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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
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希望学校、初登校

 ただいま、目が覚めました。星月夜 翡翠(ほしづくよ ひすい)です。

 ここは希望学校中央から少し南にある、とある学生寮の714番室。

 私は1番最初に目が覚めた。のんびり制服に着替える。

 朝食がそれぞれのクラスで支給されるという制度になっているため、朝は早いのだ。

 私が制服に着替え終わった頃に(すみ)ちゃんが突然ムクッと起き上がった。

 そして、

「リッちゃん、ヒッちゃんおっはよぉう!!なんだよ!!」

 と叫んだ。めっちゃびっくりしたわ。

「まだ、まだ寝る……」

 (りつ)ちゃん朝は弱そうだ。澄ちゃんの声がうっとうしそうにもう一度布団を被り直してしまう。

 澄ちゃんはそんな銉ちゃんの布団の中に容赦なく飛び込む。

「リッちゃん!!朝なんだよ!朝なんだよ!!」

 大声で叫ぶ。そ……そこまでしなくても…

「す、澄ちゃん。そこまでしたら……その、銉ちゃんがちょっと……」

「大丈夫なんだよ!これはいつも見られる光景であるんだよ!!」

 銉ちゃんは相当朝が苦手らしいです。

 そして、澄ちゃんはそんな銉ちゃんを毎日しっかり起こしているらしいです。

 布団に入り込んだ澄ちゃんにギブアップして銉ちゃんも起きてきた。そして、制服に着替えた。

 三人で一緒に家を出る。

「行ってきますなんだよ!!」

 澄ちゃんが誰もいなくなった部屋に向けて叫ぶ。

「本来、ここが四人部屋だから……澄はこれからこの部屋に来るであろう四人目に向かって毎日言っている」

 銉ちゃんが秒で補足してくれる。

 そうだったんだ。

 澄ちゃんは、この部屋に四人で住むことを望んでいるのかな?

「ヒッちゃん、リッちゃんも、早く出発するんだよ!!」

 澄ちゃんの呼びかけで我に帰る。

「うん!!」

 私は、今出せる最大の声で返事をした。

 そうして、三人並んで歩き出した。



 澄ちゃんは、クラスが違うため、途中で別れて別の方向に行った。私は銉ちゃんと二人きりだ。

「銉ちゃん、クラスではどんな授業をしているの?」

 素朴な疑問。よく考えずに希望学校に入学してしまったが、そこのところがよく分かっていない。

「授業というより修行。翡翠ちゃんが想像している授業は座学を指しているとは思うけど、希望学校の授業は実践の修行だと思っていい。座学は座学って呼ばれている」

 修行。厳しいって望初(のぞめ)さんたちが言ってた。でも、強くならなきゃ。

 珠夜(たまよ)さんに手紙を持ってってもらっている。内容はこうだ。


虹蝶望初様

拝啓

霊界の季節とか全くわかりませんが、いかがお過ごしでしょうか。私、星月夜 翡翠は望初さんのおかげでとても元気です。

さて、望初さんの『これからどうするの?』という問いに応えたいと思います。実は、希望学校に入学することになりました。

珠夜さんから望初さんが心配していたと聞いているので、一応経緯も書きますね。

とりあえず、幽依先輩、明里先輩、メロディー先輩の三人とガチンコ戦って、勝ったから、私の望みをある程度は叶えてくれると言われたので、希望学校に入学したいってお願いしたのです。そしたら、魔法学校の生徒会長さんが直々に入学許可が出たことを知らせに来てくれました。

私は希望学校で修行して、魔法屋に戻ります。

しばらく待っていてください。

敬具  星月夜 翡翠


 だから、気兼ねなく頑張るぞ。

 そうして、銉ちゃんと私は教室に着いた。

 教室と入っても、グラウンドという表現が近かった。

 私たちの周りには、私たちと同じ制服を着た生徒らしき人たちが集まっている。

 その中でも、猫耳を片方だけ持ち、猫の尻尾も持っている人が特徴的だった。

 そして、グラウンドの真ん中の一段高くなっているところに、望初さんと同じ服を着ていて、虹色の蝶を頭につけた人がいた。

 緩いウェーブがかかった紫の髪を二つに結んでいる人だった。

 瑠璃色の瞳で堂々と全員を睥睨している。

 強者のオーラが漂っているような感じで、私は思わず息を呑んだ。

 まぁ、虹の蝶つけてるってことは魔法屋店主ってことだし、みんな強いか。

 その人は口を開いた。

「星月夜 翡翠さん、前に出てきて」

 私は思わずビクッと震えた。いきなりの名指し指名。名指し指名って何言ってんのか分からないな。

「は、はい」

 私は縮こまりながらその人に向かって歩く。

「今日から、このクラスの仲間になりました。星月夜 翡翠さんです。みなさん、仲良くしてください」

 じ、自己紹介でしたか。私は全身から力が抜けた気がした。

「私は虹蝶 リリア。100代目……今の一個前の魔法屋店主よろしくね」

 100代目の魔法屋店主かぁ。ん、えっ100代目!?魔法屋店主が望初さん含めて101人もいることになるじゃんか!?

