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2つの世界を繋ぐ者  作者: きっこー
属性奥義
102/177

手掛かりなし

「手掛かりなくなっちゃった……」

 消えたメイがいた場所を見て、珠夜(たまよ)がつぶやく。

「そうね、一旦生徒会室へ戻りましょうか」

 私、虹蝶望初(にちょうのぞめ)はそう促す。

 気分が悪いわね、自分の手の中で人が死ぬなんて。

「メイが……」

 メイの逃亡から自殺までの流れを説明した。

 レンレンは驚いたような声音で話している。

「これで確定しましたねぇ、魔法学校は無関係ですよぉ」

 闇空帆傘(やみそらほがさ)が堂々と言い放つ。

 その通りね。だとすると、魔法学校の生徒たち全員が私たちを騙したという可能性は消えるから、学校内にあの子がいる可能性はかなり低いわね。

 それにしてもこの子、仲間が裏切り者だと分かったというのに、やけに冷静ね。場慣れしているのかしら。

「メイさん、死神かな?それとも ……」

 珠夜の言う通り、メイはどこかの組織の捨て駒にされた可能性が高いわ。

 でも、死神にあの子を捕えようとしている様子はなかったわよ。本気で捕えるつもりなら、そもそも私たちは死神山から帰れていないはずだもの。

「……世界への反逆者、とか」

 闇空帆野歌(ほのか)が重々し気に話す。

 ここでその名前を聞くとは思っていなかったけれど……

 世界への反逆者っていうのは、確か紡琴羽を頂点とする組織よね。希望学校で一人の構成員が捕まっていたはずよ。

「世界への反逆者だと言い切れる根拠はありませんけど、他の組織的なものも思いつきませんね」

 レンレンさんが目を瞑る。

「姉から連絡です。希望学校に囚われていた世界への反逆者の夜光(よひかる)ミチヨ、逃亡したそうです」

 追加されたレンレンさんの言葉で場に緊張が走った。

 無関係と切り捨てるにはタイミングが良すぎるわね。

「夜光ミチヨの脱出のための陽動として翡翠ちゃんを攫った、とか」

 珠夜が考え込む。

「でも、それならわざわざ翡翠神とかいう大物を攫う必要はないけれど」

 闇空帆野歌が珠夜にツッコむ。

「でも、大物を攫わないと捜索に人手が割かれないじゃん」

 珠夜が強気に反論している。

「割かれてないじゃないですか、大物だとしてもぉ」

 闇空帆傘のその言葉に珠夜は黙った。

 そうね、今あの子を探しているのは私と珠夜の二人だけ。

 希望学校が総力を上げているとは言い難い。

「まあ、一旦世界への反逆者を探しましょうか。現段階で一番怪しいのは確かなのだから」

 私はそう言って珠夜をなだめる。

「じゃあ、これで」

 私たちは生徒会室を出た。

 もう魔法学校に行く必要はない。希望学校へ一回戻るか、それとも……

「待ってぇ」

 闇空帆傘がなぜか追いかけてきた。

「私もつれてって、絶対に役に立つからぁ。珠夜の!」

 そう言って闇空帆傘は珠夜に縋りつく。

「え、え……!?」

 珠夜は困惑の隠せない表情で狼狽えている。

「戦力が増えるのはいいことじゃない?」

 闇空帆傘の背中を掴んで珠夜から引きはがしつつ、私はそう言った。

「まあ、これから何があるか分からないし……」

 珠夜が納得したように頷いている。

「よろしくお願いしますぅ」

 闇空帆傘は嬉しそうだ。どうして付いてきたなんて言い出したのか少し不思議だけれど……

 まあ、珠夜の役に立ちたいという言葉に嘘は感じられなかったわね。

 改めて、希望学校に一旦戻るべきか、どうするか。

「希望学校戻っても、何もないよね」

 珠夜が絶望的な目をしている。希望学校に限らず、どこへ行っても何もないのだ。

 世界への反逆者の拠点が分かれば乗り込むのだけど……

繭羽(まゆう)さんくらいよね。希望といえば」

 世界への反逆者の拠点を紡琴羽の姉である繭羽さんなら知っている可能性はある。教えてくれるかは別だけどね。

「行ってみようか」

 あまりいい手とは言えないけれど、これしかないのだから仕方ないわね。

「私行っちゃって大丈夫ですか?」

 闇空帆傘が首を傾げている。

「大丈夫よ、あなたが反乱を起こしたところですぐ制圧されるから」

 だから私は笑顔で頷いておいた。

「なんかむかつく……」

 小声で闇空帆傘が何か言っているけれど気にしないわ。

「行きましょうか」



ーー



「琴羽の拠点?知らないの~」

 希望学校に戻って、店主の間へ行って繭羽さんに世界への反逆者の拠点について聞いてみた。

 本当に知らないのか隠しているのかは分からないけれど、繭羽さんから引き出せる情報はなさそうだ。

「希望学校内も探してみたらどうですかぁ?」

 闇空帆傘がそう言った。

「……いないよ」

 その提案を遮ったのはユェンユェンだった。既に探してくれていたのね、あの子も意外と愛されてるじゃない。

「夜光ミチヨの逃走経路を追えたりしないかしら?」

 かなり期待交じりだけれど、一応ユェンユェンに聞いてみたわ。

「……なんとなく、方角だけなら」

 ユェンユェンってすごいのね、何でもできるじゃない。

「それで大丈夫よ、聞いてもいいかしら」

 

 ユェンユェンに教えてもらった方向に、私たちはひたすら進むことにしたわ。

 世界への反逆者の拠点を見つけましょうか。

 悪いけど、こっちでもストレス発散に殴り込みしちゃうかも。


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