新しい仲間
「後見人?」
「レイチェスター公女が買って出てくれたそうです」
「えっと、ごめん。詳しいことはわからないんだけど、つまり私はレイチェスター家の養子になるってこと?」
「はい。本来であればもっと早くに決めるべきことだったのですが」
聖女の本物・偽物問題やカイザー様率いる軍団が、あれやこれやしてきて時間を費やした。
この国に住むのなら身分は必要になってくる。本来であれば王族が引き取ってくれる手筈だったけど、陛下が一刀両断した。
私がカイザー様の義妹となるのは断固拒否と。
頭を悩ませているとこに公女様からの手紙。私だけをレイチェスター家に迎え入れたいと。
ここで更なる問題発生。私の名前が書かれていたにも関わらず、カイザー様は友愛の後見人だと吹聴している。
あろうことか公女様が書き間違えたのだと触れ回り、評判を落としていることに気が付いていない。
仮にそうだとしても、これから入る家族を風評すれば肩身の狭い思いをするのは友愛。
そんな横暴を繰り返しているのに王宮の半数以上の人は友愛の存在を受け入れ、聖女として祭り上げている。
先日の王宮で開いたお茶会の件に関しても、聴取すべく公女様を召喚した。
私も行ったほうがいいのかな。関節的には関わっているわけだし。
「呼ばれても行かなくていいと思います」
侍女らしからぬ発言。色んなことに疲れてため息をついた。
カイザー様には振り回されっぱなし。そういう態度を取りたくなるのもわかる。
ラヴィは無理に関わろうとしなくていいと言ってくれてた。
私が受けてきた扱いを考えれば妥当。
今でも私から聖女の肩書きを奪おうと奮闘しているらしい。そんなに欲しいならあげるのに。私は別に聖女じゃなくてもいいし。
「失礼致しますコトネ様。少しお時間よろしいでしょうか」
野太い声。返事をするよりも先にキースが扉を開けてしまった。
「お初にお目にかかります」
胸に手を当て一礼。騎士……だろうね。きっと。
「先触れもなく訪ねた無礼をお許し下さい。わたくしはアーサー・リブロと申します」
リブロ?キースと同じ名前。
キースは彼の養子となったのか。王位継承権を捨てても第二王子であることに変わりはない。
最も信頼のおける人に任せたい親心。
いや、もしかしたら養子にさえ出していないのかも。
カイザー様がダメだったら跡継ぎがいなくなる。
普通は余程のことがない限り、王位継承を奪われるなんてありえない。
「確認ですがコトネ様は王宮には近づいておりませんね?」
「はい?」
意味がわからず聞き返すと、一言一句同じ言葉を発した。
あぁ。そういうこと。
王宮にいる友愛に私が嫌がらせをしていないという証言を取りたいのね。
騎士団長の証言ほど信用出来るものはない。
だから私はハッキリと伝えた。
私を家畜以下の存在にしか見ないカイザー様が住む王宮なんかに行きたいと思ったことは一度もないと。
アーサー様はニヤリと笑った。悪い顔。この人も何か企んでる。
捉えようによっては私を利用しているのにシェイドが反発しないのは私のため……だから?




