第2章 出会い
「禊の旅ってあの100年に1度あるやつだよな・・・」
「そうだよ。」
ロキは永久に話す。
「君は巫女を守るためのボディーガードになったってわけさ。これから仲間と一緒に半年間だけ勉強と戦闘の訓練を受けて、更に3ヶ月隣のブリテンで修行してもらうことになってる。」
「でも、俺なんかでいいのか?もっと強いやつらは沢山いるじゃないか?」
「のんのん、永久君。巫女の仲間は僕達が決めるんじゃなくて、さっきから肩に乗ってる〘精霊 フェニクス〙が決めることなんだよね〜僕も旅が始まる前からアクリシオになる前の国にいたけど多分巫女にとってプラスしかならない人を選んでるんだと思うよ。たぶん成長という面だけだけどね。」
永久が肩に乗ってる小鳥に顔を向ける。
そしてロキに顔を向けなおす。
「それじゃ・・・」
「そうそう!本とかにもなってるだろ?そんな感じで世界の半分を守り・維持してる聖石を訪れる感じなんだよね!」
「それって、船とか使ったらいけないのか?そっちの方が楽に出来ると思うけど・・・」
「これが残念なんだな。巫女は前の巫女が創った障壁を塗り替える形を取らないといけないから、それ相応の精神力だったり、体力を付けないといけないってわけ。そのための勉強。そのための修行なんだよね。」
ロキと永久が質問と応答を繰り返していると、勝義がパンと永久の頭を叩いた。
「心配せんで、さっといってさっと帰ってくればええじゃろ。」
フルーレティの肩をさすっているレイジーもうんうんとうなずいていた。
「そんな簡単に言わなくても・・・」
結構な威力だったようで頭をさすっている永久。
すると、猛スピードでこちらに向かってきている人影が3つ。
「新手か!?」
勝義が構える。
が、
「大丈夫だよ。」
ロキが笑っている。
するとロキの前で3つの人影か止まる。
「申し訳ございません。大臣。」
冷静な態度で褐色の女性が膝を付き返答を待っている。頭には狐のような耳が獣人族なのだろう。それにかなりの軽装である。見ようによっては盗賊にしか見えない。
「絶対思ってないでしょ〜」
「そんなことはないと思いますぞ!大臣。」
「私もそう思います。」
「いやいや、ありがとう。ガルディエーヌ、ガデア。」
後ろの鎧を着た男性二人に感謝の念を伝える。
後ろの男性達は親子だろうか。
ガルディエーヌと呼ばれた若い方は高身長で見慣れないガントレットを身につけている。
ガデアと呼ばれた40〜50代ぐらいぐらいの男性はかなり大きな盾を背中に背負っていた。
永久が3人をマジマジと見ているとロキが
「そうだね。勝義さんやレイジーは知ってるけど永久君はあまり知らないかな?フルーレティに言わずもがなだね。
一番前の女性は我らがアクシリオの最高軍事力〘鋼の盾〙の〘隊長 エルダ〙だ。」
「よろしく頼む。」
エルダと呼ばれた女性は永久の手を取り握手をする。
「君の話は君のおじいさんから聞いているよ。何を隠そう鋼の盾に入隊したのは隊長・・・勝義さんのおかげなんだ。こんななりなのはスラムの出だからだ。これはこれで戦闘の時には使い勝手が良くてな。」
めちゃくちゃおじいちゃんが凄いということをこの数日で知りかなり動揺している永久。
その同様をよそにロキは紹介を続ける。
「次は〘副隊長 ガデア・シュッツァー〙だ。」
「これから色々あると思うが、よろしく頼むぞ。」
ガデアと呼ばれた男性はかなり筋肉質でどっしりとしている。
「息子をよろしく頼むぞ。」
「?」
意味が分からない話をする人だなと思っていた永久だがどうやら違うらしい。
「最後に君の仲間になる巫女の護衛の〘ガルディエーヌ・シュッツァー〙だ。」
「一緒に旅が出来てうれしいよ。皆で世界を守ろう。名前が長いからガルデと読んでくれて構わない。よろしく。」
最後の礼儀正しい高身長の青年は一緒に巫女を守る仲間だったのだ。