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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

勇者召喚で女神様に公認チーレム出来るって言われたけど思ってたのとなんか違う

作者: ぬっすぃ~

俺の名前は比良辰巳、21歳のしがないフリーターだ。

今日は週末なんで深夜までエロゲをしていたのだが、ちょっと喉が渇いたのでコンビニまでジュースを買いに出た。

俺の家はラブホ街の近くにあり、一番近いコンビニはラブホ街を通り過ぎたとこにあるのだが、歩いてコンビニに向かうと、たいていラブホに出入りする車を見かける。

何が言いたいかと言うと「俺もしてみてぇ!」ってことだ。

俺は現在21歳だが、彼女居ない歴21年なので当然経験がない。

そんな俺がコンビニに行く度にラブホ街の前を通らなければならないので気が滅入る。

いい加減その手のお店に行くかと悩やみつつ足早にコンビニから帰ってくる途中、ラブホ街を抜けたところで突然地面が光りだした!


突然のことでなにがなんだか分からなかったが、光を良く見ると魔法陣のように見えなくもない。

その魔法陣のようなものは俺の足下まで広がり、俺が魔法陣の中央に立っている状態になった途端、強く光った!


あまりの眩しさに目が眩む。

しばらくして目が見えるようになると、そこは白い空間だった。

しかも目の前には神様っぽい格好をした女性がいるんですが。


『え~と、おめでとうございます、かな?比良辰巳さんは異世界から勇者として召喚されることになりました』


目の前の女性(異世界を管理している女神様だそうです)はそう言って今の状況を説明しだした。

女神様の説明によると、どうやら俺は異世界の勇者召喚で選ばれたらしい。

しかし、必ずしも召喚に応じる必要はなく、女神様が召喚に応じるかどうか確認されるために、この白い空間に呼ばれたということらしい。


召喚される異世界には魔王がいるというわけではないが、強い魔物が多くて人類が絶滅の危機にさらされているらしく、俺には魔物の駆除と子孫を増やすことが求められているという。

しかも、子孫を増やすために『最低でも100人の女性と関係を持って欲しい』と女神様は真面目な表情で言われた。


「えっ!100人の女性と関係を持つのが使命なんですか?」


『そうです。比良辰巳さんが召喚される時に体に強い因子を付与しますので、その因子を多くの子供に受け継がせて欲しいのです』


キタコレ!

女神様公認のハーレムってことでしょ!


あ、でも、そもそも女性と付き合ったことがない俺に、100人の女性と関係を持つってハードル高いよな。

そのへんって女神様の力でなんとかしてもらえるんだろうか?


『そうはいっても、いきなり100人の女性と関係を持つというのは難しいのですが、比良辰巳さんをサポートするパーティーメンバーは女性だけになりますし、パーティーメンバーから徐々にって感じですかね』


おおっ!まさにチーレムじゃないか!


彼女居ない歴21年の俺でもなんとかなりそうな感じだし、女神様様々だな。

今の時点で召喚に同意してもよさそうだけど、やっぱりチートがもらえるかも気になる。

まあ、勇者召喚なんだからチートはもらえると思うけど、一応確認しておくか。


「あ~使命は分かりましたけど、勇者として召喚されるんなら多少はチートももらえるんですかね?」


『チートと言えるかはわかりませんが、勇者の時点で優秀なステータスと魔法適性があります。さらに今回の召喚はたいへん重要と位置付けていますので、私の管理範囲ギリギリの強スキルを与える予定です』


おっ!やっぱ勇者はチート持ちなんだな。

しかも、女神様から特別なスキルをもらえるっぽいぞ。

これは普通に『俺tueee』出来るんじゃないか?

異世界召喚の小説なんかだと、召喚先でたいへんな目に合うとかもあるけど、女神様がサポートしてくれてるからそんなこともなさそうだし、俺の勇者召喚は当たりじゃね?


勇者召喚されちゃう?

んで俺tueeeしちゃう?

チーレムでイチャイチャしちゃう?


よしっ!俺は異世界に行くぞ!


『では比良辰巳さんはこれから勇者として召喚されます。最後にアドバイスというか、召喚後、自由に行動出来るようになったら、必ず神殿まで来てください』


『了解です』って女神様に答えようとした瞬間、また魔法陣が現れ、今度こそ異世界に召喚されたようだった。


魔法陣の光りが消え、俺の周囲から勇者召喚を喜ぶ声がいくつも聞こえてきた。

どうやら本当に(女神様を疑っているわけではないが)異世界に召喚されたようだった。


この後『テンプレなら王様とかが出てきて勇者召喚の説明なんかしてくれるんだろうな~』とか考えながら周囲を観察すると、ローブを着たダークエルフっぽい女性が目についた。

なんか杖とか持ってるし、ローブもなんか凝った模様がついてるし、もしかして偉い人かな?

