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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
重力制御
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三傑

 私は虹蝶九十九(にちょうつくも)。死神三傑の一人。

 あぁ神舐めてた。後ろから声がした。

「九十九〜アンなのにやられた!アハハ!」

 あれは秋月子栗鼠(あきづきこりす)。あれも三傑の一人。

「いいから助けて、子栗鼠、重力受けてないじゃん。抜ける方法があるんでしょぉ〜!」

 視線がうざいんだけど。

「まぁ助けてあげたいのは山々なんだけどね!無理!無理!」

 口調もやっぱうざい。

「なんでよぉ〜!」

 なんだこいつ。

「いくら私でもね!神には勝てないわー!」

 煽ってるの?

「じゃあぁ〜なんで子栗鼠はそうやって立っていられるのぉ〜!」

 むかつくよ。うざい。

「重力を受けるものが指定されている!九十九と九十九の武器全てが重力を受けるようになってる!私は認識されてなかったから指定されてない。それだけ!」

 なんか悔しいのはなんで?

「私は一生このままなのぉ〜!」

 もういいや。

「いや、神は逃亡したんだし!一定以上の距離が離れれば、解除されるよ!」

 子栗鼠がそういった少し後、重力が解除された。

 私は冷静になる。そして思う。


 怖かった。


 あの日、あの時、襲われたこと。

 『死』を明確に感じたこと。

 思い出す。ハッキリと。

 死神だから、悪くなくても、襲われる。

 襲われても仕方ない。

 分かっている。でも怖い。

 また、『死』を感じた。

「安心しきっているところかもしれませんが、失礼させてもらうのです」

 そんな中、現れた人物。名前は分からない、知る必要もないけど。

 刺客か。またか。

「秋月子栗鼠……なぜ動けるんや……?」

 あ、こっちはなんとなく見たことあるけど誰だっけ。ああ、虹蝶栄華(にちょうえいが)だ。

「あの間抜けな翠の神がご親切に封印を解いてくれたから」

 子栗鼠は平然と対応している。怖く、ないのかな?

 なんか勇気が湧いてきたかも。私だって戦える。

「2人まとめて切り刻んであげるので~すぅ」

 私は武器を振り回す。

「虹蝶栄華!今度はお前の番、串刺しにしてやる」

 子栗鼠が鎌を操る。地面から、壁から、天井から、無数の鎌が生えてくる。

「相変わらずせっかちやね、うちは今、戦えへんのに」

 栄華はただ攻撃を回避する。その表情には余裕がある。

「戦えないって!?どういうことなのですか?もう、固有魔法、雷属性、巫女舞雷竜!」

 もう一人の刺客は雷の竜を出してきた。ワイヤーぶつけてもなかなか壊れない、頑丈だな。本人を狙うか。

幽依(ゆい)や。二歩半右へ行ったら瞬き3回分待機して時計回りに一回転してから、しゃがんで左へ飛びなはれ」

 いや、栄華の指示で避けられる。どうしたら……

「どうした、虹蝶栄華?戦えないとは」

 子栗鼠は栄華しか見ていない。因縁があるから仕方ないのかもしれないけど、もう一人も強くはないけど弱くもないよ。

「ここで戦えば、幽依が多分最初に死ぬで、それは嫌なんや」

 栄華は淡々と答える。

「え~、じゃあなんでその子連れてきたのぉ?一人でくればぁ、よかったのにぃ」

 普通に疑問だ。栄華さんって確か強いんだったよね。

「それや!」

 栄華の目が輝く。もしかしてこいつ、阿呆?気づいてなかった系?

「ははっ……!」

 子栗鼠が笑っちゃってる。

結空(ゆあ)、悪いけど、幽依を頼むで」

 戦場から竜使いが消える。

「思いっきりいくで、次元斬!」

 次の瞬間、もう意識はなかった。




 あう……ここ、どこ?

 マヨタンは、どうなったの?

「起きてよ!」

 翡翠(ひすい)ちゃんは?

「ねえ、起きろって!」

 あれは、なんだったの?

「聞いてんのか、おい!」

 ん、さっきから声をかけられている?

 目を開けてみる。

 あれ、マヨタン、生きてたんだ?

「何なんだよ、お前!」

 目の前に人がいた。長い青い髪を頭の両側でお団子にしている。淡い黄色の目が力強くマヨタンを睨んでいる。ちょっと怖い人。服は、チャイナドレスってやつなのか?初めて見たよ、こんな服。

「……こんにちは」

 萎縮しながらも挨拶を返したマヨタン、偉いぞ。

「よう、僕はツェンツェン。よろしくな!」

 ツェンツェン、初めて聞く名前。

「マヨタンは、舞羽珠夜(まいはねたまよ)。よろしく」

 名乗っていいのか謎だけど。敵か味方か分からないし。まあ、いっか。

「僕はここから脱出する。舞羽珠夜、君は?」

 そういえば、ここ、どこ?マヨタンは気が付いたら死神にやられちゃった感じだから、多分死神山とかだと思うけど。

「マヨタン的にも希望学校へは戻りたい」

 マヨタンはツェンツェンに向けて手を伸ばした。

 ツェンツェンはその手を握り返してくれた。

「利害の一致だな」

 そう言うツェンツェンはあくどい笑みを浮かべていた。だからマヨタンも、悪戯っぽく笑ってやった。

「互いの能力を確認しよう、僕は完全無詠唱で固有魔法を使う!」

 え、完全無詠唱って魔法屋店主でもできる人が一人しかいない超高度技術……

「まあ、僕の固有魔法、特定の金属を操るだけだからね!」

 ……それ、どうなんだ?

「僕の靴がその金属でできている。だから、僕は、その魔法を使いながら近接戦をしてる!」

 え、ちょっと意味わからないかも。どういうことだろう。

「つまり、武闘家?」

 なんとなく聞いてみたら、思いっきり頷かれた。初めて見るな。霊界での戦いはやっぱり魔法中心だから。

「マヨタンは固有魔法で素早く移動できる。火と風は超級魔法まで使えるよ」

 マヨタンもざっくり自分の戦い方を説明する。

「なるほどな!」

 さて、確認は済んだかな?

「超級魔法、火属性、灼熱絶火!」

 ここは閉じた空間。だったら壁を破壊するまで!

 火が、衝撃が、壁を襲う。

 壁には穴が開いていた。

「すご……」

 マヨタンがその穴から脱出しようとしたところ、ツェンツェンがなぜか放心状態だった。

「おーい!」

 目の前でぴょんぴょん飛び跳ねて、何とかツェンツェンを正気に戻した。

「すまない、いくぞ!」

 そうしてマヨタンたちの脱出への挑戦が始まった。


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