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ディーヴァ召喚何かありますか?

「で、どうするか、だ」

「お兄ちゃんのフレンド登録の中にいないの?」

「俺とお前の決闘のタイミングで消えた。SSOのフレンドシステムは相互になるからな、片方が消せば両方から消える」


お兄ちゃんの言葉にやれやれと思いつつ掲示板を眺めていると


「このシンってのは?」

「え? サインじゃないの?」

「英語と数学の間で揺れ動くな」


レヴィとマモンにアスモが突っ込む。

今はブブとベル、ルシファーとセブンスドラゴニックライオネルソードが情報収集に出ている。


「レヴィとマモンは働きなよ」

「はいはい」

「そうねー」


バイトの2人に接客をさせていると


「アリアさん、いますか?」

「んー? エレナ?」

「お久しぶり、アリア。ちょっと2人っきりで話したいんだけど」

「百合か」

「百合ね」

「違うよ⁉︎」


2人におちょくられているのでエレナの腰のベルトを掴んで奥の部屋に。そのまま鍛治用の部屋に入って


「座りなよ」


椅子を勧める。すると一瞬躊躇ってエレナは慎ましく腰掛けた。淑女力15くらいありそう。


「でも高いのかな?」

「何が?」

「こっちの話……で、どうしたのさ。まさか装備の新調とかじゃないよね?」


疑うような視線を向けてみれば真剣な表情。エレナは可愛い系よりは綺麗系だ。ちなみに僕以上アジアン未満。何がとは言わないし言いたくない。


「……あの掲示板の、見た?」

「……どれさ」

「アリアのとこのメンバーの《死神》が《幻影面》ってやつ」


舌打ち。広まっているみたいだ。


「本当みたいね」

「……一応ね」

「確認だけどさ、アリアはそれを知ってたの? 知らなかったの?」


知らなかったと言えば多分僕を批難する人は減るだろう。だけど


「知っていたよ」


そんな些細な理由でみんなを裏切りたくない。


*****


「《聖堂騎士団テンプルナイツ》の団長直々に聞きに来たのか」

「うん。それと注意も」

「ん?」

「他のギルドはともかく《聖堂騎士団》の中でも僕たちを批難する声はあるんだって」

「……」

「血の気の多いプレイヤーが襲撃するかもってさ」

「なるほどな……」


魔王は困ったように笑って


「返り討ちにしても単調だよな」

「んー?」

「一旦敗走して釣るか」

「また釣り?」

「楽だからな」

「アレ出かけられないし詰まんないんだけど」


僕の言葉に苦笑する魔王。そして


「ジャックはどうしている?」

「えーっと……多分ギルドホームにいるかな」


フレンドの欄から確認してもそうだ。ギルドホームにいる。何階にいるかは分からないけどね。


「アリアー! 鍛冶屋としての仕事ー!」

「はーい」

「何も無いとは思うが気をつけろよ」

「はいはい」

「はいは一回だ」

「はーい」


親子のようなやり取りをして階段を降りる。そのままカウンターの方に行く。


「んー、ガイア。来て」


名前が書かれた紙を眺めて一番上から消化する事にした。


「《夜明けへの道》の強化? それとも新しくの?」

「いざという時に備えて2本目を作って欲しい」

「ん、分かったけど素材とか強化で差が大きいよ?」

「承知の上だ」


ガイアはクールに言い切って僕の手元の作業を眺める。


「……」

「……あの《死神》ってプレイヤーが《幻影面》ってのは本当なのか?」

「……唐突だね」


ため息が出る。どこまで広まっているんだ。


「《勇者達ブレイバーズ》の中でも広まっているの?」

「ああ」

「ったく《シリアルキラーズ》も厄介な事をしたなぁ」


ため息を吐きながら2本目の《夜明けへの道》を完成させる。


「それが理由で襲撃して来たって返り討ちにあうだけだからってスカイに伝えといてよ」