いや、ダークエルフが召喚者ってちょっと予想外なんだけど。

というか、いま気がついたけど、勇者召喚に立ち会ってる人が女性しかいないっぽい。

まあ、なんでかオーガっぽい女性もいるし、ラミアだっけ?下半身が蛇~な女性もいるんだけど?

あれっ?俺って人類が絶滅の危機にあるから召喚されたんじゃなかったっけ?

なんで人族がいないんだ?


想像してたのと違って困惑してると、ラミアっぽい女性が話しかけて来た。


『私は今回の勇者召喚の責任者で魔導師統括責任者のマイラといいます。あなたが女神リーネリア様が遣わされた勇者様で間違いないでしょうか?』


あれ?勇者召喚って言ったよね?

女神様が遣わされた勇者様って言ってるし、間違ってないと思うけど、ラミアって人類なの?

っていうか、ここに居る人、いわゆる亜人ってやつじゃないの?

人類って亜人も含まれてるってこと?


まだ困惑してるけど、なにも答えないのはマズいか。

状況的には間違ってないっぽいし、肯定するべきなんだろうな~なんかもにょるけど。


「女神様の名前は聞いてないけど、女神様から勇者として召喚されるってことは聞いてるから、俺が勇者で間違いないと思う」


思ってたのと違うからって否定するのは間違ってるよね。

本当に困ってて勇者召喚したんだろうし、俺が召喚されてくるのを心待ちにしてたと考えたら、さすがに否定できんわ。


『ああ、女神リーネリア様、感謝いたします。では勇者様、お名前をお聞きしたいのですが』


「俺は比良辰巳、ヒラが家名でタツミが名前ね」


魔導師統括責任者のマイラさんとお互いに名乗りあって、詳しい話を聞くことになった。

マイラさんの話では、やはり人類が絶滅の危機に瀕してるのは間違いないらしい。

この世界では、人族以外の亜人もまとめて人類と呼ぶそうで、人族と亜人が協力してなんとか人類が絶滅するのを遅らせている状態だそうだ。


この世界には人類の国は一つしか残っていないらしく、王様がいる国なので、ただ王国と呼んでいるそうだ。

王国の王には強い男性がなることになっているそうだが、王様の仕事は魔物の駆除がメインらしい。

国の運営は各種族の長が集まる長議会で大まかな方針を決めて運営しているらしいが、魔物の駆除がたいへんなため、国を発展させるのが困難で、人類が絶滅の危機に瀕している大きな要因になっているそうだ。


王国に暮らしている種族は人族、ドワーフ、ハーフリング、ハーフエルフ、ハーフダークエルフ、ハーフオーガ、ハーフバンパイア、ハーフラミア、マーマン&マーメイド、有翼人がいるそうで、有名どころのエルフと獣人はいろいろとあって絶滅してしまっているらしい。

また、亜人のなかでもハーフ種(ハーフリングはそういう名の種族でハーフ種とは違うらしい)は人族との混血により、魔物とは違う一種族として今では認識されているとのことだ。


あ~獣人はいないのか~ちょっと残念。

俺も耳や尻尾をモフモフしてみたかったぜ。

それにしても、ハーフエルフはいるのにエルフは絶滅してるってどうなってんの?


ある程度この世界のことを聞いたところで、俺のパーティーメンバーが紹介されることになった。


『では、ヒラ様のお供になる者達を紹介します』


マイラさんがそう言うと、先ほど気がついたハーフダークエルフの女性、ハーフオーガの女性、マイラさんの後ろに控えていたハーフラミアの女性が俺の前に並んだ。


あ、やっぱりパーティーメンバーは亜人なのね。

いや、確かに人族よりも種族的にいろいろと優れてるんだろうけど、なんだかな~


そんなことを考えてると、最初にハーフオーガの女性が自己紹介を始めた。


『ハーフオーガ族のノイ、19歳で重戦士だ。お前の子供を産む準備は出来てるから、今日からでも大丈夫だ』


おぉう!いやいや、気が早すぎませんか!?

