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イレギュラー

「キャンデラ、最近どうよ?」

「アヤ……最近、アリアってプレイヤーと知り合ったよ」

「アリアと!?」


 キャンデラは何故アヤがそこまで大きな反応をするのか分からなかった。すると、アヤは周囲をきょろきょろ、と見回して


「アリアに関しちゃ私からは何とも言い辛いな……アリアに会いたいのか?」

「あ、ううん。まだ、会うつもりはないよ」

「ん、そうなのか? だったら良いんだけどよ……私にもアリアにゃ一大恩があるしな」

「え、そうなの?」


 一体どういう関係だろう。キャンデラはそう思いながら説明してくれないアヤを少し、歯痒く思った。そして、アヤはいきなり背後を振り向いて


「よぉ。人の背後つけ回すンは趣味が良いとは思えないぜ? 魔王さんよぉ」

「――俺も尾行したくてしていたわけではない。たまたま知人を見かけてしまったからな、興味を惹かれても当然だろう?」

「ま、それに関しちゃ否定しないけどよ……せめて一言、かけて欲しかったねぇ」

「確かに、お前の言う通りだな……そっちのプレイヤーが、例のプレイヤーか」


 魔王の言葉に、アヤは少し目を細める。それはまるで、彼女のことを聞き見知っているようだった。だが、キャンデラには何の反応もなかった。それはつまり、


「魔王……テメェ、もしかしてキャンデラについて嗅ぎ回ったりしていたのかよ? ンなストーカー紛いなことをするとは思えないんだけどよぉ」

「俺もそう思うな。ただ、単純にアリアが嬉々として語っているプレイヤーを一目みたいと思ったのは本当だ……お前とどういう関係なのか、聞いても構わないか?」

「ん、構わないぜ……構わねぇよな?」

「構わないよ、アヤ」

「これ、あたしン妹。どうよ、可愛いだろ?」

「そうだな」


 魔王はそっと、キャンデラを眺める。キャンデラにとって、魔王というプレイヤーについての知識は無いのだ。だからこそ、姉とどういう関係なのか、と思っていると……魔王は腰からナイフを一歩、引き抜いた。そして


「アヤ」

「気付いているっての。ンだけどよぉ……ンだこれ? モンスター……ッぽくはねぇよなぁ? プレイヤーか?」

「分からない……が、敵だな」

「だったら斬るしかねぇな!」


 姉と魔王は、空を見上げていた。釣られるように、キャンデラも空を見上げると、螺旋大陸の上層が見える。そして、その付近に何かが浮いていた。それはこちらを睥睨していたが、気付かれているのに気付いたのか、ゆっくりと降りて来た。


