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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
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寮へ

 そうして、明里(あかり)先輩に寮へ案内してもらった。寮は中央から少し南に行ったところにあり、それなりに遠かった。いや、5時間くらいかかったからめちゃめちゃ遠かったって感じかも。その間に明里先輩に希望学校について色々聞いた。教室の明確な位置や、これから一緒の部屋になる子たちについてなどだ。

 聞いた話によると、一人は流泉 澄(りゅうせん すみ)。私より一つ下?の12歳。水属性の適性を持ち、超級魔法も操るという。明るい性格で、すぐに仲良くなれるだろうということだった。

 もう一人は小狐丸 銉(こぎつね りつ)。私と同じ?の13歳。風属性の適性を持ち、中級魔法までならできるという。しかし、幻を見せる固有魔法、幻想出現、を使うことができ、それがとても強いという。少し暗い性格だけど、根は優しいので、問題ないだろうということだった。

 そんな話をしながら、ようやく寮についた。

「じゃあ、元気でね」

 明里先輩は去っていく。

 私、星月夜翡翠(ほしづくよ ひすい)は慌てて、

「案内、ありがとうございます!」

 とお礼を言った。明里先輩が振り返って手を振ってくれた。

 部屋番号は聞いている。714番室だ。この建物が7階建+屋上なので、最上階になる。建物に入ると、長い階段があった。これ、7階まで登るのか。

 るると登った中学校の階段では、2階までしか登っていない。あれの6倍か……まあ、行くしかない。

私は気合を入れて登り出した。いくら気合が入っているからって、当然時間はかかるわけで、その間に色々考えた。

 当然、部屋に入るわけだよな。その時、なんて言おうかな。自己紹介やるんだろうな。どんな魔法を使うのかとか聞かれるかな?なんて答えよう。

 考えれば考えるほど不安になってくる。なんだか階段が無限に感じてくる。よし、この階段『地獄の階段』って言う名前にしよう。どんどん不安になってくからね。

 そんなことを考えているうちに着いてしまった。

 どこに?これから住む部屋に!

 ドキドキする。ドアの前で深呼吸をしようと大きく息を吸う。そして、息を吐こうとしたその時……

「ひっすいちゃ〜ん!ようこそなんだよ!澄たちのお家へ〜!」

「よ、よう……こ……そ?」

 水色の髪を3本に結び、御空の瞳を爛々と輝かせた少女がドアから思いっきり飛び出してきた。

 その後ろから、濡羽色の髪を胸の下まで下ろし、なぜか頭の上から髪と同色の獣のような耳がはえ、銀朱の瞳をおどおどしく揺らしている少女がこちらを覗いていた。

 明里先輩に聞いた話から考えるとおそらく、前者が流泉 澄さん、後者が小狐丸 銉さんだ。

 そんなことより、深呼吸をしていた時に突然目の前のドアが開いたものだから、私はびっくり仰天!

「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 私は絶叫と共に、盛大に後ろに尻餅をつく。寮の廊下は広くない。後ろの壁に激突した。

 なんか、壁にぶつかることに安心感を感じているのは私だけだろうか。すり抜けない壁というのは素晴らしい。

「澄、やりすぎだって言ったじゃん」

 推定、銉さんが澄さんへの批判を口にしながら、私に手を差し伸べてくれる。本当に優しい子だぁ!

 私はその手をとって立ち上がる。そして、自己紹介をしてしまおうと決意する。

「あの、私は星月夜 翡翠と申します!これからよろしくお願い致します!」

 推定、澄さんが輝いていた瞳をさらに輝かせて、

「澄、澄は、流泉 澄なんだよ……なんです。その、堅苦しいことはなしで、仲良くやっていくんだよ!」

 私が地味に?敬語を使ったことがいまいち気に入らないらしい。でも、普通に仲良くやっていけそうだ。

「うん、じゃあよろしくね!澄ちゃん」

 澄ちゃんの瞳の輝きがカンストしている。

「よろしくなんだよ!!」

 元気よく返してくれた。

「私が小狐丸 銉。よろしく……」

 銉ちゃんとも仲良くできるといいな。

「銉ちゃんもよろしくね!!」

「……よろしく」

 返してくれた。私はこれからの生活が楽しみになってきた。もう不安なんて消えていた。

「希望学校から、制服とかノートとか届いているんだよ!!」

 澄ちゃんが、部屋の中にある段ボール箱を指差して教えてくれる。

 澄ちゃんも、銉ちゃんも今は制服を着ている。いつでも制服で過ごすような感じなのだろうか?

