表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/401

殺人鬼を名乗る者

「最強か。またお前は俺の前に立ち塞がるのか」

「悪いけど幻影面ファントムマスクは見つけたらキルするって決めているんだ」

「ふん……やれるもんならやってみろ!」


片手剣を構えて突っ込んで来る幻影面。その速度は僕と同等かそれ以上だ。しかし


「スターダストスプラッシュ!」

「ダブルテンペスト!」


幻影面の星屑スキルと僕の二刀流連続スキルが衝突する。しかし


「メテオスラスト!」

「ダブルラッシュ!」


やはり隕石スキルも取っていた。だとすれば


「ミーティアス「ミーティアリープ!」


メテオスラストによって吹き飛ばされた(ダメージは微量)の僕を狙っての流星スキル、それより速く二重突進スキルを放つ。


「やっぱり幻影面も中級スキルを……っ!」

「お前の方は有名だからな、二刀流を使うのも調べている」

「そりゃどうも!」

『ちぃ(アイスランス)!』

「遅い!」


ひよちゃんの魔法回避してさらにスキルを放つ幻影面。相殺して


「スターダストエンプティー!」

「ダブルサイクロン!」


幻影面の15連撃と僕の20連撃が激突。衝撃で吹き飛びながら


『ちぃ(アイスボール)!』

「ソードパリィ!」


お互いに距離を得る。そして剣を向け合う。


「随分と儲かっているそうだな」

「カーマインブラックスミスの事?」

「ああ。実にお前らしくないネーミングセンスだ」

「……お前は変わらないね」

「俺は変わっていない。お前たちも変わっていない」


幻影面は警戒を解かずに


「それで、今日はどんな用件だ」

「お前をキルする。それ以外に必要がある?」

「俺を追い出したのに?」

「追い出された理由、忘れたの?」

「お前たちの理想と俺の理想が違う、それだけだ」


確かにそれはその通りだ。だから


「やっぱり僕は、僕だけはお前を許せない」

「だから追いかける? 前のでも最後まで追いかけてきたな」

「きりたちにMPKをしたのもあるし」

「ふん……」


幻影面は鼻を鳴らして剣を構え直す。片手剣、僕の作品と同じくらいの強さを感じる。

モンスタードロップか……お抱えの、シリアルキラーズのメンバーに鍛冶屋がいるのかな。


「誰の作品?」

「ワイバーンソードマンのレアドロップだ」

「名前は変えたの?」

「当然だ」

「名前は?」

「ジャック」


いつも通りの応えに苦笑して


「ミーティアスラスト!」

「ソードパリィ! ダブルサークル!」

「ソードパリィ! メテオスラスト!」


互いにスキル硬直の短いスキルを撃ち合う。ひよちゃんもMPが切れて離れた場所、街の安全圏から僕を見ている。


「こうしていると思い出すな」

「何か思い出すような思い出があったの?」

「……お前たちと一緒にギルドを立ち上げたあの瞬間だ」

「……魔王の傘下の始まりだね」


僕たちはいつの間にか剣を下ろしていた。しかし警戒は解かない。


「それも過去だ。俺は変わっていない」

「僕もだよ」

「スターダストエンプティー!」

「ダブルテンペスト!」

「ヘブンズアロー!」


唐突に聞こえた声に僕たちは一緒硬直する。そして同時に飛びずさる。


「マモンか」

「そうよ、幻影面」

「誰もかつての名前では呼ばないんだな」

「幻影面じゃない名前は君のじゃない。君はもう、幻影面なんだ」


マモンの放つ矢を走り続ける事で回避する幻影面。スタミナが切れるのは遠くない。なのに


「マモン、1人?」

「みんなは他のシリアルキラーズをやってるよ」

「久しぶりだな、マモン」

「そうね」


マモンは警戒しながらゆっくりと歩いて来る。いつでも矢を放てるようにしながら。


「幻影面、お前の名前ってなんだったっけ?」

「え⁉︎」

「……忘れたのか」

「うん」


幻影面は呆れを隠さずに


「……俺をキルしたら教えてやろう」

「逃がさないよ」