っていうか、ノイさんはハーフオーガなだけあってか、身長も2mぐらいあるしボディビルダーみたいな体格だからいろいろと凄そうな感じ、そう、いろいろとね。


で、次はハーフダークエルフの女性が自己紹介を始めた。


『ハーフダークエルフ族のティタニーナ、77歳です。女神リーネリア様を信仰しており、神殿から司祭の位を拝命しています』


えぇ~!?ハーフダークエルフなのに司祭なの?

司祭って回復職ってことだよね?

ハーフダークエルフって近接戦も魔法戦もいける系だと思ってたけど、俺のイメージが間違ってるの?


『その・・・経験はありませんので、ヒラ様が満足出来ないかもしれませんが、が、がんばりますぅ』


あれ?ティタニーナさんって、そこそこ身長が高くてキリッとした顔してるけど、見た目と態度とのギャップがあって意外と萌えるかも!?


あっ、ノイさんと目があったけど、ノイさんって意外とかわいい顔してるんだよな~

そんで額の左端から小さな角が生えてるんだけど、それがなんかありきたりじゃないギャップを生んでるっぽい。

うん、顔だけならノイさんもありよりのありでしょ!


で、最後にハーフラミアの女性が自己紹介を始めたわけだが・・・蛇の尻尾がユラユラしてて集中できん!

あっ、すみません、聞いてませんでした、もう一度お願いします。


『ハーフラミア族、ミミン、47歳、魔導師』


あっ、マイラさんがミミンさんをしばいた。


『自己紹介なんだから、照れずにちゃんと自分をアピールしなさい!』


えぇ~?マイラさんによるとミミンさんは照れてたらしいけど、顔が真顔でとてもそんなふうには見えなかったけど・・・。

もしかして尻尾がユラユラしてたのって、モジモジする感じだったのかな?


『えっと、マイラさんの弟子なのでそれなりに魔法が使えます』


あ、またマイラさんがミミンさんをしばいた。


え~?いまのは問題なくね?

えっ?ダメ?

あ~勇者パーティーのメンバーなんで優秀な魔導師なのは当然ってことですか。


それにしても、ミミンさんもかわいい顔してるし、上半身だけ見てたらありありなんだけど、下半身がね、蛇なわけですよ。

で、上半身は結構小さいのに、下半身の蛇の部分が立ち上がってる感じなんで、身長?がノイさんと同じぐらいになってるわけで。


っていうか、俺とミミンさんって出来るの?

蛇ってどうやって交尾するんだっけ?

あ、蛇とは違いますかそうですか、とりあえず出来るそうですごめんなさい。


まあ、いろいろと思うこともあるけど、3人がパーティーメンバーってことね。

と思ってたら、マイラさんが申し訳なさそうに言われた。


『実はもう一人いるのですが、ハーフリングは自由な性格をしていますので、この場には来ておりません。申し訳ございません』


あ~あれか、楽観的な種族ってやつ?

でも、ハーフリングって身長1mぐらいなんだよね?

あれ?もしかして見た目が幼女ってこと?

俺、ロリでもなんでもないんだけど、やらなきゃダメ?

あ、ハーフリングは気まぐれだから候補に入ってないそうで。


ハーフリングは候補に入ってないけど、斥候としてはとても優れてるらしく、パーティーメンバーからは外せないらしい。

まあ、魔物と戦うわけだし、しょうがないよね。


なんやかんやでパーティーメンバーの紹介が終わったんで、マイラさんからステータスを確認するように言われた。


そういえば異世界といえばステータスだよね、あれ言っちゃう?


「ステータスオープン!」


俺がそういうとステータスが見えるようになったんだけど、なんかマイラさん達が困惑してるように見えるんだけど。


『あの、ステータスは念じるだけで見れますので、声に出す必要はありません・・・』


あ、俺は中二病全開でしたか、超恥ずかしいんだけど!

先に確認方法を聞けっての、まあ浮かれてたんだけど。


気を取り直してステータスを確認すると、職業は勇者で、いろいろとスキルがあるわけだが、リーネリア様が言われてた強スキルらしきものが見当たらない。


もしかして神殿に行かないともらえない?

あっ、リーネリア様の加護ってのがあるけど封印中ってなってるし、やっぱり神殿に行ってスキルをもらうっぽい。

まあ、リーネリア様も管理範囲ギリギリの強スキルって言われてたし、いろいろ面倒な手続きが必要なんだろう。


俺がステータスを確認し終えると、次は装備品を選ぶってことで、鍛冶師がいるとこまで移動した。


まあ分かってたけど、鍛冶師も女性だった。

鍛冶師の女性は、身長は120cmぐらいだけど、わりとガッチリした体格なんで、たぶんドワーフかな?


