第1章 変わらないはずのセカイ 9
そして3人は階段を下り終わりー
「へー研究所ってこんな暗いんだな。」
永久は研究所に興味津々のよう
その姿を見てレイジーが話始める。
「研究所が暗いのにも意味があるんですよ!〘精霊〙はゴイを生み出すために〘精霊石〙という特殊な宝石を使ってマナをゴイに変換します。ですが、その〘精霊石〙を使う際にマナを大量に供給出来てしまう太陽や月の光を遮るために地下に作られ、ギリギリの照明で研究をしていたんです!」
「なんでその〘精霊石〙にマナが当たっちゃダメなんだ?」
永久が不思議そうにレイジーに質問をした。
「当たってはダメ!という訳では無いんですけど、〘精霊石〙はマナを吸収して貯めることが出来る宝石なんです。なんですけど、単体では限界まで吸収し続けて限界が来るとその分のマナが爆発しちゃうんですよ!〘精霊〙の【C】から使われている〘精霊石〙はアクリシオの半分近くは吹っ飛んじゃうくらい危険なんですからね!」
「いや!まて!今から起こす〘精霊〙って確か【B】だったよな!大丈夫なの!?」
「そこは大丈夫だよ。」
勝義が話し始める。
「〘妖精〙ってのは〘精霊石〙をコントロールできるように造られてるからな。まぁ、わりかし大丈夫よ。」
「いや!そんなにゆるい感じて言われても!」
そうこう話しているうちに青く光る液体の入った筒の様な者が見えてきた。
「見てください。あれが今回の〘精霊〙ですよ。」
永久も〘精霊〙は何回か見てきた。でもなぜこんなにただただ人にしか見えない〘精霊〙が生体兵器だなんて、天使と悪魔を倒すために生まれた凶器だなんて今でも思えなかった。
精霊〘フルーレティ〙は女性の様な見た目をしていて水色を基調とした大人しそうな姿だった。
すると、レイジーが隣の機械をいじり始める。
「じゃ、解凍しますね〜♪」
「おい!さっき少しは冷静にと!」
勝義がなだめようとするが遅かった。
あのアナウンスが聞こえてくる
精霊【B】〘フルーレティ〙解凍します・・・
筒状の容器から液体が抜かれ、ガラスが下へと下がってゆく。
そして、〘精霊〙は目を覚ました。
ゆっくりと腰を上げ、1番前にいた永久を見る。
そして、口を開いた。
「整体機能正常。ですが、プラント自体にバグのようなものが生じ、マスター登録がしっかりと確立していません。そのため、あなたをマスターとします。名前は?」
「え、えっと永久です・・・」
「わかりました。永久様ですね。マスター登録完了しました。」
「「「え?」」」
あまりにも唐突そして無駄の無い会話に翻弄されているが、この時、マスターにならねばなならないレイジーではなく永久がマスターになってしまった事を最後の最後に気づいた3人であった。