あとがき
ネタバレ含みます。
全話読んでない方は、最後に目を通してください。
わたしの中で人生で完結した二つ目の話です。
小学生のときに描いた漫画以来の作品となります。
そのため、ほぼ処女作品ともいえるものなので、未熟な文章となってると思います。
しかも、現代と過去を行ったり来たるしているので読んでてわかりにくい点もかるかもしれません。
あとがきということでこのページを設けましたが、ここまで呼んでくれるもの好きはどれくらいいるかな、という好奇心半分で書いております。
案外どうでもいいこだわりや、一話ごとの裏話(?)をつづります。徒然なるままに…。
【全体】
初めのきっかけとしては、ミステリーを書いてみたい!でした。
最終的にミステリーとは程遠い雰囲気になってしまいましたが、鈴が菜々花を突き落としたシーンはその名残です。
ジャンルをミステリーとするかファンタジー(恋愛)とするか大いに悩みながら…ヒューマン小説で落ち着いています。
(恋愛だとネタバレだからね)
続編を書くことがあれば絶対に恋愛話にしたいと思っています。
東京の大学に行く梓とモデルの菜々花うとのラブコメ的な……。すみれと鈴、朔良と蘭などの他のカップルも絡ませたいな。
『プロローグ』
この中では、過去・現在・未来すべてが詰まっています。
しーちゃんと出会った過去と、東京からシズミヤ市に着いた現在、そして梓が星に願う未来です。
その後の春祭りも一日一日が過去現在未来をテーマにして開催されます。
『第1章 存在しない人』
お祭りの一日目の章です。杏子ちゃんが手紙に残してくれていたように、過去がテーマです。
蘭たちがタイムカプセルを掘り出したように、菜々花の町での古い記憶が呼び起こされます。
しーちゃんのことは誰も知りませんでしたが、鈴が消えた同級生のことを覚えていて、菜々花を桜の木まで案内することができたのは、母が元巫女であったためです。
そのことは次に解説します。
この日は4月6日としていますが、8年前(菜々花がしーちゃんと出会ったとき)は一日ずれます。
『第2章 シズミヤ市の春祭り』
章題を春祭りにしたのは、この二日目が本来の一日目であることを示したかったからです。だからなんだというわけではないですが、これもこだわりです。
二日目のテーマは現在です。過去に植えた種が実る喜びを巫女の舞いによって表現します。
蘭と鈴の母の話では、かつての巫女が修行などをして挑んだとありましたが、そういうことをしなくても、神事にかかわり続けていくと、修行と同じような内面的な成果があるんじゃないかと考えてます。
巫女の母の血筋の双子はそれぞれが不思議な力を持っています。蘭は幽霊が見えたり、鈴はみんなが忘れた記憶を持ち続けていたり……。『町の本屋』で蘭が「毎年お祭りになると現れる」と言ったのはしーちゃんの生霊(記憶)です。その姿は菜々花と梓と蘭にしか見えません。
『第3章 あなたの願いが叶いますように』
歌のタイトルにあったような題名ですね。お祭り三日目。未来をテーマにした音楽祭です。
菜々花にとっては、希望を失くした悲しい別れの日となります。
希望を求めて森に入れば、衝撃の事実と出会いますが、それもやはり彼女にとっては絶望的な真実です。
わがままで甘やかされて育ったすみれの自暴自棄加減はどうだったでしょうかね…。彼女なりの後悔があったということは伝わったでしょうか。
菜々花の許しで救われたのかは想像にお任せします。
『最終章 星つかみの桜で』
二人の約束は、また会うことと、菜々花が灯篭流しでしーちゃんのための願い事をすることでした。
灯篭流しは終わってしまいましたが、本来の祭りの三日目の日付がこの日でした。そして菜々花は事件の後のことを知ります。絶望が希望に代わった瞬間です。
【登場人物】
みんな春の花の名前です。時期も春です。とくに意味もなくこだわりです。
そして、基本みなさん美形です。これは作者の好みです。
8年前、梓はシズミヤ市に引っ越したばかりで友達もいませんでした。女っぽいと言われたのは、すみれがその容姿と名前をからかったのでしょう。
一度しか登場していない学校の先生(朔良父)は、しーちゃんの存在を全否定する存在です。事件には関わっていません。
駐在のおじさんは、反対に事件があったことを証明するための人物です。
そして妖精のおじさんは、しーちゃんが生きていたことを告げる存在です。
三人のおじさんはみんな重要なキーパーソンです。
作者は脇役のおじさん系が好きです。
『最後に……』
誰もが、誰かに必要とされています。
存在が死んでも、誰かの中に存在は生き続けます。
菜々花がしーちゃんに慰められたように、しーちゃんも菜々花に自分の価値を見出したように、出会いの中にはそう言う存在はいるんだと思います。
ここまで、読んでくれてありがとうございました。
きっと、別な作品でまた会いましょう。