『勇者担当の鍛冶師、ランカサな。一応要望は聞くけど、あたいが適正を見て装備品は決めるからな。とりあえず防具は金属製は無理だな、武器は一通り使ってみてからな』


おぉぅ・・・自己紹介のついでみたいに適正言われたんだけど。


そんなわけで、適正を見るために、ランカサに言われた通りに渡された武器を振っていった。


『う~ん、一番適正あるのが鈍器、次が剣ってとこかな』


えっ?俺、勇者なのに剣より鈍器のほうが適正あんの?

いやいや、ステータスには剣術や槍術ってスキルがあるけど、鈍器ってどのスキルが反映されてんだよ!

えっ?スキルは今習得してる技術であって適正とは違う?

じゃあ、鈍器を使ってたら鈍器を扱うスキルが生えてくるってこと?

あ、棍棒術ですかそうですか、って、勇者が棍棒ってありなの?

ああ、戦えればなんでもいいのね。


ってことで、俺の武器はメインがメイスでサブが短剣になった。

あ、俺は魔法を使う前提なんで、片手を空けとくために盾はなしだってさ。


メイン武器がメイスか~ってしょんぼりしてたら、ティタニーナさんが嬉しそうに言ってきた。


『ヒラ様!私もメイスを使っていますので、お揃いですね!』


ティタニーナさんは凄く嬉しそうに言ってますけど、司祭って近接戦するの?

俗に言うモンクってやつ?

まあ、普通に考えたら、近接戦が出来ないより出来たほうがいいわけで・・・杖で殴るよりメイスで殴ったほうがいいわけで・・・司祭って俺が思ってるのと違うの?


ティタニーナさんに聞くと、今の装備は儀式用で、魔物と戦う時は祭服とメイスを装備しているそうだ。

というか、近接戦が出来ない人は街の外には出られないらしい。

それだけ魔物が多くて強いってことか。


まあ、とりあえず装備品もあれこれもらったし、後は特にないって言われたんだけど。


王様に謁見とかしなくていいの?

あ、王様は魔物駆除中だし、そもそも謁見って概念がないんだって。

王様は『偉い人』じゃなくて『強い人』って認識だそうで、俺の感覚からすると、魔王のほうが近いっぽい。


そんなわけで、後は好きにしてね~だってさ。


えっ?ほんとにこれで終わり?

訓練とかしないの?

あっ、そのためのパーティーメンバーですか。

後は好きにしてってことで、お城から出てきたわけだけど、さて、どうするかな?


『ヒラ様、神殿にご案内しますね』


ティタニーナさんに言われて思い出したけど、リーネリア様から最初に神殿に来てって言われてたってことで、神殿まで移動した。


ティタニーナさんの案内でたどり着いた神殿は、女神リーネリア様の神殿らしく、この神殿で司祭以上の資格を持つ者が祈りを捧げると、リーネリア様から神託が下ることがあるらしい。


じゃあ、俺も祈ったらいいのかな?


とか思ってたら、なにやら神殿の中が光りだした!

リーネリア様のご降臨かな?

いや、なんとなくそう思っただけだけど。

で、光が収まったらリーネリア様が佇んでおられました。


うん、知ってた。


でも、隣りにいるティタニーナさんが平伏してしまってるんで、リーネリア様がご降臨なされるってのは普通ではないっぽい。

リーネリア様は俺達を見て、少し困ったような表情で言われた。


『ああ、そこの娘は私の信者でしたね。私との繋がりがあったため、時間停止の影響を受けなかったようですね』


えっ?時間停止?

ってことは、今動けるのって、俺とティタニーナさんだけってこと?

ノイさんとミミンさんを見てみると、まったく身動きしないし、まばたきもしないから、ほんとに時間が止まってるっぽい。


『まあいいでしょう。比良辰巳さんにも相談相手は必要でしょうし、ティタニーナさんが本妻ってことでお願いします』


えっ?リーネリア様?本妻ってどゆこと?

ちょっと言われてることがわかんないんだけど?

リーネリア様の話を聞いたティタニーナさんは『ひゃ?』とか、かわいらしい奇声を発してるし、理解が追いついていないっぽい。


俺もわかってないけどな!


