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帰宅

「エカテリーナ、楽しかったよ」

『こちらこそ、楽しかったですわ。マグナも』

「はい、とても楽しかったですよ。それではまた今度、会いましょう」


*****


「アリア、何を考えていますか?」

「……別に、何も考えていないよ」

「柘雄との同居についてですか? 素敵だと思いますよ」

「え? そうかな? やっぱり?」

「ええ」


 マグナは飛行機の中で暇そうにしていたアリアとの雑談を楽しむ。もはやマグナの中からは自分が人間じゃない、と言う意識はほとんど無くなっていた。そしてアリアは少し目を閉じて


「柘雄ってさ、全然エッチじゃないんだよ」

「……はぁ? それがどうかしたのですか?」

「だってさ……手は繋ぐしキスもするんだよ? でもそれ以上はしてくれないんだよ!」


 貧乳だから、とマグナは思った。しかしそれを口にするとアリアが拗ねるので言わなかった。そしてそのまま聞きに徹していると


「どうもさ、柘雄はね? 一緒に暮らしたいっては思ってくれているみたいなんだ。でもえっちぃ事がしたいわけじゃないみたいなんだ」

「はぁ……それは健全と言うべきでは無いのですか?」

「健全の何が良いのさ! そのせいで少子化だよ……はぁ」

「その少子化は日本ですか? それとも世界規模ですか?」

「んー、どっちも」


 アリアは荷物を持っていない。もちろん飛行機に乗る際に添乗員さんに渡したのもある。だけど買った物の大半はすでに日本に送ったのだ。もしかすると今頃シェリ姉が困っているかもしれない。


*****


「リンク……アリア?」

「……」

「アリア? どうしたのですか?」

「え?」


 アリアはいきなり、といった感じで振り向いた。マグナはアリアらしくないと思いながら


「アリアはまだソーニョに行かないのですか?」

「あ、うん。着替えとかの準備をしないといけないからね。マグナはもうソーニョの方に行くの?」

「はい、そのつもりです。ですがアリアが困っているのなら相談に乗りますよ?」

「ううん、これは自分で解決できるよ」


 エカテリーナから渡されたエロっちい下着をマグナから隠しつつ、アリアは言う。少し不審に思いつつ、マグナはソーニョの方に行った。そしてそれをどこに隠そうか、ときょろきょろしていた。直美が見ていたならば「エロ本を隠す男子中学生」と表現したであろう。


「……あら、帰っていたのね。お帰り」

「ん、ただいま。お土産は届いた?」

「届いたわよ……随分と買い込んだみたいね」

「えへへ」

「褒めてないから。それよりもそっちはどうだったの?」

「楽しかったよ。色々と見てきたよ」

「そう、良かったわね」


 シェリ姉は言いながら自分の部屋に入った。それに着いて行くと鞄を机の上に置き、便箋を机の上に置いた。


「ラブゥな想いを伝えるサムシング!?」

「そうよ……アリアちゃん、ゴミ箱に入れといて」

「ええ!?」

「名前も顔も知らない相手からのラブレターなんていらないわよ」

「私もそんな感じでもらったんだけど……」

「そんな相手からより、多少なりとも知っている相手の方が良いわ。どっちにしろ断るけど」


 なんで、とアリアは問いかけた。しかしシェリルは何も言わず、服を着替える。シャツとスカートをハンガーに掛け、下着姿に。エカテリーナと同等かそれ以上の胸を見、アリアは頬を膨らませる。しかしシェリルはそれに気づかず、短パンとTシャツを着た。そして


