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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
霊魂制御
142/177

参戦

(れん)?何しとるんや?」

 日生(ひなせ)蓮は希望学校で世界への反逆者と戦っていた。ユェンユェンと共に。

 しかしそのユェンユェンはどこかへ行ってしまった。

 そのタイミングを見計らったかのように声をかけられる。それは、日生蓮にとって聞き覚えのあるものだった。

「ミチヨ……」

 日生蓮は神妙な顔で相手の名を呟く。

「どうして……味方の邪魔なんかしとるん?」

 夜光(よひかる)ミチヨの表情に疑いは一切ない。日生蓮が世界への反逆者の味方だと信じているのだ。勝手に脱走し、希望学校側についているなんて想像もしていないようだ。

 世界への反逆者の仲間のことは考えないようにしていた日生蓮だが、これは流石に心に響いたようだ。純粋な目ほど残酷なものはないのだろう。

「ミチヨ……世界への反逆者は、琴羽(ことは)様は、我らを洗脳している」

 日生蓮が夜光ミチヨに向かってそう言った。

 夜光ミチヨは不思議なものを見る目をして首を傾げただけだった。

「蓮、戻ってきなはれ。琴羽様には報告しないどいたる」

 日生蓮の心は揺らいでいた。夜光ミチヨの一切のよどみのない心に。ただ味方が戻ってくることだけを望んでいるのだ。利害など一切考えていない。

「しっかりするんだぁよ」

 虹蝶呪莉(にちょうじゅり)が日生蓮の肩を叩き、声をかける。そしてそのまま一歩で夜光ミチヨの目の前に降り立つと、次の瞬間には笛で殴って弾き飛ばしていた。

「助かった」

 日生蓮はそう言って、自分の頬を両手で叩いた。

「魔法屋に行ってそっちの手伝いをしてもらいたいんだぁよ、死神との戦いだけだから、世界への反逆者に遭遇する心配はないからねぇ」

 虹蝶呪莉がそう提案する。

「いいのか?」

 日生蓮はそう言って、辺りを見る。何人かの生徒は追い詰められてしまっている。周りの生徒と助け合って何とかしている人もいるが、既に死者が出ている可能性は高い。

 さっきユェンユェンもいなくなり、自分まで抜けてもいいのかという不安があるようだ。

「大丈夫、マヨタンに任せろ!爆風神刀!」

 そう叫びながら、舞羽珠夜(まいはねたまよ)が戦場を縦横無尽に駆けまわる。

「危な……」

 背中から襲われそうな舞羽珠夜に、日生蓮は声をかけようとする。

 しかし、その必要性はなかった。

「固有魔法、魔法屋店主、蝶ノ舞。危なっかしすぎるわよ」

 虹蝶望初(にちょうのぞめ)が舞羽珠夜の背中を確実に守っていた。

「大丈夫なんだぁよ」

 そこで改めて、虹蝶呪莉は日生蓮に声をかけた。

 日生蓮は頷き、魔法屋へ向かって走っていった。




 


 魔法学校に、虹蝶みゆは訪れていた。

「あなただったんですね、校長先生?」

 そんな虹蝶みゆに、魔法学校の生徒会長、闇空帆野歌(やみそらほのか)が声をかけた。

「その通り」

 虹蝶みゆの態度はそっけない。

「あんたのせいでお姉さまが苦しみましたぁ!覚悟ですぅ」

 そんな虹蝶みゆに、闇空帆傘(ほがさ)が殴りかかった。

 虹蝶みゆは反応しなかった。それなのに、闇空帆傘の拳が当たることはなかった。

「えっ!?」

 拳が空振りするのだ。何度も何度も殴っても、一向に当たる気配がない。

「さて、魔法学校は私の指示に従ってもらうよ」

 虹蝶みゆが手をたたき、そう言った。

「申し訳ないですが、飢饉を引き起こすような無責任な人には……」

 闇空帆野歌が断ろうとしたが、その言葉は途中で止まった。

 なぜかは闇空帆野歌本人にも分からなかった。まるで、世界がその言葉を拒んだような感じだったのだ。

「いやぁ ……」

 闇空帆傘の叫びも消されてしまう。

「ふふっ、じゃあそろそろ、魔法学校も参戦しようか」

 虹蝶みゆは2人を満足そうに見て、そう言った。


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