「逃すと思うか」

「残念ねぇ」

「舐められちゃってね?」

「逃がさん」

「どこまでも追いかけるよ」

「逃げても無駄だな」

「そういう事だ、お前は俺たちから逃げられない」


振り向くと全員がいた。


「これはこれは……お出ましか」

「久しいな、ジャック」

「お、覚えている奴がいてくれた」

「忘れるものか」


魔王の言葉に苦笑して


「とんずらさせてもらっても良いか?」

「させると思うか?」

「いーや、多分素直にさせてはくれないだろうな」

「ミーティアリープ!」

「ソードパリィ!」

「ヘブンズホーミングアロー!」

「ブラストナイフ!」


僕たち3人の攻撃が幻影面、ジャックに激突する。そして吹き飛ぶ体。しかしその顔はニヤリと笑っている。

逃げられる、そう直感が告げた。


「ミーティアスラスト!」

「遅えよ」


言葉の瞬間、ジャックの体が光に消えた。そしてスキルの対象が消えてスキルは中断された。


「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「……逃げられたか」

「ごめん、仕留められなかった」

「良い。デスペナが重いとはいえ、あいつならすぐに戻って来る。だから」


魔王は言葉を切った。そして


「あいつは俺たちプレイヤーとしてやってはいけない事をした。必ず辞めさせるぞ」


*****


「もうこの街を占拠していたギルドのリーダーは追い払ったよ」

「ほんと?」

「うん。やっぱりあいつがリーダーだった」


僕はシェリ姉たちに軽〜く説明して


「転移アイテムを配布するからこの街から離れた方が良いかもね」

「どうして?」

「残党がいるかもしれないし戻って来るかもしれないから」


僕はそれだけを告げて転移アイテムでカーマインブラックスミスに帰る。すると


「セプトとシエル?」

「拙者もいるで御座る」

「あ、ごめん。角度的に見えなかった」


とりあえず驚いて


「どうしたの?」

「アリアたちと同じだ」

「幻影面を狩りに?」

「誰だよ」

「シリアルキラーズのリーダー」


そう言えば


「ここに呼び出したのって僕だっけ?」

「ああ」

「内容はシリアルキラーズってギルドの事なんだけど……知ってる?」

「名前だけなら」

「俺もだ」

「拙者の仲間が口にしていたな」

「それじゃ軽く説明するよ」


5分後


「PKを得意とするプレイヤーか」

「最低だな」

「……」


三者三様の反応を見せて


「僕たちはあいつをキルする。見つけたり見かけたら教えて」

「プレイヤー名はファントムマスクで良いのか?」

「ジャック、ジャック・ザ・リッパーって名乗っているはず」

「……斬り裂きジャックか」

「知っているの?」

「歴史的な殺人鬼だ」


セプトはため息を吐いて


「簡単に言えばロンドンの娼婦だけを殺した殺人鬼だ」

「しょうふって?」


僕の言葉に3人の動きが止まる。そしてひそひそ話を始め


「アリア殿、貴殿は幾つで御座るか?」

「まだ誕生日は来てないから12だけど?」

「……そうで御座るか」


リョーマは顔を顰めて


「アリア殿はまだ若い。知るべき時はいずれ参るで御座るよ」

「……本当?」

「拙者を信じてくだされ」


……


「ま、良いや」


ほっ、と3人の吐息が。隠したかったのなら無理に暴かない。

さてと


「ひよちゃん、経験値を振り分けるよ?」

『ちぃ!』

「いやいきなりだなおい」

「忘れないうちにしておきたいからね……あれ」


回復魔法のスキル熟練度が大幅に伸びていた。

総合PVが2万を越えてた

まだ40回も行っていないのに

とりあえず読者の皆様ありがとうございます


幻影面は元々魔王の傘下のメンバー

辞めた理由はいずれまた


次回、ひよちゃんが進化する(かもしれない)


今回もひよちゃんタイトルじゃなかった…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