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瞳の花火〈アイズガーデン〉  作者: 清菜海 のり
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第4章 旅立つために

爽やかな朝。

パンに目玉焼き、ソーセージにサラダ、そして自家製の果実のジュース。

素晴らしい朝食の中、ただ1人左腕でお腹をさすっている人物がいた・・・


「ハハッ、そんなに効いたか少年よ。」


当の本人は、パンをちぎりながら爽やかに笑っている。

永久は辺りを見回すが他に優しく腹をさすっているものなどはいない。


「なんだよ・・・みんな揃って早起き集団かよ・・・」


などと永久は言っているが別に遅い訳では無い。

6時30分~7時の間に毎日起きているのだ。


「私は毎日父と走り込みをしているので5時に起きています。」


とガルデ。


「私は5時に起きましたよ。お祈りがあったので・・・」


と教会を思い出しながらほっこりしているマリア。


「私は、学校あったから6時ね!」


朝から元気なシャル。


「私達も6時だったわね~フーちゃん♪」


「そうですね。〘精霊〙も生身なのである程度の睡眠が必要ですから。」


と一緒に寝ていた、フルーレティとレイジー。


「俺っチも半精霊みたいナもんだかラ、そんな二ねナいんだよネー。ヒマだかラ最近、本読んでルんだヨ。」


と意外な発言キメラ。


「無論私は5時起きだぞ。鋼の盾は訓練生時代は5時起きだったから癖でな。」


と優雅にコーヒーを飲んでいるエルダ。


ちなみに勝義とガデアは朝4時から釣りに出かけたらしい・・・


(くそぉ!俺よりみんな早起きじゃねーか!)


そして優雅に朝が過ぎてゆく・・・お腹をさする1人を除いて・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おぉーおお!!」


シャルはキラキラした目で嬉しそうな声をあげる。

その理由は鋼の盾の軍服。黒色のシックな制服だ。


「君たちには、これからその軍服を着てもらう。」


エルダは腰に手を組みながら話している。


軍服と言っても正式な場以外ではほぼ使われないらしい。(戦闘時は鎧や魔力を高めるための服装をしているため。)だが、防弾・防炎・防魔とすごく優秀な作りになっている。


軍服を着ているのは永久・マリア・フルーレティ・ガルデ・シャル・キメラの6人だ。

レイジーは朝食をとった後、自分の店の部下達に引きずられながら仕事へ戦いに行ってしまった。


「で?これから何するんだ?隊長達と戦えるのか!」


手袋を引っ張りつつ永久はエルダに質問する。


「しょっと。」


エルダの軽い気合いを込めた言葉とは裏腹に、永久の脳天に風を切るチョップがはなたれる。


「ヴァァァ!!」


頭を抑えながら転げ回る永久。


「今から教えることは生きていくための最低限の知識・戦闘技術。そして礼儀だ。」


永久を見下ろすエルダからは禍々しいオーラが放たれている。


「ほら!さっさと立て!まず朝は知識!!勉学に励むぞ!!」


気合十分なエルダは授業の行われる場所まで案内するのだった。が・・・


「こちらが授業をして下さる先生。ドワーフのドゥリンさんだ。普段は魔法部隊の1隊を率いている。」


「ドゥリンじゃ、よろしくの。」


すごーく先生っぽいドワーフのおじーさんがで出来てみんなびっくり。


「エルダさんが授業をするのではないのですか・・・?」


ガルデがエルダに、質問をする。

するとエルダがすこし顔を赤らめ、頬をかきながら、


「いや、あれだぞ?私も教えたかったのだが・・・くっ、訓練があってだな?いや、ホントに残念だ・・・」


「そうなのですか・・・」


ガルデはわかっていないようだ・・・すごく残念そうにしている。


「ほっほっほ。大丈夫じゃよ。団長さんの分もわしがしっかりと教えますから。」


ドゥリンはとても落ち着いた人のようだ。


「では、これから訓練があるのでな!後はよろしく頼む!ドゥリンさん!」


エルダは案内が終わると、そそくさと退場して行った。


授業が行われる場所は、100人ほどが入り、黒板に向けて段差のある作りになっている。


「ほっほっほ。それでは始めるかの。ほれ、座っておくれ。」


そして6人は前の席に座る。


「ほ~れ♪」


ドゥリンが杖を振るとノートとペンが教卓の隣に置いてあった箱から机へと飛んできた。


「では、精霊や鬼の種族おるようだし、種族の話からしていくかの。」


そしてほのぼのおじいさんとの授業が始まるのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「へぇー海に住んでる種族もいるんだー。」


シャルはキラキラと目を輝かせている。


「ほれ!そこ!しっかりするのじゃ!」


寝ぼけていた永久にドゥリンの杖から白く光る光体が、額に飛んできた。


「うぉぁ!結構いてぇ!!」


永久の額はヒリヒリと赤く腫れている。


「あまりおぬしにはいらぬ知識かもしれぬが、いつか役に立つ時がこようぞ。そのために知識を蓄えよ。」


ふぉっふぉっと笑うドゥリン。

そのままほのぼのと授業は進んでいくのだった。


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