俺達の気持ちを無視するように、リーネリア様はそのことは説明されずに話を進められた。


『それではあらためて説明しますが、比良辰巳さんにお渡しするスキルはこの世界の根幹に関係しますので、地上でないとお渡し出来なかったのです』


あ、やっぱりそんな感じですか。


そんなわけで強スキルを貰ったんだが、そのスキルは[リトライ]。

[リトライ]はカルマ値を消費して任意の時間を遡れるって能力らしい。

厳密には時間逆行ではないらしいが、経験したことをそのままに時間を遡れるスキルってことだ。


うん!まさにチートスキル!


カルマ値の消費ってのが引っかかるけど、ようは未来視みたいなことが出来るってことでしょ?

あっ、でも、任意ってことは死んじゃったらやり直せないのか。


『[リトライ]はカルマ値が残っている限り、死も回避出来ます。比良辰巳さんが死なれた場合、私が介入して[リトライ]を発動させますので、私の加護がついているのはそのためです』


リーネリア様の加護は、俺が死んじゃった時に[リトライ]を発動させるために必要なのね。

うん、なんか介護されてる気分になるけど、まあ、死なないってことで問題なし!


[リトライ]を発動させるためのカルマ値は、この世界のためになることをすれば増えるらしく、魔物を駆除したり、女性と関係を持ったりしたら増えるんだってさ。


後は魔法のことやらなんやかんやの説明を聞いて、リーネリア様から死なないように頑張ってって念を押された。


もしかして、[リトライ]の発動ってめんどくさいの?


リーネリア様との邂逅を終えたので、ノイさんとミミンさんに軽くリーネリア様のご降臨を説明しておく。

ティタニーナさんがハイテンションで説明されてたので、ノイさんとミミンさんはいろんな意味で驚いてたようだが。


『じゃあ、さっそく魔物の駆除にむかうか!』


ノイさんがそういうと、ティタニーナさんとミミンさんも同意したので、魔物を駆除しようってことになったんだけど、その前にレベルの確認をされた。


俺はもちろんレベル1ですがなにか?


で、みんなのレベルを聞くと、ノイさんがレベル88、ティタニーナさんがレベル103、ミミンさんがレベル97だそうで・・・。


えっ?俺、必要?

あっ、でも、99より上があるなら魔物も99より上がいるのか。


俺のレベルを聞いて、3人はどうするか相談し始めた。


『最初はヒラ様に直接戦ってもらうのは難しいんじゃない?』


『う~ん、そうだな、ハンティングマウスでも捕まえるか』


『それなら私がやりましょうか?』


『ああ、あたいは手加減が苦手だからティタにお願いするよ』


『ティタが捕まえたら私が麻痺らせるから、それでヒラ様に攻撃してもらおう』


え~3人の相談により、ハンティングマウスなる魔物をティタニーナさんが捕まえて、ミミンさんが麻痺らせて、動けない魔物を俺が殴るってことになった。


いや、パワーレベリングはありがたいんだけど、なんていうか、介護されてる感が凄いんですが。


というわけで、ハンティングマウスを捕まえるために草原までやって来たところ、地面に出来た穴からネズミらしき物が出入りしてた。


さっそくノイさんがそこら辺の草を束ねて、魔法で火をつけ、それを穴の中に放り込んだ。


っていうか、ノイさんって重戦士って言ってなかったっけ?

重戦士って魔法が使えるの?


なんか、ちょくちょく俺が思ってるのと違うことが出てくるんだけど、気にしたら負けか?


そんなことを考えているうちに、穴からハンティングマウスっぽいネズミが出てきて、ティタニーナさんが順番に殴っていった。


ティタニーナさん、なんかやり慣れてる感が凄いんですが。


で、ティタニーナさんが殴ったハンティングマウスをミミンさんが順番に麻痺らせていって、この穴からでた6匹のハンティングマウスが俺の前に並べられた。


『『『ヒラ様、どうぞ!』』』


3人にそう促されて、ハンティングマウスを見ると、40cmぐらいの個体が1匹、30cmぐらいの個体が1匹で、後の4匹は10cmぐらいだった。

家族だったんだろうが、この世界は弱肉強食だ、気兼ねなく俺の経験値になってもらおう。


とりあえず子供と思われる1匹にメイスを振り下ろしたが、手に返ってくる感触が想像と違うんだが。

ダメージもたいして与えてられていないっぽいんで、鑑定(定番だよね)してみると、ハンティングマウス(子供)レベル8。


えっ?この子ネズミ、レベル8もあんの?


