トーナメント3&4
「ねぇねぇ、マモン」
「どうしたの? アリアちゃん」
「この話を書いてる2015/12/23現在ね、作者には明日の予定が無いんだって」
「まさか……クリぼっち⁉︎」
「しかもあったとしても博多のゲーマーズに行ってリゼロとノゲの新刊を買うだけだよ」
「都会に行くのにそれだけなの⁉︎」
「クリスマスイヴにする事もそれだけなんだよねー」
「明日も続きが投稿されたらいよいよ切ないね」
『いやー、弾丸を切るというなんともロマンを魅せてくれましたね』
『カッコよかったですね』
『男顔負けね』
『すでに顔以外でも負けまくってますけどね』
実況席からはそんな声が聞こえる。とりあえず観客に対して手を振る。そのままレヴィにも振ろうとしたら
「はい、握手」
「むぅ」
「何かしようとしてたの?」
「手を振ろうって」
「目の前にいる人にする事じゃないわよ」
レヴィは苦笑して
「それじゃ私は頼りない実況席に行くわね」
「うん。応援しててね」
「ベルと一緒にね」
*****
「ここからは実況席に負けたレヴィアタンが加わるわぁ」
湧く観客席。驚く実況席。しかし
「ほらぁ、マッチングを決めるわよぉ」
「あ、はい」
「そいやっさ」
謎の気合の入れ方をしてエミリアが引いたのは
「《剣兄》サタンとぉ」
「んっ」
「《魔王》ディアボロスねぇ」
また湧く観客席。
「サタンと魔王はどちらも近接キャラ。長剣をナイフでどのように対処するかが気になるわねぇ」
セスタスよりも実況者らしい事を始めたようだ。
「つまり今回の試合では?」
「魔王の間合いに入る事をどれだけ阻めるか、によって勝敗が別れるわねぇ」
「なるほど、よく分かりました」
「マリア、試合開始の合図! もう二人とも準備終わったっぽい」
エミリアの言葉に頷いて
「レディィ、ファイッ! ってなんで僕⁉︎」
*****
「おお〜、凄いなぁ」
シード権を獲得しちゃったのでのーんびりしていたらすでに3回戦。最初の2人も次のアリアちゃんたちも凄かったけど
「映画でもあんなの見た事無いわよ」
ナイフが剣を弾き、手首を返して攻撃を仕掛ける。しかしそれは剣の柄に止められ、蹴りが放たれる。その足を蹴って距離を置く。
『魔王は僕らの中で最も最弱』
『あのね? 最もと最弱って日本語が変だよ?』
『え』
アリアちゃんの言葉を思い出す。何が最弱よ。強いじゃないの。
高速で動き、撹乱するように攻撃を仕掛ける魔王。あまり動かずに確実に防御して反撃を仕掛けるサタン。
『しかし魔王のナイフ、《スカーレット》にはとある特性があるそうですね』
『そうねぇ、あのナイフには金属装備の耐久をゴリゴリ削る特性があるわぁ』
『と、するとサタンがやや不利か?』
『そうでもないわぁ』
『と、言いますと?』
『サタンのあの剣、金属を使ってないのぉ。ちなみに名前は《七天龍獅子剣》、正気を疑うネーミングねぇ』
「五月蝿え!」
『実に厨二病的なネーミングですね』
「実況席は敵か⁉︎ 敵なのか⁉︎」
「いや、今は俺じゃないのか?」
「黙ってろ魔王!」
「……」
なんだか状況が目まぐるしく変化している。すると
「あークソ! レヴィ覚えてろよ!」
『何をぉ?』
「今はこっちに集中しろ」
「分かってる!」
長剣を両手で握り、高速の斬撃が放たれる。でもそれはおかしい。今までは片手長剣のスキルを使っていたのに。
『あの《七天龍獅子剣》はカーマインブラックスミスの新作にしてぇ、《二種類武器なのよぉ』
『……それは一体?』
『あの《七天龍獅子剣》の場合はぁ、片手長剣とぉ、両手長剣なのよぉ』
『あのセブンスドラゴニックライオネルソードにそんな特性が……』
『あのセブンスドラゴニックライオネルソードに……』
『あのセブンスドラゴニックライオネルソードに……』
「実況席は俺に恨みでもあるのか⁉︎ 連呼すんなよ!」
「「「「「「セブンスドラゴニックライオネルソード! セブンスドラゴニックライオネルソード!」」」」」」