「澄?とりあえず部屋へ入るのは優先順位が高いと思う……」

 確かにな。私も部屋を見てみたい。

「そうなんだよ、リッちゃん。翡翠ちゃん……ううんヒッちゃんなんだよ!部屋の中に入るんだよ!!」

 澄ちゃんが私の手を握って、部屋の中へ入れてくれる。

 部屋は、私が想定していたものより広かった。学生寮ということだろうから、とりあえずベットだけあります、みたいな感じを予想していた。しかし、この部屋は別途が置いてある面積を除いても20畳くらいの広さがある気がする。すごく広い。ベットはきれいに整えられていて、2段ベットが二組ある感じだ。そのほかの部分には冷蔵庫や茶の間などがあり、高級旅館の一室みたいな雰囲気を放っている。

 取りあえず茶の間のようなところに連れていってもらった。そこの正方形のちゃぶ台?のような机の周りに私たちは腰を下ろした。私は完全に緊張が抜けきってはいなかったのだろう。思わず正座をしていた。

 私の右隣に澄ちゃん、左隣に銉ちゃんという感じで座っている。

「ヒッちゃんはどのクラスに行くのか気になるんだよ?どんな魔法を使うのかもなんだよ?」

 とりあえず澄ちゃんに色々聞かれた。

「私は、詠唱ゼロを目指すクラスに行くんだ。その、魔法は非常に説明しにくいんだけど……とりあえず、固有魔法が使えるの。でも、それ以外は使えなくて……」

 あの魔法、どう説明すんだ、おい!

「私は固有魔法が使えるけど、属性の魔法が使える……属性の魔法が使えない固有魔法使いは聞いたことないかも……」

 ですよね……銉ちゃん素晴らしい知識をありがとう。

「すごくいいんだよ!!前例のないことってえすてきなんだよ!!」

 澄ちゃんが突然叫んだ。御空の瞳を爛々と輝かせている。

 えっ。自分自身、呆けた表情になっていると自覚する。これを受け入れるのかいな。澄ちゃん、ありがとう。

「銉ちゃんも澄ちゃんもありがとね」

 素直にお礼を言っておく。

「……とりあえず荷物は開けるべきだと思う」

 銉ちゃんはいつでも冷静な子なんだな。そして、確かに荷物を開けるのが楽しみにも思う。

「銉ちゃんありがとう。じゃあ、荷物、開けてみるね!」

 そして、銉ちゃんが持ってきてくれた段ボールに手をかける。

 ガムテープが貼ってあるのではがす。こういう時、ガムテープ剥がすのってすっごくワクワクするよな。

 何が出るかな〜何が出るかな〜

 でたぁ〜!

 テッテーテッテテレン!!……?なんと、珠夜さんとお揃い……澄ちゃんと銉ちゃんともお揃いの制服が 出て参りましたぁ!!

 テッテーテッテテレン!!……?さ〜ら〜に〜、生徒証が出て参りました……生徒証!?

 効果音が怪しい気がしなくもないけどそれはさておき、だ。

 マジか、使える魔法の欄に『かんしょうせいぎょ』って書かれてんぞ!!そして、年齢が13で確定してる!ちゃんとはてなマーク書いたのに。

 まぁいっか。

「わ〜い!ヒッちゃんも明日から一緒なんだよ!!」

 澄ちゃんが御空の瞳をものすご〜く爛々と輝かせながら、抱きついてくる。私も、澄ちゃんや銉ちゃんと同じ学校なのは嬉しいので、思いっきり受け止める。

 あれ、クラスって一緒なのかな?学校しか聞かされてないぞ。一応聞いてみようかな。

「あの、澄ちゃんと銉ちゃんはなんのクラスなの?」

 こういう問いには銉ちゃんがすぐの答えてくれる。二人分。

「澄が、今使える魔法を伸ばすクラスの、魔法の威力の底上げのクラス。私は無詠唱発動に挑戦するクラスの詠唱ゼロを目指すクラス。星つ……翡翠、さ、い、いや……翡翠ちゃん!が一緒なの」

 澄ちゃんとクラスが違うのは残念だが、銉ちゃんと一緒なのは心強い。だって、私は転校生だからね。

「銉ちゃん。教えてくれてありがとう。明日、一緒に行こうね!」

 澄ちゃんの方が反応が速かった。

「澄もね、澄もね、方向はおんなじなんだよ!一緒に行くんだよ!」

 御空の瞳の輝きがどんどん強まっていっている。

 銉ちゃんも一緒に行くことには賛成してくれた。

「うん、一緒に行こう……」

 銀朱の瞳をいまだにおどおどと揺らしてはいるが、銉ちゃんともそれなりに仲良くなれた気がする。

 そんなこんなで二人と色々お話した。例えば、好きな食べ物、色などを尋ねあったり、しりとりをしてみたりした。

 でも、明日は学校だからということと、やっぱり学生寮は消灯時間があるということで、早めに寝た。ものすごくぐっすり眠れた。


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