好きなものを書こうよ、という話
突然ですが作者の皆様に問います。
皆さんは、自分の好きなものを小説にしていますか?
ランキング上位に位置する異世界転生もの……
いいですよね、異世界!
だって辛い現実とはオサラバして、あっちで夢叶えちゃってるんだもん!
ハーレムに俺tueee最高!!
うんうん、作者ならきっと皆さんそう思って書いているに違いないよね!
書いていて楽しいものを書いているはずよね。
pv、pt、ブクマ……
数字とにらめっこして、戦術を練って書いてるんだものね。
あれ?pv落ちて来た!と思ったら、テコ入れにイチャラブ要素を投入して……
また上がったら喜んで。
解析ページを十分おきにチェックして、
ブクマはがれたら血眼で改善点探して、
話の筋を見直して、あらすじも変えちゃおうかなー?なんて。
筋書き変えたら、あれ?やっぱ駄目かぁ
なぜだ?感想欄が荒れて来たぞ……
どうやって完結させよう?
風呂敷随分広げたなぁ、畳むのどうしよう。
つじつま合わせに手間取るなぁ。
毎日更新は無理……
毎週……
毎月……
かゆ
うま
こうなるのが一番辛いですよね……
私も作者側なので、身につまされます、皆さん上記のいずれかの段階に、一度は躓いた経験がおありかと思います。
そこで、もう一度問います。
皆さん本当に、好きなものを小説にしていますか?
幸いながら、私は今のところ大好きなものを小説で書いています。
好きなものを書いているだけでは、pvもptもブクマも余り取れません。
でも好きなものを書いているという理由だけで、これらの数値が気にならなくなるのは事実です。
好きな物語を共有する人数は、案外小さくても平気です。
絶対なろうで成功して、書籍化作家になる!という固い決意のある方々は別として、
もしこれらの数値に振り回され、非常に辛い思いをしている作者がいたら、もう一度振り返って欲しいのです。
本当に好きなものを書いていますか?
あなたの作品を必要としているのは、本当はあなた自身ではないですか?
誰のためにでもない、あなた自身を幸せにする小説を書いていますか?
あなたはその小説を読み返した時、幸せな気持ちになっていますか?
読者は楽しい話を欲しているとは思いますが、読者のためだけに小説があるのではない、と私は思います。
作者自身のために書いた作品があってもいいと思います。
是非、楽しんで書いて下さいね。
他ならぬ貴方のために。
以上です、読んで下さってありがとう。
ネットを見ていたら、小説を見てもらおうとかなり苦しんでいる方々がいるのだと知り、ちょっとひとりごと。
私などは作者が好きなものを書いたような作品が好きです。気負ったものより、少し作家の肩の力が抜けているような、内緒話や宝物を書いたようなもの。宮崎駿作品では紅の豚なんかが好きです。