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三回戦だってばよ

「さて、残る人数は四人! 最初の計算ミスで全試合にシードと言っていましたが忘れてください」

「残るプレイヤーをもう一度紹介しましょう!」

「まずはみなさんご存知、《魔王の傘下》のギルドマスター、《魔王》ディアボロス!」

「1回戦は巧みなナイフ捌きであのセブンスドラゴニックライオネルソードを打ち破りましたね」

「まさかあのセブンスドラゴニックライオネルソードがあんな負け方をするとは思いませんでした」


観客席から「お前らセブンスドラゴニックライオネルソードって言いたいだけだろ⁉︎」と絶叫が聞こえましたが無視しよう。エミリアもレヴィさんもそうしてる。


「続けて《魔人》ベルフェゴール」

「魔法による物量押しで1回戦を突破。そして2回戦はまさかのシードです」

「ベルにしてみれば不本意でしょうねぇ」

「悔しいでしょうねぇ」


ベルさんが芝居がかった様子で一礼をするけどどうしてリングにいるの? 次の試合を間近で見たいの?


「3人目は《天弓》マモン!」

「その恐るべき超思考はセブンスドラゴニックライオネルソードの弟を打ち破ったジャックを一方的に叩きのめすほどです」

「あれには勝てる気がししないわぁ」


レヴィさんも素直にそう言う。ちなみにまた観客席から何か聞こえたけど無視。


「そして最後はあのセブンスドラゴニックライオネルソードを創った《最強》アリア!」


あ、アリアがリングの上に残っていたけどつんのめったみたい。転けそうになったのかな。


「凄まじい速度で相手を翻弄し、鍛え上げた剣で切り刻む姿は目で追えないほど!」

「《レグルスネメア》って切り札を一切使わないでここまで来たのねぇ」

「さて、四人の紹介が終わりましたので最後の試合相手を決定しましょう!」


*****


「どうして僕の説明までセブンスドラゴニックライオネルソードが出てくるのさ」

「あ、あはは……」


マモンも困ったように笑う。魔王とベルはため息で済ましていた。魔王の説明にもセブンスドラゴニックライオネルソードが関わっていたんだけどね。


「マモンとベルはセブンスドラゴニックライオネルソードが関係無くて良いなー」

「おい製作者」

「俺も普通に戦っただけなんだが……」

「その普通が武器破壊を狙う姑息作戦なんだよねー」


マモンの言葉に魔王は顔を逸らす。


「……よし、多分俺と魔王かアリアだな」


何かに結論を出したみたいなベル。


「どうして私はハブるの?」

「そ、それは……アレだ」


マモンに詰め寄られるベル。これでベルとマモンになったらどうするんだろう。魔王は倒すけど。


「ベールー?」


詰め寄られ、ステージの端まで追い詰められたベル。そして


『3回戦第一試合は!』

『《天弓》マモンとぉ』

『《魔王》ディアボロスですね』

『レヴィさん、この試合はどう見ます?』

『魔王の負けね』

『『え⁉︎』』

『私たちの中で最強はアリア、それは共通認識よぉ』

『で、でもそれで魔王が負けるなんて……ねぇ?』

『そのアリアと最後まで競ったのがマモン、最も狂っているのぉ』

「酷いなぁ」

「そ、そうだよな」

「ま、ベルかアリアちゃんと決勝かぁ」


マモンは弓の弦を弾く。


「2人は端っこで見ていてね」

「言われなくとも」

「もちろんだよ」

「はぁ……」


ため息を吐く魔王。それもそのはず、かつて針鼠になったのだから。


『それでは試合開始です!』

「《スローイング》!」

「んっと」


魔王の投擲したナイフを軽々と避けて矢をつがえる。直後、魔王が立っていた位置に矢が3本突き立つ。マモンの得意な動作中の攻撃だ。


「相変わらずタイミングが合わない!」

「うふふ、アリアちゃんみたいに避けてみる?」

「無理だな!」


ナイフが閃き、矢が散る。

