の妖精みたいで美しい。
「よろしくな」
そう言って、笑顔でガッツポーズをしてるのが炎帝さんだね。
「まだいるけど~、一旦私とこの二人の三人でいくの~。本気で行くから倒してね~」
はい!?
本気で行く!?
倒して!?
めちゃくちゃだ。
「天花様に付き合ってもらえることに感謝しなさいね。白魔結晶!」
どうしよう、魔法屋店主の攻撃だから、干渉制御じゃ避けられない。
「結界奥義!」
結界が天花様の魔法をはじきとばす。なるほど、こうやって使うのか。
「こっちも行くぜ、劫火牢!」
「繭糸万本だよ~」
炎帝さんの魔法でなんか、金属の棒みたいなのが灼熱を纏って飛んでくる。繭羽先生のは見たことあるけど、めっちゃ糸。なんか、三傑の虹蝶さんの攻撃と似てる魔法だな。
「重力制御!」
全方位に結界を張れば守れるけど、そうすると反撃に出れない。だから重力制御で魔法を地面に落とす。
効きが悪いな。私も干渉しないとダメなのかな?
干渉すれば攻撃が互いに効きやすくなる。今は干渉がはずれてるっぽいけど、どうするのが正解か?
干渉制御の強みは、制御できること。当たり前のこと言ってるけど。
だったら、自分が攻撃する時だけ干渉して、相手の攻撃からの干渉は外せばいい。
そのために必要なのは、高速での魔法の発動。
干渉制御。
三人に干渉する。
重力制御。
三人に強い重力をかける。
干渉制御。再び三人からの干渉を外す。
「なによこれ!」
天花様がふらついている。
「うわっ!?」
炎帝さんは驚いている。
「これはすごいの~」
繭羽先生はほめてくれている?
できた。
完全無詠唱発動。
「多分三人じゃ足りないね~」
繭羽先生がどこかへ合図を出す。
「灼熱絶火!」
「絶対零度!」
それに意識を向ける間もなく炎帝さんと天花様からの魔法が飛んでくる。
結界奥義で防いでおこうか。
「うちもいくで!」
今度は栄華さんが来るのかと思いきや……
「だめー!」
遡楽さんが栄華さんを止めていた。
そういえば、栄華さんってれみさんと戦った時にも参加してなかったよな。でも、店主の間にいたわけでもない。集団での戦いができなかったりするのだろうか?
「栄華さん……私は行くね。炎帝さん、合わせて!空間結合!」
結空さんが栄華さんを憐れんだ目で見ていた。そして、参戦してきた。
「劫火牢!」
結界を張れば何とか……っ!
その目論見は甘かった。なんか魔法がワープしてきた。
そっか、結空さんがいると、魔法発動から着弾まで、ほぼ時間がないんだ。
干渉を外していたから致命傷にはなっていないものの、だいぶ痛い。
どうしたらいいんだ、これは。今できる魔法を防ぐ方法は二つ。重力制御で落とすか結界奥義で守るか。干渉制御は魔法屋店主相手じゃいまいちだから……
そっか、結界を常に張って、重力場を展開すれば。
結界奥義、重力制御!
重力場を展開する。
「空間結合!」
「白魔結晶!」
結空さんの魔法を利用して、すごいスピードで魔法が到達する。でも、ちゃんと落ちた。結空さんの魔法っていっても、ゼロ距離で魔法が当たるんじゃなくて、すごい近くに来るだけだから、落とす余地はあるんだ。
成功!
でも、ゼロ距離で当てるとか、体内に魔法を送り込むとかもできそうだけど、なんでなんだろう。警戒はしておこう。
これなら攻撃もできる。
結界奥義!
向きを変えることで、相手を空間ごと切り裂ける。
「うちと同じことしとるやん、うちも戦っても問題な……」
「だから、だめー!」
栄華さんと遡楽さんが何かを言っていたが、あんまり聞こえなかった。
魔法屋店主はそんなに甘くない。結界奥義は回避されてしまう。
だったら一人ずつ確実に当てるしかない。
一番厄介な人から。やっぱり結空さんかな。魔法がワープしてくるの、精神的にも結構きついんだよね。
結空さんに重力制御。
「ひゃっ!?」
効いてるっぽい。
そこに結界奥義!
これなら当たるはずだ。
「栄華、いいよ」
遡楽さんが不穏なことを言っている。栄華さん参戦するの!?
「今更……まあええわ。いくで!次元斬!」
栄華さんが結空さんの前に立ち、魔法を打つ。
私の魔法と栄華さんの魔法が正面からぶつかり合う。
「なっ!?」
重力制御!
私はあわてて飛び上がった、高く高く。
栄華さんの魔法は私の魔法など容易く消し飛ばし、こっちへ迫ってきたのだ。
何とか避けれたけど、これまずい。せめて地面にもぐればよかった。
「空間結合!」
「劫火牢!」
「白魔結晶!」
重力制御で飛び上がっちゃったから、周りに張った重力場が解除されてる。解除しなきゃ飛べないしね。そこで、超近くに魔法が飛んで来たら?
私は墜落した。




