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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
属性奥義
126/177

問いかけ

栄華(えいが)、待機してもらうねぇ。そして質問、いや、確認なんだぁよ。世界への反逆者の一員であってるかい?」

 千葉(せんは)への尋も……質問が始まった。虹蝶呪莉(にちょうじゅり)がまず口を開いた。

「はい、はい!」

 千葉はその言葉に素直にうなずいていく。

「世界への反逆者の目的は?」

 虹蝶望初(のぞめ)がすかさず尋ねる

「それ、話されると困るの~。だって、それは私しか知らないことだからね~、適当なこと言われたら面子が丸つぶれだよ~。千葉、何をやっているの?」

 その時、奥から声がした。片腕に片足、片目もない、杖をついた少女が現れる。服はもちろん、世界への反逆者のもの。

紡琴羽(つむぎことは)……やね?」

 虹蝶栄華がそう言うなり、魔法を構える。

「そうだよ~、虹蝶栄華?繭羽(まゆう)さんは元気?」

 紡琴羽も虹蝶栄華のことを知っているようだった。

「元気じゃないんだぁよ、何でか分かるかねぇ?」

 虹蝶呪莉が紡琴羽に攻めるような視線を向ける。

「分かるの~、だから何って感じだよね~」

 紡琴羽はそう言ってにやにやと笑う。

「逃げちゃだめだからね」

 会話の隙を伺って脱出を試みる千葉を舞羽珠夜がしっかりと抑え込む。

「魔法には警戒しておきなさいよ」

 そんな舞羽珠夜に虹蝶望初が警告をする。

「分かってるよ」

 そう言った舞羽珠夜は少し嬉しそうだった。まるで虹蝶望初の記憶があるかのようなやり取りだったからだろう。

「そっか、それなら話は早いねぇ、栄華?」

 虹蝶呪莉はそう言った。その瞬間には既に笛を構えていた。

「次元斬!」

 虹蝶栄華も既に魔法を放っている。

「君1人を問い詰めれば全てわかるってことだよねぇ、簡単な話なんだぁよ」

 どうやっているのかは不明だが、笛を吹きながら虹蝶呪莉は相手を挑発する。

「琴羽様!」

 千葉が抵抗を強めるが、舞羽珠夜は逃がさなかった。

「……」

 突如、舞羽珠夜を魔法が襲った。

「中級魔法、風属性、突風」

 草属性の魔法だったので、虹蝶望初は風属性の魔法を用いてそれを相殺した。

燈陰桃乃(とういんももの)?いや、桃花(とうか)?……桃乃?」

 舞羽珠夜が自信なさげに魔法を打ってきた相手の名を呼ぶ。

 世界への反逆者の服に一本に束ねられた金髪。

「どっちでもいいから私が倒すわ。千葉を逃がしちゃだめよ」

 虹蝶望初はそう言って、燈陰桃乃?の前に立ちはだかる。

「……」

 無詠唱で放たれる草属性の超級魔法。いくら有利な風属性の魔法といえど、詠唱していれば間に合わない。

「爆風神刀」

 舞羽珠夜が詠唱をする。風の刃は相手の魔法を容易く消し飛ばし、容赦なく襲い掛かる。

「ゾメッチ、大丈夫。マヨタンも戦うから、無理はしないで」

 千葉をしっかりと押さえつけたまま、舞羽珠夜は自信満々にそう言った。

 一方、虹蝶栄華の攻撃は防がれてしまっていた。

「琴糸万本なの~。ふふ~」

 放たれた無数の糸。空間ごと引き裂く栄華の魔法の前では無力なはずだった。それなのに、なぜか魔法がはじかれた。

「栄華、下がって……思ったより強敵みたいだぁね」

 虹蝶呪莉が虹蝶栄華と入れ替わりに敵に突っ込む。笛を両手で持って思いっきり殴りにかかった。

 それは紡琴羽に直撃した。人が爆発四散するには十分な威力だった。紡琴羽の姿は跡形もなく消えた。

「残念~、偽物だよ~」

 響く声。絶望的な報告。降り注ぐ魔法。

 だが、虹蝶呪莉はその展開を読んでいたかのように素早く攻撃を回避した。

「焦ったんだぁね……」

 身体能力にものを言わせて無理やり回避しただけであって、展開を読んでいたわけではなかったらしい。

「流石は虹蝶呪莉、神の時代から戦ってるだけはあるの~」

 その言葉と同時に、虹蝶呪莉は本物の紡琴羽の位置を特定することが出来ていた。

「いくら何でも遠すぎるんだぁよ」

 虹蝶呪莉はそう言って、上を見上げた。ハンモックのように絡まった糸、その上に紡琴羽がいる。ただ、それはとても高いところだ。呪莉の笛の音すら届かないくらいに。

「任しとき。位置さえ分かればこっちのものやね」

 そこで虹蝶栄華が飛び上がる。高く。

「次元斬!」

 しかし、その攻撃は無数の糸ではじかれてしまう。その隙に紡琴羽に距離を取られてしまう。

「追いかけっこねぇ。栄華、指示は出すから任せるんだぁよ」

 そうして一同は戦いにのめりこんでいく。より深く、周りの異変に気が付かないほどに。


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