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トーナメント 1&2

「ねぇ、アリアちゃん」

「どうしたのさ、シェリ姉」

「今日でこの小説、なんと!」

「なんと⁉︎」

「77回目を迎えました〜!」

「おお〜!」

「まぁ、内容は平常運転なんだけどね」

「え」

その噂はすぐに広まった。

今もなお噂になるレグルス戦にて活躍したプレイヤー集団の内輪揉めか、とも。しかし彼らを知る者はこう言った。

「どうせ大した理由じゃないんだろうな」と。そしてそれは真実だった。


*****


「レディースエーンジェントルメーン! ただいまよりギルド《魔王の傘下》メンバーによるトーナメントを開催します! 司会は私、セスタスと」

「何故僕なのか分からないマリアと」

「おまけのエミリアです」


実況席は3人、観客席はほぼ満員だ。


「現在、《魔王の傘下》メンバーは13人。これはトーナメントでいくと決勝以外での全試合で1人、シードを獲得する事が出来ます。さらに、シード権の獲得方法はじゃんけん、と実に分かりやすくなっています」


何故か湧く観客席。


「そして公式の賭けとプレイヤーによる賭けも大盛り上がりです。私はアリアに賭けますよ」

「実況席が特定のプレイヤーに肩入れして良いのかな?」

「ダメね」

「今の発言は編集で消しておきますね」


笑いが起きる観客席。普段のセスタスとは若干違うようだ。


「おお! ここでプレイヤーたちが出てきました。そして中央に集まりじゃんけんをするようです!」


この闘技場の特徴としてステージの様子を拡大して表示するモニターのような物がある事だ。そのおかげでここの闘技場は人気スポットだ。


「いやー、13人だとあいこが続きますね。それにしてもなんとなくシュールだ」


再び湧く観客席。アリアたちも笑っている。何人かは渋い顔をしているけど。


「おや、ここでようやく3人ずつに分かれてじゃんけんのようです。焦らしますねー」

「まったくね」

「誰がシード権を獲るかな?」

「実力が未知数の方が多いですからね」

「目立つのが基本的にアリアですからね」


あ、アリアがじゃんけんに負けた。


*****


シード権なんてそもそもいらなかったし? 別に負けても悔しくないし? 欲しくなかったし? 興味も無かったもん。


『それではルールの確認といきましょう』


シード権を獲得したのはシェリ姉。運が良いのか悪いのか……


『今回使用するルールはこの闘技場のルールの一つ、つまり体力が1までしか減らないアレです!』


どれだよ。


『どれよ』

『一切分からないんですけど……』


エミリアとマリアの声に苦笑しつつ3本の剣を背中に携える。


『つまり、どれだけ受けても体力が1までしか減らず、1になった時点で敗北という分かりやすいルールです!』

『最初にそう言ってよ……』

『ご心配なく、今の分はカットします』


メタい。


『それでは最初の試合は……』


セスタスたちには13枚の札を渡している。今はそこからシェリ姉の札が抜かれてシャッフルされているはずだ。そしてそこから2枚を抜いて


『《双槍》ベルゼブブと!』

『《魔剣士》アスモデウスですね』


うーん。どっちも強いけどなぁ……戦闘スタイルも前に出るから大差無いし……


「テイムモンスターは無し、完全にプレイヤー同士の激突だ」


アスモが前に出た。腰の鞘から引き抜いた剣は長剣、僕の作成したやつだ。名前は知らない。


『レディィィィ! ファイッ!』

「スターダストスラスト!」


高速の三連撃、それは2本の槍の柄に阻まれる。しかしそこでアスモの侵攻は終わらない。


「フレアボム!」

「烈風斬!」


業火の爆発は斬撃によって生じた真空により、真っ二つになった。その隙間から2本の槍が閃く。アスモの剣が炎を纏う。《フレイムエンチャント》だ。


「やっぱそう来るか」

「そりゃな!」


至近距離で切り合い、たまにどちらかが吹き飛ばされる。しかしどちらも決定打を撃てない。回復無しとはいえこれでは時間がかかる。そしてアスモは短期決着を好むから


「フルエンチャント!」


剣が虹色に輝く。七体の龍を素材とした剣の能力を底上げしたんだ。そして


「スターダストスプラッシュ!」


剣がブブを斬る。槍がアスモを斬る。剣が槍に弾かれる。槍の穂先がアスモをかすめる。剣と槍が激突する。槍が剣を阻もうとして失敗する。ブブの体勢が崩れたように見えた。だが笑みが見えた。しかしアスモは隙と見たようだ。


