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幻想歴史読本 ~ファンタジーを考える~  作者: 走るツクネ
おまけ 主にファンタジーに関わる話
34/84

言語について 

 この章ではファンタジーに強くかかわる話を投稿していきたいと思います。

 文字を使って表現する以上、言語の問題は非常に大きく関わってきます

(追記)第50話から移動しました。

 異世界転生したり、世界中を旅する主人公は、大抵言語に悩みます。


 後者であれば世界共通語を設定することで、なんとか言語に関する問題を解決することはできますが、そのような手を使っても、まだ多くの突っ込みがはいることがあります。


 言葉が通じるのかどうか、方言をどのように処理するのかという事に加え、カタカナ語の処理や、日本語的な慣用句をどうするのか、という問題まで様々です。


 最後の二つのことへの解決策、武装方法としては、翻訳物を参考にするという手があるでしょう。


 数々の翻訳物が我々の身の回りにはあります。翻訳物は我々にとっては異世界言語を扱っているようなものです。

 結局、日本語を使っていないファンタジー世界は、異世界の言語をすべて和訳しているというスタンスをとるわけで、翻訳物と同等考えていいでしょう。


 翻訳物での方言や和製英語の扱われ方としては、読んでいる限りではなにか特別な制約や縛りがあるわけではない、として良いように思われます。

 日本人にわかりやすいように適切な言葉を使って書くのであって、もし仮にその言語特有の言い回しがある場合は訳注が書いてあるにとどまるでしょう。


 また、英語はともかく、ドイツ語については慣用句や言葉の作り方が日本語と似通う点があるように見えます。あいにく言語に詳しい友達がいないのでわかりませんが、言語が形作られていくうえで、ある程度の共通点が生まれると考えても良いでしょう。


 これらのことから、カタカナ語や慣用句については許されるべきではないかと思います。ただ四字熟語などは、言いたいことを短縮してうまいことまとめる技術ですので、もし必要ないなら使わないことができます。



 言語は民族の成果であるので、形勢されてから間もない社会では、語彙数自体が乏しいでしょう。

 そこをどう処理するのか、という点はもうわかりません。もはや不可能ではないかとも思います。

 例えば喋り言葉が古文的な言い回しだと、うっとうしくてしょうがないでしょう。社会や歴史、などという言葉が中世にあったのかどうかは定かではありません。


 これらのことを忠実にしようとするなら、こういった話が始まってしまいます。

 たまにカタカナ語等に突っ込みが入り、書き手が苦しむ時がありますが、言語について突っ込むということは不毛なのです。

 なぜカタカナ語に突っ込んで、文化レベル的になかったであろう単語等に突っ込まないのか、という話でもあります。


 また、単語に対する印象、というのも言語ごとに関わります。例えば魔法という言葉ですが、英語で辞書を引くと良いイメージが出てきます。日本語でも、まるで魔法のようだ、というと奇跡だとか幻想的だとか、割とポジティブなイメージがあります。


 しかしドイツ語の辞書を引いてみると、口語の欄に馬鹿騒ぎやがらくた、くだらないもの、というふうに出てきます。

 どういった歴史の経緯――例えばケルト神話とキリスト教のいがみ合いがそれっぽいとは思います――からこのような意味が付与されたのかは全く分かりませんが、民族によってはこのように異なる意味合いを持つ可能性もあるのです。

 もう処理しきれる話ではありません。


 言語に関する問題は、それ自体が深く物語に関わってこない限り、触らないほうが良いでしょう。



 これらについて考えていくと、魔法の名称についても困難が見えます。


 例えば炎の玉と書くのか、ファイアーボールと書くのか微妙なところでしょう。


 叫ぶには英語が語呂もいいし分かりやすいし調べやすいので妥当なところでしょう。

 カッコよさ的にはドイツ語が採用されることも多々あります。

 突っ込みどころを回避するのは日本語のみで書くのが適しているようにも思えます。


 オリジナル言語を固有名詞として使うのが、おそらく一番理にかなった手でしょう。

 書くほうも読むほうもめんどくさくなってしまいますが、ドラゴンクエストのようにいくつか用意して、あとは描写で火の玉だとか、さらに勢いをまして燃え盛っただとか補えば解決するのでしょう。


 それらは単に作品の雰囲気の問題だとは思いますが、言語に対する問題を見始めると、ここにも影響が出てしまいます。


 言語ですから、おそらく魔法の成り立ちと密接なかかわりがあるはずで、設定や世界観と連動して考える必要が出てきます。

 そうすると、"神の言葉"ということでオリジナル言語を出すか、"和訳してある"ということで日本語を採用するのか妥当かと思います。



 このように言語に関する問題は、多角的に見る必要があります。ある程度は、"分かりやすいようにしてある"ということで、書き手も読み手も納得しなければ、話は進まないでしょう。


 同じように度量衡や名前にも問題が出てきていますが、言語は民族に深くかかわっています。こだわり始めるととんでもないスケールになる可能性があるので、最終的にはオリジナルと日本語を使って回避するしかないでしょう。

 始めは如何にして異世界転生した主人公が喋り始めるのか、ということを書こうかと思いましたが、結局どうしようもなかったのでこうなりました。しかし結論はどうしようもない、ということになってしまいました。

 度量衡については尺貫法がいいのではないかとぼんやり思っています。身近なものから発生しているから異世界でも可能性がある、横文字ではないので和訳したというスタンスでも大丈夫、ヤードポンド法よりかは読み手がイメージしやすいかもしれない、という利点があるように思えます。実際のところどれほど雰囲気を壊すかは分かりませんが。

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