残りのハンティングマウスも鑑定していくと、子ネズミがレベル8~10、中ぐらいのがレベル15、一番大きいのがレベル18だった。


あれ?このネズミって、いわゆる雑魚だよね?

一番弱い魔物なんだよね?

なんかレベルおかしくない?


気を取り直して、とりあえず1匹を殴り倒したらレベルが上がった。


ハンティングマウス(子供)を1匹倒したら、レベルが1→4に上がったよ。

一番弱い雑魚を倒してレベルが3つ上がるとか意味わからん。

現実逃避しながら残りのハンティングマウスを殴り倒したら最終的にレベル14になった。

30分ほどでレベル二桁に到達したけど、まだ大人のハンティングマウスよりレベルが低いって、マジでこの世界はいろいろとヤバい。


とりあえずレベルは上がったけど、殴り疲れたので地面に座って休憩してると、草むらがガサガサ鳴ってなにかが飛び出して来た!


俺が座っているところから3mぐらいのところに出て来たのは30cmぐらいの角のついたうさぎだった。

いわゆるホーンラビットってヤツかな?


のんきにそんなことを思ってたら、3人が慌てて離れるように言ってきた。


えっ?なんで?


とか思ってたら、角うさぎの角が凄い勢いで飛んで来て、俺は意識を失った。



************



気がつくと、そこは白い空間だった(本日2度目)

で、目の前には、リーネリア様が。


えっ?俺、死んだの?


『比良辰巳さん、この世界の魔物は強いと説明しましたよね?油断しすぎです』


リーネリア様が凄く怖いんですが。


リーネリア様の説明では、俺の前に現れた魔物はキラーラビット。

ハンティングマウスと並ぶ最弱クラスの魔物だが、特殊行動で角を飛ばすらしく、この角は格下の敵に50%の確率で即死効果をもたらすらしい。

ちなみにキラーラビットの平均レベルは15らしいので、今の俺が角をくらうと、50%の確率で即死してしまうんだって。


いやいや、殺意高過ぎでしょ!


そんなわけで、召喚された日に死んでしまったわけだが、リーネリア様がカルマ値を消費して[リトライ]を発動されると、こうしてリーネリア様のお叱りを受けるようだ。

今回消費したカルマ値は1000ポイントで、1分戻るのに使うカルマ値は通常だと100ポイントなのだが、俺が死んで、リーネリア様が[リトライ]を発動する場合は10倍のカルマ値を消費するらしい。

俺は最初から10000ポイント持ってて、ハンティングマウスで6ポイント取得してて、1000ポイント消費したから残りのカルマ値は9006ポイント。


あれ?死んだらリーネリア様が[リトライ]を発動するってことは、あと9回しか死ねないじゃん!


いや、死ぬなってことなんだろうけど。


ってなわけで、1分前に戻ってきました。

ちょうどハンティングマウスを殴り倒した後なんで、今度は座り込まずに緊張してると、さっきと同じようにキラーラビットが草むらから出て来た!


『ヒラ様!その魔物は危険です!すぐこちらに下がってください!』


ティタニーナさんが緊張した声でそう言いだしたと同時に、俺は3人のもとまで移動した。

俺が3人のもとに移動したところで、キラーラビットが角を飛ばしてきたが、ノイさんが軽く弾きとばしてくれたので、今度は問題なかったが、キラーラビットが飛ばす角って、めちゃくちゃ速かったんだが。


予備知識なしだと絶対かわせないって!


俺にたいして殺意高過ぎなキラーラビットだが、ティタニーナさんが殴ってミミンさんが麻痺らせてくれたので、全力で殴って俺の経験値になってもらった。

さっきの俺よ、敵は取ったぞ。


その後、数回ハンティングマウスを殴って経験値を稼ぎ、最終的にレベル21にまで上がった。

これでキラーラビットは怖くないし、ハンティングマウスも1人でなんとか出来そうだ。


あ、あと、棍棒術が生えてた、殴り勇者ですがなにか?


いや~リーネリア様に聞いた話は間違ってないんだけど、なんていうか、思い込みっていざって時に困るよね。


そんなわけで、魔物の駆除は経験したし、あとはあっちだけか。

っていうか、リーネリア様が言われてた、ティタニーナさんが本妻って話、とうすればいいの?


まあいいか。

なるようにしかならないし、死ななきゃ[リトライ]でなんとか出来るでしょ!


思ってたのだいぶ違ったけど、異世界で勇者、頑張ります。

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