「……血の気の多い奴を向かわせてそれを眺めてバカ笑いしても良いな」

「良くない……ってかそっちのギルドは仲悪いの?」

「人数が多いんだ。無理もない」


人数が多いと大変だというのを改めて知った。


*****


「ただいまー」

「お帰り」

「ブブ、みんなは?」

「ん。マモンとレヴィはどこかで将棋を指していたな。ベルとアスモ、サタルシはまだインしていないようだ」

「魔王とジャックとシエルとセプトとシェリ姉は?」

「魔王とジャックはどこかでチェスをしている。シエルたちはのんびりしているんじゃないか?」

「ほいほい」


一階のリビングで新聞のような何かを眺めているブブ。それは解読したらアイテムが手に入るという《神秘の文字》だ。たくさん存在し、全てが違う解読法がある。


「ブブはそういうの好きだね」

「まぁな」

「いつ襲撃が来るか分かんないから気をつけなよ?」

「相手が100以下なら問題無い」


ブブの言葉は慢心でも高慢でも無い。100人と同時にやりあって勝った事が数度あるのだから。もっとも実力は中途半端な奴ばっかりだったけど。


「ダイナミック王手!」

「甘い、トリプルアクセル回避」

「なに⁉︎」

「そして飛車が龍に!」

「なんだと⁉︎」

「スタイリッシュ王手!」


何のボードゲームをしているのか分からないマモンとレヴィをスルーしようかとしたら


「お、帰ったのか」

「シエル、何してるの?」

「ソリティア」

「ヴェーラー握ってないから負けるだと……」


セプトが首を落とし落ち込んでいる。ディーヴァ召喚何かありますか? をされたんだね。


「なら僕とやろうよ」

「良いぜ。何デッキ?」

「色々あるよー」


2人で向き合って


「「\(`д´)ゝデュエッ!」」

「満足同盟⁉︎」


先行でクエン酸を召喚した僕の勝ちだった。ドヤァ。


「アリアー、どこだー?」

「お兄ちゃん? どうしたの?」

「お前ってチェス指せるか?」

「うーん。分かんない」

「そうか。誰か指せるか?」

「少しならな」


セプトの言葉にお兄ちゃんは笑みを浮かべて


「なぬ!?」

「ふむ」

「げっ!?」

「チェック」

「ぬぬ!?」

「チェックメイト」


お兄ちゃんは負けた。あはは。


「マモン、チェックとチェックメイトってどう違うの?」

「んー、チェックはキングを守んないと負けるぜー、で、チェックメイトはどうすることも出来ないだろー、って感じ?」


なるほどね、と思った瞬間一階にいるブブからメッセージが届いた。『お客さんのお出ましだ』って。


「マモンとレヴィは守天閣の上から狙撃! アリアとセプト、シエルと俺は下で迎撃だ!」

「「「「「「了解!」」」」」」

「シェリルとベルも中階のベランダから!」

「おう!」

「はい!」


窓を開けて飛び降りる。驚きの声が聞こえたけど気にしない。そのまま勢いのままに地面に着地して背中の2本の剣を抜く。


「行くよ!」


地面を蹴って武器を構えたプレイヤーのお腹を蹴る。最近気に入った飛び蹴りだ。まだ着地が苦手だけどね。そのまま斬って


「来たぞ! 《狂人》だ!」

「え? 誰それ?」

「「「お前だ!」」」


僕!? 僕のどの辺りが狂っているのさ!


「あの多くのプレイヤーに即死を繰り返したプレイヤーだろうが!」

「あ、はい。ごめん」


一応頭も下げて謝ったので


「行くよ」


突撃して剣で切る。盾に受け止められる、と見せかけて盾を割ったぶっ飛ばす。


「あれ」


そう言えば


「君たち、誰?」

「今さらそれかよ!?」

タイトルにトラウマがある人は一体どれほどやら


作者が決闘者兼高校生なので遊戯王ネタはちょくちょく出てきます

これに関しては諦めてください

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