拷問
痛い。痛い。
これじゃ拷問みたいだよ……
いや、きっと普通にこれ拷問だ。何が何でも情報を吐くまで解放してはくれないだろう。
私、星月夜翡翠は頭の中に響く呪莉さんの声に尋ねられていた。
凱阿さんを殺した人について。
言っていいのか分からない。
いっそ、私が悪いって言っちゃうのもあり。どんな目を見ることになるのかは分からないけれど……
「呪莉、落ち着きなはれ」
栄華さんが呪莉さんを強引に揺さぶった。それで頭痛が少し和らいだ。
「うるさいんだぁよ……」
そんな栄華さんを、呪莉さんは立ち上がって強引に突き飛ばしてしまった。そして呪莉さんは私の方に歩いてきた。
「凱阿を殺したのは誰か、答えられないんだぁね?どうしてか教えてほしいねぇ」
そう言った呪莉さんは満面の笑みを浮かべていた。でも、その笑みからは深い闇が感じられる。
「どういう問題かねぇ、脅されているのなら無視してもらっても構わないんだぁよ。私が確実に殺すからねぇ」
脅されてるわけじゃない。だからこそ困っている。
「自分の意志で話さないんだったら、それは……理解しかねる行動なんだぁよ」
どうしよう。脅されたことにする?いや、結局丸め込まれて聞きだされちゃう。
「すみません、話せません」
結局話さないなら一緒だ。だから私は正面から謝った。
「話しときなさいよ」
天花様含め、周囲の人の視線は冷たい。奇人を見るような目で見られていると思う。
「そうか……言ってくれるねぇ」
次の瞬間、呪莉さんの気配が動いたと思ったら私の真後ろに移動した。
「なら、直接見せてもらうだけだぁよ」
呪莉さんが私の頭に触れる。
さっきみたいな感じの頭痛が襲って来る。さっきよりは軽いかも ……
でも、普通に痛い。言ったら今この瞬間は楽になるけれど、後で辛いことになっちゃう。耐えなきゃ。
「……」
呪莉さんは黙っていた。
「見えないねぇ」
しばらく経って、呪莉さんがそう言った。
助かったのか?頭も首も回らないから、状況はよく分からないけど……
「落ち着いたん?」
栄華さんが呪莉さんに言葉をかける。
「ごめんなさいなんだぁよ」
すると呪莉さんが穏やかな声でそう言った。
大切な人が死んだとしたら怒っちゃうのは当たり前だし、私としては頭痛が治ったので全く問題ない。
「死神です。それだけ伝えます」
私はそう言った。呪莉さんが痛々しかったから。何も言わないのは可哀想すぎたから。
「ありがとうねぇ」
呪莉さんはそう言って、魔法屋店主たちの指揮をしに戻った。
これでいいのかは分からない。
もしかしたら、ユェンユェンはちゃんと倒さなきゃいけないのかもしれない。
だけど、できるだけ争いたくはないから。
「敵襲や!」
栄華さんがそう言った直後、壁の一部が外から破壊された。
魔法屋の壁が壊れるところなんて初めて見た。
凄まじい風が吹きつけてくる。
結界奥義で一応壁の穴を塞いだけど、なんか攻撃されて壊された。
これが大きな攻撃……?