「よろしくお願いします」

 とりあえず挨拶を堂々として見せた。こういうのって第一印象が大事だっていうからね。

 クラスの人は大体20人くらいだった。みんなと仲良くできるといいな。

 とりあえず私は銉ちゃんのほうへ戻る。

 リリア先生は私が戻ったことを確認すると、今日やることについての説明を始めた。

「今日は、実践練習とします。二人一組になって、プラン27をやってください。終わった組はプラン13をやって待っていてください」

 プラン27とかプラン13ってなんだ?まあ、そういうやつがあるのだろう。

 銉ちゃんに聞けばわかるかな。

 とりあえず、二人一組って言っていたから、銉ちゃんと組もうかな。知り合い一人だし。

「銉ちゃん、一緒にや……」

 私の声は途中で遮られた。

「よォ、小狐丸ェ、もちろんウチらの方に来るよなァ」

「新入生と仲良さそうだけど、まさか、そんなことないよね、クスクス」

「小狐丸、今まで組んでやってた恩を忘れるほど、馬鹿じゃないよな?な?」

「小狐丸ちゃん、この程度で調子乗ってるの?一番の雑魚野郎ガァ!」

「こっち来ないわけないよね。まぁ、来なかったらどうなるかもわかってるだろうけど」

 7〜8人くらいの人が銉ちゃんに声をかけていた。でも、なんだか、不穏な気配がする。仲良い子たちが銉ちゃんを誘いにきたのとは違う気がする。

 もしかして…………いじめ?????

 聞いてみたほうがいい。銉ちゃんが自殺とかしたら嫌だよ。てか、なんで私こんなにいじめに敏感なんだろう。

「銉ちゃんってもしかして……」

 でも、こういうことを聞くのは少々戸惑いがある。はっきりと聞くことができなかった。

 しかし、銉ちゃんはこれで全て察してくれたらしい。

「うん、そうなんだよ。でも、大事にはしたくないし、澄には言わないでほしい。それと、翡翠は何も悪くないから、関わらないで」

 そんな……

「一人で抱え込まないでよ!」

 思わず、心の声が漏れていた。なんだか胸騒ぎがする。

 いじめ、という響きに。

 過去に関わったことがあるかのような。

 でも、私にはよく分からない。

「小狐丸ェ、早くしやがれェェェ!!!!」

 1番最初に銉ちゃんに声をかけていた人が、さらに声を荒げていた。この人がリーダーなのだろうか。

 少し話してみようかな。こんなので解決はずがないけど、少しでも軽くなってくれると嬉しいし。銉ちゃんだって抱え込まないでくれそうだし。

「あの、今日から入ることになった星月夜 翡翠です。よろしくお願いします。もしよければ名前を教えていただいてもよろしいでしょうか」

 頑張った。

「翡翠……何を……」

 銉ちゃんがものすごく驚愕しているが、ごめん、今は銉ちゃんは無視だ。

「アァ、オマエになんで名前を教えなきゃいけねェんダァ?」

 いや、普通にやばいやつやんこいつ。

「せっかく同じクラスになれたので、仲良くなりたくて」

 私は小首をかしげてみる。ちょっと命知らずな阿呆としてならやってイケるかもしれない。

 まあ、真意としては魔法屋店主であるかどうかを確認したいだけなのだが。

氷川 愛洲(ひかわ あいす)ダァ。一発で覚えやがれェ。この生意気ヤロォメガァ!」

 氷川 愛洲。名前で魔法が決まるというなら、この人は氷属性であると予想できる。根拠ないけど。

だとすると、風属性の銉ちゃんだと確実に負けてしまう。固有魔法の幻想出現がどのくらいかにもよるが……

 でも、虹蝶じゃない。勝てる可能性がある。私なら。

 決闘なんていうシステムはあるのだろうか。

 そんなの知らないけど、賭け事くらいはあるだろう。

 勝負してもらえるかな。相手は私が新入生ということで油断しているはず。

 いける……はず。

「あの、氷川 愛洲さん。私と決闘をしていただけないでしょうか!!私が勝ったら銉ちゃんを解放してください。私が負けたら、大人しく引きますから」

 まあ、負けるつもりなど毛頭ないが。

「氷川 愛洲‘様‘でしょう」

 氷川 愛洲さんの後ろにいた人がなんか言ってるが気にしない。

「フン、面白い奴だなァ。後悔してもしらねェゾ」

 決闘は受けてもらえそうだ。

 すると、そこまで黙って様子を見ていたリリア先生がこっちに向かって歩いてきた。

「みなさん!はけてください!審判は私がやりますので」

 どうやら決闘は尊重される社会のようだ。魔法がある世界だと大体こうなるのかな?

 みんなが素早くはけていく。

「愛洲様を見くびるものなど潰してくださいまし」

「コッテんぱんにしちゃってください!」

「小狐丸以上にこの偉そうな新入生はムカつくわぁ」

 氷川 愛洲の後ろにいた人たちもそんな言葉を言いながら去っていく。自分達のリーダーの勝利を信じて疑っていないのだろう。

「翡翠ちゃん、負けても大丈夫だから。怪我する前に降伏して」

 銉ちゃんがそんな言葉をかけてくれた。申し訳ないと思っているような表情をしている。

 その様子からして、氷川 愛洲はそれなりに強いようだ。

 銉ちゃんを最後に、教室の中心にいるのは私と氷川 愛洲のみとなった。

「これより、氷川 愛洲VS星月夜 翡翠の決闘を始めます!審判は私、虹蝶 リリアが務めさしていただきます。両者構え!!」

 リリア先生の声が響き渡る。


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