「どうする、アヤ」

「魔王よりリーチあるからアタシが先に行くぜ」

「任せた」


 相手が勢いに乗る前にぶった切る。シエルはそう思いながら地面を蹴り、壁を蹴り、宙へと跳び上がった。そしてそのまま、背中から一本の長剣を引き抜いて


「おらよ!」


 剣を振るった。しかし、それは手に生えている長い爪で、受け止めた。咄嗟に剣を引き、落下しながらそれを眺める。

 白い翼を持ったそれは、天使のようにも見えた。だが、決して天使ではない。それは、二本の角を輝かせ、尖った牙の覗く顎から、炎を放った。


「ブレスかよ!?」


 空中で姿勢制御はし辛い。だから咄嗟に剣を振るい、姿勢を無理矢理整える。そのまま剣の腹を立てて、


「っ!? うっそだろおい!?」


 地面に叩きつけられそうになる。何とか剣を叩きつけて、減速したが


「魔王! 圏内でダメージ受けたぞ!?」

「みたいだな……どういうことだ? 何か、その辺りが変わったのか?」

「あ? 変わったって何だよ……っつーかキャンデラ、安全な位置に逃げてもらっても良いか?」

「え、でも」

「悪い、まだまだ危険なんだよ……魔王、任せても良いか? ぶっちゃけ、アタシじゃ無理そうだ」

「……さて、降りてこない相手ならば、俺が対処するつもりだったが……降りて来たぞ、どうする?」

「あー、ん、アタシはキャンデラを護っとくかね」

「そうか、好きにしろ」


 すでに街中は喧噪に支配されている。それは街中でダメージを受けるという異常事態に対しての、だ。だが


「《魔王の傘下》だ……」

「《魔王の傘下》が来た!」

「魔王が来たぞ!」


 これで安全だ、とばかりに盛り上がる周囲。魔王はそれを睥睨しながら、少し離れた位置に着地したそれに近づいていった。


「モンスター名は……《イレギュラー》? 皮肉の効いた名前だな」


 魔王は鼻を鳴らしながら、《イレギュラー》に近づく。端から見れば無防備そのものな行動に、周囲が動揺しているが


「生憎と、炎程度なら切り裂ける」


 二本のナイフが起こす雷撃と烈風に炎が散らされる。さらに続けて、龍の顎による噛みつきを、顎を蹴り上げることによって無効化し、距離を詰める。そのまま、二本のナイフで胴体を切りつけようとしたが


「っ、反射だと?」

「反射!? あたしン時はそんなの無かったぞ!?」

「時間制か……それともアクティブか。なんにせよ、パッシブでないのは救いだな」

「大丈夫かよ、魔王?」

「ふん、余り舐めないで欲しいものだな」


 二本の双刃が煌めいて、《イレギュラー》の胴体に高速の連続斬りが放たれた。そしてそのまま、ダメージが通っている。


「なるほど、一瞬は反射できるが、そこに連続して攻撃を叩き込めば問題ないようだな……一撃の威力よりも速度が重要か」


 さらに前に出る。双翼による攻撃をナイフで逸らしつつ、すれ違いざまに斬りつける。そのまま、背後に通り抜け、振り向いて構えたが


「ふむ……アヤ、ダメージはどうだ? 通っているか?」

「ああ、通っているみたいだぜ。でも体力多いから手数増やした方が良いかもしれねぇ」

「分かった」


 その一言で、魔王の動きが変化した。今までの護りを重視した動きから、攻めを重視した動きへと。

 そっとナイフが振られる。その度に翼から、純白の翼が飛び散る。さらに続けて、連続して斬り裂かれて羽が宙を舞い続ける。それに、《イレギュラー》は吠えた。痛みを堪えるように、ではない。純粋な攻撃として、吠えたのだ。


「おいおい……とんだ化け物じゃねぇか」

「心外な評価だな。アリアと比べてみろ」

「声を切り裂けるなんておかしいだろうが!?」

「そうか? 俺としては普通だと思うんだが……なんだろうな、比較対象が悪いのか……それとも、俺が悪いのか?」

「そうやって悩んでいるふりをしながら圧倒してんじゃねぇよ。負けたアタシが無様じゃねぇか」

「不利な空中だったからだろう。それにお前は空を飛ぶのに慣れていない、無理も当然だろう」


 アヤは《魔王の傘下》と比べると、格段下だ。それを理解しているが故に、魔王のその言葉には少し動揺した。


「おい、魔王。とりあえず前見ろ前」

「見なくてもこの程度なら問題ないんだが」

「こっちの心臓に悪いんだよ……っつーならさっさと斬り倒せ。ハリーハリー」

「ふん」


 魔王の手が閃いた。直後、《イレギュラー》の両翼が空を舞った。そして、次いで首も待った。


「見極めるつもりだったが……まぁ良い。この程度なら余裕だな」

「スゲぇなおい。つか今の、何が起きたんだよ?」

「単純に3回ナイフを振るっただけだが? この程度なら余裕だ……ナイフ以外を使えば一撃でやれただろうな」


 確かにそうだ。魔王がアヤの剣を振るえば、確実に一撃だった。その程度なら余裕なのだ。

 各時が己の得意としない武器でも使いこなせる、それこそが最強ギルドと呼ばれる所以でもあるのだ。実力もあるが、オールマイティ。


「やっぱスゲぇな、お前ら」

「なんだ、アヤ。お前、入りたいのか?」

「あー、いや……入りたくないって言ったら嘘になるけどよぉ」

「そうか、気が向いたら入れ」


友人にフェイトグランドオーダーというのを勧められました

フェイトはゼロとUBWしか見ていないんですけど面白いんですか?

知識が無い分すべきか否か、で悩んでいます


昨日、友人と遊んだのですが別れの際に友人はメイド喫茶に向かっていきました。

そして男装の日だったそうなので帰ったそうです。

メイド喫茶って幅広いんだな、と思いました。


現在設定を書いているのが3つ、実際に書いているのが3つ、投稿しているのが2つ

果たして夏休み中にソーニョは完結するのか!?

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