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星つかみの桜は知っている  作者: 北乃蜂
最終章 星つかみの桜で
15/16

1年後
















一年後、わたしは杏子ちゃんお手製の藍色の桜模様の着物を着て桜の木に佇んでいた。

そして、公園の方から近づいてくる人影に笑顔を作る。しかし、相手はジロリとわたしをにらんだ。


「あれ?なんで?機嫌悪いの?」

「自覚ないのか。本気で一年ぶりとか、祭りでしかおれに会いたくないのかよ」

「そんなことないって!受験生の梓を気遣ってたの。わたしがいても邪魔じゃない」

「いや、それは…」

「否定するならはっきり言ってよ。どっちよ」

「どーせ、菜々だってあれだろ。仕事邪魔されたくなかったんだろ」

「いやいや、確かにドラマ出演決まって、事務所もゴシップ敏感にはなってるけど、別に仕事どーのは関係ないよ」

「はっ!随分偉くなったもんだな!」

「梓、感じ悪すぎ。せっかく久しぶりなのに」

「確かにな。悪い」


仕事とわたし、どっちが大事なの!?ってなりそうな雰囲気が一瞬にして消えた。

切り替えの早さから、彼なりの戯れだったのだとか気づいた。


今年はすでに桜は満開になっていて、わたしの着物と同じ花びらが地面に落ちて行く。







「そうだ、いい忘れてた。合格おめでとう」

「おう、来週からおれも都会人だ」










―― ほら、言ったでしょ?ちゃんと、あえたよ


―― これからは、一緒だね






9年の歳月を、星つかみの桜だけが知っていた。












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