「……《リンク》!」

「げっ!?」


四撃を放ったアスモ。残り11撃だがその速度を上回るブブの槍が剣を弾き飛ばす。残るもう片方の槍がアスモを貫こうとする。


「《リ……《フレアウェーブ》!」

「遅い!」


炎の波を槍が切り裂く。しかし


「《リンク》! 《フレアランス》!」

「タイムングをミスったか!」

「カッコつけて噛むなよ!?」


ブブの言葉にアスモが突っ込む。しかしどっちも攻撃の手は止まらない。


「って言うか実況仕事しなよ」


ため息が漏れた。


*****


「結局ブブが手数勝ちかぁ……結局手数ってのが締まらないなぁ」

『いやー、息も吐かせない工房でしたねー』

『いや、一切実況してなかったじゃん』

『何も言えなかったって感じかな』

『……後付けで。それでは二戦目のプレイヤーを決めましょう! それでは』


なんとまぁ適当な実況席だ。そう思ったら


『《魔弾》レヴィアタンと!』

『《最強》アリアだ!』


そのチョイスは意外だった。


*****


「うっわ最悪……」


余りにも酷過ぎるチョイスだった。勝てるイメージが一切湧かない相手だから。ついでに小さいから狙いにくい。


「……はぁぁ」


いつも通りだ。想いの外に進むのは。だったらいつも通り正面から打ち破る。

ハーネスに携えるのは《機関銃》《狙撃銃》《散弾銃》《拳銃》《打撃銃》、弾丸も出来る限り用意はした。


「全力でやらないとね」


選手控え室っぽい部屋から出て闘技場のステージに向かう。


『出てきましたね』

『レヴィさんは完全な銃士ですからね。剣士であるアリアがどう対応するかが気になりますね』

『あっさり負けたりして』


実況席にアリアの店のバイト二人がいるみたい。一応手を振って


「やぁ、レヴィ」

「やっほ、アリア」


既に2本の剣を握った状態で中央に立つアリア。こっちはいつでも抜ける状態だ。


『レディィィィッファイ!』

「っと」

「《スナイプ》!」


速射。しかし外した。弾丸は残像の一つを貫いただけだった。《狙撃銃》を使った場合スキル無しで今の弾丸が放たれる。しかし今のは二丁の拳銃。


「ん」


引き金を引く。弾丸が放たれる。続けざまに引き続ける。20引いたところでマガジンを落とす。そのままハーネスに釣ってあるマガジンを刺す。リロード完了だ。だが


「やっぱりおかしいわよ」


弾丸全てが火花を散らした。そしてアリアの体力は微塵も減っていない。なら何とぶつかり、火花を散らしたのか。答えは簡単だ。映画でもアニメでも良くある


『アリアが弾丸すべてを切り落としたぁ!?』

『『うわぁ』』


ドン引きしている二人の声に苦笑しながらも弾丸を放つ。スキルを使って弾丸を強化するのも悪くないけどそれは不可能だ。声を出す隙すらアリアとの戦いでは無い。ああ、やっぱり強い。


「《スプレッド》」

「にょっ!?」


奇妙な悲鳴を上げながら拡散する弾丸をアリアは見極め、避けて斬ってどんどん近づいてくる。一定の距離を越えたらきっと加速するんだろう。


「《リンク》!」

「むぅ」


アリアが不満げな表情をした。それを見ながら銃を換える、片方を《散弾銃》に。


「《スプレッド》、《リフレクト》」


《拳銃》から散弾が放たれる。それをアリアはあっさりと対応する。だけどもう遅い。私の最後の弾丸は既に放たれた後だ。

ステージの端の瓦礫に当たり、アリアが回避した弾丸に反射する。そして背後からアリアの頭を打ちぬく軌道に弾丸は迫る。


「残念、《獅子の咆哮》!」


光が伸びてきた。弾丸を放つ。でも間に合わない。光は弾丸すらも飲み込み迫る。


私は、負けた。

記念日やらなんやらの際には前書きがまた発生するかも


あれだね、弾丸を剣で切り落とすなんてスターウォーズとか思い浮かべるよね

少し前だとSAOとか。アニメは最近だったけど


試合済み「アリア、レヴィアタン、アスモデウス、ベルゼブブ」

試合前「マモン、ディアボロス、ジャック、サタン、ルシファー、ベルフェゴール、セプト、シエル」

シード「シェリル」

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