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アリア、柘雄と寝る

「さぁ、遠慮なく食べてね」

「はい」


 緊張混じりのアリアに柘雄のお母さんが微笑みかける。それを眺め、柘雄の父親は頬を緩ませ、亜美は皿の上に乗っている苦手な茸をこっそり取り除き、置かれた茸を柘雄は返却する。


「いらないんだけど」

「私もなんだけど」

「「……」」

「コホン、アリアちゃんが来ているのだからみっともない姿を見せないで欲しいんだが」

「自然体の亜美たちも良いものだと思いますよ」

「とのことだ」


 柘雄のお父さんはアリアに甘い。それを柘雄たちが再認識していると


「ところでアリアちゃんは今日は誰と寝るのかしら。柘雄と? 亜美と?」

「……柘雄が良いです」

「まぁ!?」


 お母さんが満面の笑みで柘雄を見る。それに柘雄はげんなりしたような表情になる。そして


「お風呂はどうするの? やっぱり柘雄と?」

「ぅ……ちょっと緊張します」

「お父さん、孫の顔は早く見られるかもしれないわね」

「孫かぁ……」

「避妊はちゃんとしなさいよ」


 亜美に避妊具を渡され、アリアは顔を赤くする。両親はきゃいきゃいと年も考えずにテンション高く談笑している。柘雄は一旦熱いお茶を飲んで現実逃避することにした。


*****


「うーむ」

「どうしたの?」

「むむむ、だよ」

「何が?」

「柘雄ってもしかして私よりもおっぱいあるかもしれない」

「……」


 亜美は笑いを堪えるのが大変だった。そんな姉を見て柘雄は深いため息を吐いて扉を閉めた。それはつまり扉の内側に立って自分の胸をぺたぺたと触っていた(ふにょふにょではない)アリアを内側に招き入れたと言うことだ。

 アリアは目の前で上半身裸の柘雄を見て少しテンションが上がっていた。意外と立派な柘雄の裸体を眺めていると……


(やっぱり私のよりも大きい……)


 敗北感があった。ちなみにこの瞬間、柘雄の両親はワインを飲んで孫の話をし、亜美は聞き耳を立てていた。エミとシェリルは普通にソーニョにログインしており、マグナは一人は寂しいからと言う理由で完徹ソーニョをするつもりでいた。


「むぅ……意外と巻き辛いよ」

「僕もそうだったよ」


 柘雄は洗面所に置いてある洗濯ばさみを使い、アリアと自分のタオルを留めた。ちなみに脱ぐ際はお互いが後ろを向いていた。その辺りは二人とも弁えていた。

 そして15分後、普通に上がってきた二人を見て


「どうして洗いっこしないのよ!?」


 亜美は叫んだ。絶叫だったかもしれない。


*****


「リンクイン」


 マグナは一人、アリアが帰ってきていないのを確認して再び、ソーニョに向かった。意識が下に向かっていくのを実感していると


「おや?」

『マグナ、少々お時間よろしいでしょうか?』

「構いませんよ、マグナ。ですがこんな殺風景なところで何の用でしょうか」

『率直に言います。アリアに勝つ方法を伝授してください』

「あるのならば私が知りたいくらいですね」


 マグナの言葉にAIマグナは少し、呆れたように目を閉じて


『私はアリアに勝つ。あなたみたいに諦めない』

「……諦めているつもりはありませんが」

『へらへらと敵と慣れ親しんでいるというのに? それは随分と人間くさくなりましたね』

「そんな私も私は気に入っていますよ……ですが、あなたに負け犬扱いされるのは嫌ですね」


 そして5分後、マグナはソーニョに入った。この時の会話が後に大きな影響を及ぼすことも知らずに。


*****


「にゃ~」

「はいはい」


 柘雄はアリアの頭を撫でながら微笑む。パジャマは亜美から借りているため、少しぶかぶかだ。ちなみに亜美の小学生時代のパジャマですら、だ。その事実を知った亜美は笑いを堪えすらしなかった。


「なんだかあんまり眠くないかも」

「それはきっと昼に寝たからじゃないかな?」

「あぁ~、かもね」

「ところでアリア、もしかして眠れないからって起きているつもりなの?」

「かもねー」


 アリアは柘雄の背中から腕を回し、抱きしめようとして腕の長さが足りない。むむむ、と頑張っていると


「はいはい」

「むぅ……なんだか柘雄が大きくて不満かも」

「ならやめる?」

「ダメ―」


 隣の部屋で聞き耳を立てている亜美は何か始まらないのか、と期待していた。しかし明日は仕事があるので仕方なく寝た。


「幸せ~」

「僕もだよ」

「にょほほ」


 柘雄は思う。元々は好きでも何でもなかったのに、と。どうして好きになったのだろう、と。いや、理由なんかない。理由がある恋なんてない。初恋のくせに柘雄はそんな哲学的なことを思っていた。


*****


「エミ、少し手伝ってくれませんか?」

「マグナ……? 私がマグナを手伝えることあるの?」

「はい。少しですが剣を使いたくなりました」


 エミは少し考えて


「うん、分かったよ。でもその剣はどうするの?」

「カーマインブラックスミスで買おうと思っています。良いのを見繕ってくれませんか?」

「良いよ。それじゃあもう行く?」

「そうしましょう」

「それじゃ、来て、《世界樹を喰らいし蛇(ニーズヘッグ)》」


 やはりアリアと似たネーミングセンス、とマグナは思いながらその巨大な蛇を眺める。その蛇はかなり太くて長い。そしてその頭に上にエミは立っている。そして手を振って


「マグナもおいでよ」

「では失礼して」


 ギルドホームの7階のベランダにまで伸びている《世界樹を喰らいし蛇(ニーズヘッグ)》の頭に乗る。すると《世界樹くらいの蛇(ニーズヘッグ)》はゆっくりと地面に体を降ろし、這いずりだした。蛇の動きは遅いと思われがちだが実は意外と速い、マグナは知識と照らし合わせていると


「マグナ、剣を使いたいんならお姉ちゃんに頼んだら良いんじゃないの?」

「アリアに勝ちたいから剣も使えるようになりたいのです」

「なるほど」


 エミはその気持ちが分かる。だからこそ姉ではなく、エミリアに師事しているのだ。《世界樹を喰らいし蛇(ニーズヘッグ)》の軌道が上昇に切り替わっているのを感じつつ、目を閉じる。そこに映る姉の姿は余りにも遠い。だから


(私も強くならなきゃ)


*****


「とりあえず《銃》と併用するんならdexが上がるのが良いよね」

「そうですね、どちらも上がるのなら素敵です」


 エミと色々物色しているが店長のアリアの姿はない。エミもマグナもアリアが柘雄と一緒のベッドで寝ているとは知らないのだ。


「この剣をアリアに届かせるには……どうしたら良いのでしょうか?」


 マグナは考える。そして目の前で剣を物色している彼女の妹を見つめる。アリアのような剣を振るう彼女を見つめて――


「エミ、やはりあなたに剣を学びたい」

「あー、そこは変わらないの?」

「ええ、当然です。エミならば安心して師事できます」

「エミリアの方が良いんじゃないの?」

「エミリアはきっとスパルタですから」


 なんなん、とエミは思った。AIじゃなかったのか、と。面倒なことから逃げる中学生か、と。しかし姉に勝ちたいという気持ちはエミも同じだから――


「さっさと買って行くよ」

「はい、エミ」


 そして15分後、エミとマグナは剣を使って斬り合い始めたのだが


「銃禁止!」

「え?」


 そんな会話があったという。

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