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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
干渉制御
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意味不明な座学

 私、星月夜翡翠(ほしづくよ ひすい)繭羽(まゆう)先生に引っ張られていった先はまたもや校庭のようなところだった。

「とりあえず〜君、翡翠の使っている魔法がみたいの〜」

 ヤバい、ヤバい、ヤバすぎ。

 私の魔法なんておかしいし見せられんしどうしようかな!?

「かんしょうせいぎょでしょ〜。生徒情報に登録してあるから〜隠す必要もないよ〜」

 あ、そこは安心だな。

 とりあえず縛ってるのを取ってくれって感じだが、このことを言う勇気はない。

 とりあえず、適当に何か探そう。

 繭羽先生とかは無理だから……地面とか空気もいやだし……何すればいいん??

「何をすればいいですか?干渉制御はおそらくですが霊界への干渉の度合いを制御している魔法なんです。その、やり方がいろいろあるというか……」

 繭羽先生は何か考え込んだような表情になった。

 そして、数秒後何かを呟いた。

「……翡翠神……伝説の……」

 翡翠神。謎に詠唱に入っている単語。

 固有魔法や干渉制御が入っているのはわかる。

 ただ、翡翠神ってなんだ?

 今まで考えてこなかった大きな大きな謎。

「あなたは、人間界の住人……つまり、生者なの〜?」

 繭羽先生は雰囲気を無理やり明るくしようと頑張っている感じだ。

 私の中に死んだ記憶はない。

 生者。

 生きる者。

 その定義はなんなのだろうか。

 望初さんや珠夜さんは自らを死んでいると断言した。

 死んでいるからって、望初さんや珠夜さんが生きていないといえるのだろうか。

 澄ちゃんの瞳はあんなに爛々と輝いていたのに。

 銉ちゃんの笑顔はあんなに綺麗だったのに。

 あれが死んでいると言えるのだろうか。

 あれが生きていないと言えるのだろうか。

 少なくとも、霊界の住人である以上、死んでいるのだろう。

 だが、生きていないかとはまた別だ。

 ここで出会った人たちはみんなみんな輝いているように見える。

 みんなが死者ならば、私も死者なのではないか。

「分かりません」

 それが私の答えだった。

 心の奥がモヤモヤする。大切なことを忘れたかのように。

「今日は座学にするの〜。ちょっと歴史について学ぶのよ〜」

 はっと我に帰る。

「とりあえず〜その様子だと何も知らないよね〜。だから〜基礎中の基礎からやるの〜」

 歴史。

 私は霊界について何もしらない。

「ここから長いよ〜。この世界には2人の神がいるの〜。1人は翠の石を使い、人間界を統括する翡翠神だよ〜。もう1人は赤の石を使い、霊界を統括する柘榴神だね〜。霊界にいるのは人間界の死者ってとこは大丈夫かなって思うの〜。遠い昔ね〜、霊界にきた人は全員死神になっていたの〜。これを改革したのは、初代魔法屋店主虹蝶 みゆ。翡翠神と、柘榴神と共に旅をして〜、魔法屋を作り上げたの〜。魔法屋で、名前からつけられる魔法を渡していたんだよ〜。まあ、だから魔法屋って言うんだけどね〜。問題が起きたのは3代目魔法屋店主虹蝶 呪莉の時なの〜。死神に攻め込まれて〜魔法屋が最後の砦みたい何なっちゃったの〜。それで、今みたいな感じになったんだよ〜。まあ、基礎だどこんなもんだと思うけど、大丈夫か心配なのよ〜」

 理解できなかった。

 専門用語が多すぎて、全然頭に入ってこなかった。

「また今度、ゆっくりお願いします」

 とりあえず、それだけいった。

「これだけの説明で理解できたらただの化け物なの〜。それで普通だから問題ないよ〜」

 なんだか空気が探偵番組の最後みたいな感じになっている。

 真相が見えそうで見えないかのような感じだ。

「虹蝶 みゆは翡翠神が持つ6つの魔法を分配したよ〜。一つは翡翠神本人の体内に封印。あと5つはそれぞれ別の人にね〜。おそらく、君の魔法が前者の翡翠神本人の体内に封印されていた魔法なの〜。何か〜本気で魔法に目覚めようとした瞬間があったの〜?そしたらその時に封印が解けちゃったかもね〜」

 本気で魔法に目覚めようとした時。

 あった。

 初めてこの魔法を使った時だ。

 珠夜さんが死神になってしまいそうだった時、謎に瞼の裏に浮かんだ魔法。


 干渉制御 


 この魔法が何なのか、何を意味するのか、私はまだ知らないけれど。

 それでも、これは私の固有魔法。

 私だけの魔法。

「今さ〜自分だけの魔法だって思ったよね〜?死神二冠には名前狩り(ネームキラー)とかいう奴がいて〜、魔法と名前を奪われちゃうんだよ〜」

 完全に思考に水を刺された。

 なんかさ、ここでこの魔法を極めるみたいな思考になる感じじゃなかった!?頑張りますって宣言するようなとこじゃなかった!?

 図星で直接言ってきた繭羽先生も繭羽先生だけど、名前狩りとか存在すること自体を恨んでやんぞ。

 なんかさっきまでの神聖なような、真相にせまる圧迫感のような空気は完全に消し飛んでいた。

 もしかしたら、そんな空気を消し飛ばすために、繭羽先生が故意にやったことなのかもしれない。

 それならそれで、少しは感謝かもしれないな。

 まあ、名前狩りは本当に消えてほしいが。

「だからさ〜とりあえず私と勝負するのよ〜実力は高いって分かってるからね〜」

 そういうと私に背を向けて、5メートルほど離れていった。

 そして、振り返りこう言った。

「よぉい、始めなの〜!」

 相手は魔法屋店主。

 今までの戦いとは文字通り訳が違う。

 私がどこまでやれるのかは分からないけど、とりあえず全力だ。

 ただ、思ったことが一つある。

 まじで意味分かんない座学だった。

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