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清貧な街クリナ そして最後の街①

 次に2人が訪れたのは、クリナという街だった。


 そしてこの街が、2人が訪れた最後の街となった。


 クリナの街は一見すると、とても貧しい街だった。人々は痩せ細り、身なりもみすぼらしいものだ。


 しかしその反面、皆幸せそうな笑みを浮かべており、2人のことをとても歓迎してくれた。


 クリナの村の教会はこれまで見てきたどの教会より質素なものだったが、信者の手により隅々まで綺麗に清められていた。2人が訪れたその日も、何人かの村人が熱心に祈りを捧げていた。


「この地は何て素晴らしいことでしょう」


 マリはその姿を見て、ほぅとため息をつくようにして言った。


「きっとこの地なら」


 ウィルはマリが小さな声でそうつぶやいたのを聞いた気がした。



 案内された宿屋の食事は、教則に基づいた肉が少なく質素なもので、ウィルとしては物足りないものではあった。しかし嬉しそうな笑顔で食べるマリを見ていると自分まで幸せな気持ちになるようで、2人は満ち足りた気持ちで食事を終えた。


「ウィル、おやすみなさい」

 マリはそう言うと、間もなく苦しむことのない静かな寝息が聞こえてきた。


 今日は幸せな夢が見れそうだ。


 すべてが満ち足りていて、この世に足りないものなど何もない。そう思えた夜だった。

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