「巫山戯んなぁぁぁ!」
「お、落ち着けよ。深呼吸しろ」
サタンが実況席と観客席から弄られてる。セブンスドラゴニックライオネルソード……ううん、私はちょっと苦手かな。《強い剣》で十分ね。
*****
結局メンタルに大ダメージを負ったサタンの攻撃は大雑把となり、的確に対処した魔王が勝った。
「勝因が酷すぎるよ……」
待機室のベッドの上でころころしながら呟く。レヴィの悪ノリが悪い。
「残り試合は三つ。セプトにシエルにルシファーにマモンにベルにお兄ちゃん……マモンとお兄ちゃんが勝ちそうだなぁ」
『続いての試合は《完璧防御セプトと!』
『《天弓》マモンねぇ』
『レヴィはこの試合をどう見ますか?』
『……私はセプトについてはあまり知らないわぁ』
『そうなんだ』
マリアの声が聞こえた。空気な2人だ。エミリアは無言だ。
『でも、マモンは強いわぁ』
*****
《完璧防御》、そう呼ばれ始めたのは《ヴォルケイノドラゴン》をソロで攻撃を全て防ぎ、カウンターだけでとどめを刺した辺りだ。
「……よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくー」
マモンは笑みを浮かべて弓を構える。矢はつがえていない。
『試合開始ぃぃ!』
『掛け声変わった⁉︎』
あいも変わらず実況席からはテンション高い会話が聞こえてくる。実況らしい実況を
聞いた覚えが無いな。
「まずは小手試しね」
マモンの指が弦に触れる。そして弦が引かれた瞬間、矢が現れた。
「っ!」
飛んで来た矢を正面から盾で防ぐ。ダメージは無い。
「目が良いねー」
「色々事情があってな」
「ふーん」
たん、たん、たん、と矢が盾を撃つ。ダメージは無い。
「今のは反応出来ないタイミングなんだけどなー」
「ギリギリだったがな」
近づこうにも隙が無い。さらに手加減されている。迂闊な行動をとれば撃ち抜かれる。
「うん、ちょっと実験してみよっと」
「む」
「止められるかな? 《幻影》」
増えた。そして矢が2本、タイミングをずらして放たれる。咄嗟に盾で受け止め……衝撃が無い。もう片方も。と、すると。風を切る音が聞こえた。振り向く。矢を受け止めた。
「よし、結果発表するね」
「……構わんが……」
「まずセプトの反応速度から考えてみるとデバイスの方も高性能ってだけじゃ足りないんだよね」
「……ふむ」
「だから個人用に作った、もしくは調節した《擬似深層接続者ってとこかな」
……分析が素晴らしいな。俺たちの部署に欲しいくらいだ。
「卒業後の進路は決まっているのか?」
「白織屋の看板娘」
「そうか」
決まっているのならそれで良い。
「続けるぞ」
「どぞどぞ」
続けざまに放たれる矢を避けて止めて前に出る。被弾する回数も増えるが大した問題じゃない。
「《パラライズアロー》!」
「ふっ」
「避けても危険だよ」
驚きが先に来た。体が動かない。放たれた矢は見当違いの方向に飛び、もう片方は避けた。
「ふふふ〜ん」
さらに矢が次々と放たれる。麻痺が解けた瞬間に動く。なのに真上から衝撃が。そしてダメージが。
『あれがマモンの脅威よぉ』
『予測撃ち……でもあんなに⁉︎』
『予測撃ちじゃないわぁ。マモンは全ての可能性から起こり得る可能性を狙うのぉ』
「もう、ネタバレは良くないよ」
『はいはい』
放たれる矢はいつしか同時に2本となっていた。それなのに
「それじゃ次は3本、頑張ってね♪」
「……無理だろ」
「諦める?」
「ふっ」
笑いが漏れた。諦めのとは違う。
「これからだ」
勝者マモン。
前書き書いてて心が折れた作者です
自虐って辛い
でもやめない
今回マモンがチート化しちゃった
頭が良くて計算が速いってだけなのにね
試合前「ルシファー、シエル、ジャック、ベル」
敗北「レヴィアタン、サタン、セプト、アスモデウス」
勝利「アリア、マモン、ディアボロス、ベルゼブブ」
シード「シェリル」
セブンスドラゴニックライオネルソード(強そう)