マモンの矢も有限だ。一本一本単位でお金がかかる。それを補うためのパワーレベリング代行業をしているんだ。


「スキルを使わない方がPVPでは強いんだったな」

「私の場合はねぇ。アリアちゃんもそうだけどあの子は魅せるからねー」

「お前も魅せてくれても構わんぞ!」

「そう? だったら遠慮無くいくわよー」


矢がつがえられる。そして


「《スプレッドホーミングアロー》」


弓矢のスキルは特殊だ。矢に付与する、それだけのスキル。しかしマモンは限られた中で最高のパフォーマンスを披露する。

高速の矢は魔王を刺そうと追跡する。しかしそれは高速の斬撃を受け、地に落ちる。


「どーん♪」

「な」


なんだと、とでも言おうとしたのだろう。だけどその声は爆音に掻き消された。爆炎の中に姿を消す魔王。矢が爆発したんだ。


「まだまだいくよー」


毒に麻痺に暗闇に睡眠とバリエーションに飛んだ矢が爆炎を貫く。それがどんどんと魔王の体力を削る……あれ? 状態異常を引き起こせていない?


「ありゃりゃ、見切られちった」

「何となくお前ならこうするって予想できたからな!」


爆炎の中から人影が立ち上がる。そして


「あんにゃろう……」


ベルが歯をギリギリと鳴らしていた。


「全力を出すには程遠いわね!」

「手厳しいな!」


高速で駆け、息も吐かせずに矢が飛び続ける。上から、背後からと《幻影》を交えて魔王を射抜く。すでに矢の衝撃で動きが固定化され、ただ一方的に削られるだけとなっていた。


*****


「あんなのの後に俺かよ……」

「あはは、僕が相手だから良いじゃないか」

「ん?」

「僕が勝てばベルの危惧は必要無くなるからさ」


頭を掻くベル。そして


「俺も男だ。負けたくないな!」

『試合開始っ!』


実況席の言葉と同時に駆け出す。ベルの弾幕を張られると僕の勝ち目が減るから。


「やっぱそう来るよな! 《フレアウェーブ》! 512!」

「最初っから三桁か!」

「お前相手に手加減は出来ねぇ!」


観客席のシエルが膨れそうだ。

全力で駆け抜ける。範囲を纏めて攻撃する魔法だからって僕には関係ない。ああ、この程度じゃあ僕は止められない!


『アリアの速度がさらに加速した!?』

『もはやagi3桁じゃぁ見切れないんじゃないのぉ?』

『凄まじい速度で魔法を避け続けているんでしょうね……あ!? ベルフェゴールの体力がごりっと削られた!?』


一撃を入れられた。魔法使いだから防御力は低めだ。だけどベルのは思い切っている。防具に防御力を求めていない。


「《エレメンタルブラスト》! 9999!」

「あははははははは!」

『もはや笑い声と凄い魔法しか分かりませんが激戦です!』

『実況の人選ミスねぇ……これぇ』


笑いが漏れる。どんどん僕を狙う魔法が外れ、ステージのほぼ全域が魔法に飲み込まれた。

ベルの魔法は若干残る。一瞬で消えない分足場の確保が難しい。だったら


「一歩で決める!」

「やってみろよ!」


とんっ、とんっ、と移動する。直後、移動した足場の正面、ベルへと伸びる道が一瞬現われた。それを飲み込もうと魔法が再び迫る。


「行くよ!」

「宣言しなくても分かってるさ! 《エレメンタルテンペスト》!」


五属性の魔法が竜巻のように僕へと迫る。

竜巻はその中央に穴がある。もっとも逸れたらガリガリやられて巻き込まれてぽーいってなる。でも


「《エレメンタルテンペスト》の中央を抜けただとぉ!?」


喜びすらも感じるベルの叫びに頬を緩ませて


「《アークスラッシュ》!」

総合ポイント400を越えました

これはきっと読者の皆様から「おめでとう」的な感想が来るでしょう


書いてて思うけどマモンがチート過ぎる


最後の竜巻の中に飛び込んで行くシーンが某落第騎士の最終話っぽく思ったのは作者だけのはず

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