表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
重力制御
34/177

情報共有

 泥人形が襲い掛かってくる。

「重力制御!重力制御!」

 私、星月夜翡翠(ほしづくよ ひすい)は片っ端からそれをつぶしていく。

 操乗(そうじょう)ちゃんがロボットで泥人形を踏みつぶしていく。

 意外とすぐに泥人形はいなくなった。

 一安心かな?

「いろいろ聞きたいことがありますの」

 一息ついたところで天宮(てんぐう)さんに話しかけられた。

「私も」

 るるにも声をかけられる。

 そうだよね、全部話さないと。もう、隠せないよ。

「分かった、話すよ」

 今度こそ思い切って霊界についてぶちまけてやろうと思ったところ……

「待ってくださいまし、呼びたい人がいますの」

 そう言った天宮さんがどこかに電話をかける。

夢叶(ゆめか)?……分かりましたわ。話していただいて大丈夫でございます。電話越しで聞いてくれるそうですわ」

 うん、よく分からないけどまあいいや。とりあえず、魔法屋で読ませてもらった世界の前提条件みたいなやつを頭に思い浮かべる。大原則だったっけ?

「この世界には、霊界と人間界があるの。ここが人間界」

 こうやって、偉そうに語れるほど私も詳しくはないけれど、なんとか話すしかない。

「二つの世界……?」

 るるが不思議そうに首を傾げている。

「人間界で未練を持って死んだ少女が霊界に名前と魂だけを持って行くんだって。天花様、霊界で会ったよ」

 記憶が朧げ、あってるかな?

「伝説のアイドルじゃん、うらやましいんだぜ」

 いつのまにかロボットから出てきた操乗ちゃんが反応する。

「霊界では魔法があるんだよ」

 あれ、言ってて疑問に思ったけど私ってなんだ。まあ、後で考えよう。

「互いの世界に干渉はできないんだけど、できる人もいる」

 まあ、雑な説明だけどこんな感じかな?

「翡翠ちゃん、もしかして別の世界に行ってたの?」

 るるが鋭い。その通りだ。

「ここは人間界なんだけど、私は霊界に行ってたよ」

 霊界に行くまでずっと人間界にいたはずなのに、今人間界にいるはずなのに、なぜか人間界が遠い場所のように感じる。

「「……大体分かった」」

 二重の声がした。天宮さんの受話器からと、本人の口から。向こうから人が歩いてくる。るると同じ制服を着た人だ。濃い緑の長い髪をおろしている。青い目はうっすらと開いている。

「夢叶!」

 天宮さんがその人に駆け寄っていく。

 天宮さんが電話をかけていた人ってことだよね。夢叶さん、かな。

「……ここには2つの世界があります」

 夢叶さんが本を開き、読む。

 どこに本を隠し持っていたんだろう。

「……一つはこの世界、生きる者が住む世界。人間界と呼ばれています。翡翠の神様が全ての生命のために創ったそうです」

 その本は子供向けの絵本のように見える。表紙だけ見た判断だけど。

「……もう一つ、世界があります。霊界と呼ばれています。この世界は、未練を持って死んでしまった少女の魂が集まる世界です。柘榴の神様が1人の友達のために創ったそうです」

 柘榴の神様……れみさん……

 望初さんと珠夜さんとれみさんだから大丈夫だとは思うけど、どうなったんだろう。みんな無事だといいな。

「……はるか昔、翡翠の神様と柘榴の神様は1人の友達と共に世界を創るために旅をしていました。その旅の末、翡翠の神様と柘榴の神様はそれぞれ世界を創ることができました」

 なんか深い意味のある詩みたいな感じなんだろうけど、全く分からないよ。意味。

「……しかし、その後翡翠の神様は人間界に、柘榴の神様は霊界に封印されてしまいました」

 封印……?

「……その封印の期間は100年。今は、封印が始まってから、100年とちょっと。つまり、封印はもう、解けているのです」

 不思議な話だった。

 でも、霊界と人間界があるっていうのは事実だよね。

「夢叶、頼みますの」

 天宮さんがその本を受け取る。すると夢叶さんが私の目の前に立った。

 うっすらと開いていた夢叶さんの目が見開かれた。

 なんかびっくりして、ドキッとしたよ……

「……もう一つの世界へ干渉できるのは翡翠の神と柘榴の神?」

 夢叶さんが私に質問してきた。

「はい。でも、霊界からは魔法屋店主の人たちも人間界に干渉できます」

 私はできるだけ丁寧に答える。できるだけ……

 だって、女神開かれた夢叶さんちょっと怖いんだもん。

「……あなたがさっき空気と話していたって光輝が言ってたのは、霊界の人物がそこにいたから?他のみんなは霊界のものなんて見えないけど、あなたにだけ見えていたから?」

 さっき……ああ、身体狩り(ボディーキラー)か。

「はい、死神と呼ばれる霊界の存在と話していました。霊界へはもう来るなと言われました」

 そういえば、容姿が目立つみたいなことも言われた気がするけど何だったんだろう。

「……つかれた、操乗?」

 夢叶さんの目がうっすら開いた状態に戻っていた。夢叶さんが操乗ちゃんに話しかける。

「やるんだぜ」

 操乗ちゃんがどこからか電極のようなものを取り出し、抵抗する間も与えないスピードで私の額にそれを貼る。

「っ……!?」

 何かが吸われて行くような感覚。

 一瞬、意識が飛んだ。

「何してるの!?」

 次の瞬間見えたのは、慌てた様子のるる。

 そして、頭を抱える夢叶さん。

「記憶の共有ですの。夢叶レベルの天才じゃないと脳が耐えられない荒業でございますわ」

 天宮さんが解説をしてくれる。なるほどそれはありがたい。私、うまく説明できないし。若干苦しそうな夢叶さんが心配だけど。

「……大丈夫、だいたい全部分かった」

 夢叶さんが天宮さんに自慢げに言い放つ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