「アリアちゃん、今日は何か用事はあるの?」

「ん……帰ってきた当日には何も無いよ。シェリ姉はあるの?」

「ギルド戦は昨日だったからね、今日はのんびりするつもり」

「そうなんだ。私はどうしようかな……ちょっとだけ、入ろうかな」

「うん、それが良いと思うよ……あ、ちょい待ち」


 シェリ姉は時計型デバイスを操作して


「もしもし、柘雄? アリアちゃん帰ってきたけどそっちに向かわせようか?」

『帰ってきたんだ。こっちから出向こうか? 疲れているだろうし』

「大丈夫大丈夫、アリアちゃんなら疲れていても柘雄ラブパワーで何とかなるから」


 なんだか突っ込みどころが多い。アリアはそう思いながら柘雄と亜美へのお土産を詰めた袋を部屋から取ってくる。そして


「柘雄、しばらく家にいるって。亜美はまだ帰ってきていないみたい」

「亜美は仕事中でしょ? 仕方ないよ」

「今日は休みを取っているらしいわよ。それに直美と瑠璃が連れられているらしい」

「……そうなの?」


 少し呆れてしまった。しかしシェリ姉は気にせずに玄関を出て


「ほら、早く行くよ」

「え? シェリ姉も行くの?」

「だって荷物が多いでしょ? 一人で持ててもあの距離を歩くのは辛いんじゃないの?」

「ぅ、そうだけどさ……」

「大丈夫、別にアリアちゃんが何をしていようと気にもならないから」

「気にしないじゃないんだ……」


 気にしないと気にもならないはだいぶ違うと思う。アリアはそう思いながら靴を履き、お土産を手に持った。


*****


「ノックしてもしも―し」

「インターホンをどうして使わないの?」

「だって窓からこっち見てたから」


 シェリルとアリアの会話に苦笑しつつ、扉を開ける。


「学校ぶりね、柘雄」

「そうだね。お帰り、アリア。楽しかった?」

「うん、楽しかったよ」


 そう言うアリアの額には汗が浮いている。まだそんなに暑くないのに、と柘雄が思っていると


「ロシアに比べると日本は暑いみたい……上がって良い?」

「良いよ。誰もいないけどね」

「うん、良いよ」


 アリアは父さんたちに気に入られているから、一旦上がると中々帰られない。だから良かったのかも、と柘雄が思っていると


「あら、アリアじゃないの。帰ってきていたの?」

「亜美、久しぶり~」

「はい久しぶり。柘雄、さっさと入らせて上げなさいよ。まだ外は暑いのよ」

「知ってるよ……とりあえずどうぞ」

「お邪魔しまーす」

「失礼します」

「ただいま」

「お帰り」


 一気に江利家の人口密度が上がった。元々の人数が4倍になったからだろう。まぁ、それはさて置いて


「とりあえずお土産を渡しておくね」

「ありがとう……でもこんなに買って大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫、アリアの口座にまた結構振り込んだし」

「「「え!?」」」

「マグナの養育費とアリアのおかげで取れたデータを使った利益とか、色々あるのよ」


 亜美のため息交じりの言葉に柘雄とシェリルは納得した。しかしアリアは何故かそこで首を横に振って


「そうだね、お金は貯めないとね」

「すでに億を超えていなかったっけ?」

「越えていてもだよ。結婚したらどれぐらいかかるか分からないからね」

「「ほーぅ」」


 シェリルと姉の視線に柘雄は少し、困る。そして


「聞きまして亜美さん」

「聞きましたわシェリルさん」


 小芝居が始まったけど無視している。ちなみにそんな柘雄の膝の上でアリアはもう、寝ていた。そんな様子を見て、やはり父親と娘みたいだ、とシェリルは思っていた。ちなみに柘雄はアリアの背中を穏やかな表情で撫でていた。


「柘雄、アリアちゃんがぐっすり眠っているみたいだし、今日は一緒に寝て上げて」

「はぁ!?」

「大きな声を出すと起きちゃうよ」


 柘雄は姉と友人の言葉に押し負け、アリアが江利家に泊まることとなった。ちなみに江利家の両親はむしろそれを歓迎していた。

次回、アリア、柘雄と寝る(意味深)


なんだか最近楽しんで書いているって言うよりアクセス数などを目指している感がある

ただでさえ面白くないのにさらにそれが加速しそうで怖い

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