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レミ何とか

「まだ行ける? 休憩する?」

「まだ行けます……」


マリアのエストックの耐久は結構減っているはずだ。だから休憩させて回復させて起きたかったんだけど……


「アリアさんはどうしてあんな動きが出来るのですか?」

「え」

「人間技じゃありませんよあんなの……」

「えーっと……確かマモンが言うには僕はディープリンカーなんだって」


ちなみにどういう意味かは知らない。


*****


「え、ディープリンカーについて知りたいの?」

「はい。マモンさんなら何か知っているんじゃないかと思って」

「うーむ」


きっとマリアちゃんがそう言うってことかアリアちゃん関連かな……うーん、ま、いっか。


「ディープリンカーってのは別に珍しくもなんとも無い、ゲーマーに多い人の事だね」

「……?」

「VRMMOに限らずVRゲームをするとき、頭にハードをつけるでしょ?」

「あ、はい」

「そのハードと……なんて言うかなぁ……脳味噌が繋がるわけよ」


上手く説明できなさそうな気がしてきた。


「そっれが繋がりすぎるプレイヤーのことを私達はディープリンカーって呼んでいるのさ」

「……つまり?」

「脳へと送られてくる情報量が他の人よりも多く、ラグが発生しない。それがアリアちゃんの強さの理由の一つね」


そう説明しているとお店の奥の扉が開いて


「回復させたけど強化はしなくて良かったの?」

「はい」

「そうかなぁ……」

「アリアちゃん、本人に任せてあげるのが一番よ」

「あ、マモン。今日は何の用?」

「《にゃんにゃんボウ》の強化よ。付与素材はちゃんと取ってきたから」

「はいはい」


アリアちゃんは素っ気無く言って


「ホラ、入りなよ。マリアは引き続き店番よろしくね」

「はい」


中々上手くやれているようだった。


*****


「銃を使った格闘術スキル、見つかった?」

「ダメね。そっちは?」

「ガンカタってスキルがあるって事は知ったよ」

「ガンカタ……それっぽいわね」


レヴィに報告すると納得の表情を見せられたけど僕は納得していないんだけどね。


「お礼と言っちゃ何だけどアリアが前に言っていたお爺ちゃんだったかな? それについても調べてきたよ」

「え」

「ま、私は一切調べていないんだけどね。情報提供者がいたんだよ」


情報提供者? と、首を傾げると


「入ってきて」

「はい。お久しぶりです、アリアさん」

「……アレ」


どこかで見たんだけど……えっと……


「レミリア!」

「エミリアです」


oh……。


「弾幕ゲーを思い出すわね……」

「それよりもお久しぶりです、アリアさん」

「あ、うん。久しぶり、レ……エミリア」

「また間違えそうになった……」


ジト目のエミリアを無視して


「で、何の情報を提供したの?」

「ふふふ、聞いて驚け見て笑え!」

「我らエンマ様一の子分!」

「あおべえ!」

「きすけ!」

「あかね!」


二人三役と言う中途半端なのを見て驚く。あと古い。


「で、何の情報を提供したの?」

「無限ループって怖くね?」

「マリア、店番お願い。僕はどっか行って来る」

「ふざけ過ぎました!」


頭を下げるエミリアにため息を吐いて


「それじゃ、話して」

「あ、はい。前のおじいさんの話を聞いてスキルレベルを最大にした採取スキルで試してみたらですね」

「ほほう」

「どうにもスキルを支払ってスキルガチャっぽい事になりました」

「へぇ?」

「その後も検証したら戦闘系や採取系でも変わるみたい」


ふむふむ……


「つまり釣りスキルは完全に残念なスキルになっちゃったんだね」

「元から残念スキルだけど」

「うーん、そうでもないんだよね」

「さっき残念スキルって言ってましたよねぇ!?」

「あ、うん。でも色々面白いよ」

「例えば?」

「お魚がたくさん取れて焼き魚がたくさんあるよ」

「そーっすか」


エミリアはどうでも良さそうな表情で頷いた。

しかしスキルガチャ、そう考えたらやらないといけないよね。


「あーあ、やっぱりこうなっちゃったか」

「え、どういう事ですか、レヴィさん」

「アリアはね、ガチャとかを基本やりこんじゃうのよ」

「うーん」


スキルの欄を見ても捨てても良さそうなスキルは無い。どれも思い出ばかり……あ、《片手長剣突進》と《片手長剣重攻撃》はいらないや。《流星》と《隕石》で十分だ。


*****


「っとぉ!」

「うわぁ……」

「やっぱりおかしい……」

「いつもより動きが悪いわね」

「「あれで!?」」


山肌を三角跳びで飛び上がってコンドルっぽい鳥たちを切り刻み、コンドルの上に着地、そのまま足場のを全損させて


「うーん」

「やっぱり慣れない?」

「うん、レグルスネメアが完全に防御用の剣過ぎて持ち替えるってワンテンポが難しいんだ」

「防具としてアクセサリーにしていた方が良かったのかもね」

「うん……超絶今更感過ぎるけどね」


レヴィの笑顔が腹立たしい。ちなみにその両手に握った単発式の銃からは絶え間なく銃弾が放たれている。だから金欠なんだけどね。


「マリア、エミリア」

「分かってますよ!」

「はいはい!」

「レヴィは財布を気にして」

「あ、はい」


真剣な表情でレヴィが深刻そうに頷く。なんだろう……ごめん。


*****


「エミリアさんは前から来るのをお願いします!」

「はいはい」

「ピアース!」


高速の突きがコンドルの胴体を貫く。

アリアさんが新しく作ったエストック《閃光》は名前にそぐわぬ速度でコンドルの体力を全損させる。名前を付けたのは僕だが。


「あのさ、マリアはどうしてそれしかスキルを使わないの?」

「え」

「他にはスキルを使わないの?」

「スキルポイントが足りないんですよ」

「そうなんだ……シフト増やす?」

「え、どうして?」


僕の疑問にアリアさんは


「あー、言ってなかったっけ。生産形のスキルを使ったら経験値が入るの」

「え」

「マリアさんはアリアさんのお店……えーっとかー何とかでバイトしているの?」

「僕のお店の名前が曖昧なんだけど」


アリアさんの言葉にエミリアさんは苦笑して


「私もバイトして良いですか?」

「……マリア、君の判断に任せるよ」

「え」


僕の判断に!?


「だって僕はどっちでみょ良いから」

「「みょ?」」

「噛んだの! 分かってよ!」


顔を真っ赤にして怒るアリアさん。可愛い。僕が女だったら好きになってたかもしれない。


「可愛い……」

「まったくね」

「あーもー! 五月蝿い五月蝿い! やっちゃえコンドルたち!」

「「「え!?」」」

「って僕じゃないよぉぉぉ!?」


コンドルに運ばれてしまったアリアさん。


「……どうするんですか?」

「助けますか……?」

「スナイプ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


レヴィさんの構えた狙撃銃から放たれた弾丸がアリアさんを掴んでいたコンドルを全損させた。そしてアリアさんが落下。


「あれで助かったの?」

「……さぁ」

「アリアなら大丈夫よ」


その言葉を証明するように再び飛来したコンドルたちの上を飛び跳ねる姿が。勿論アリアさんだ。


「……どうする?」

「見なかったことにしましょう」

「スパークスナイプ!」


放たれた弾丸は直撃したコンドルを中心に周囲に電撃を奔らせた。


「あ、エミリアさん、一緒に頑張りましょうね」

「今言うの!?」

タイトルでレミニセンスが思い浮かぶのは作者だけで良い

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