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沈む虚

「《悪魔龍皇剣》か。とりあえず俺らで頑張るしかないか」

「そうだけどさ、《ナイアルラトテップ》ほどの強さは無いよね」


兄と言葉を交わしつつ、剣と槍を構える。


「兄さん、油断しないでよ」

「油断しなくても死ぬだろうが」

「確かに」


兄弟は緊張しながら構えて


*****


「さてと、ベルとシェリちゃんは思いっきり叩き込んじゃってね」

「マモンもしっかりとやりなさいよ」

「レヴィもな」


遠距離部隊は気楽に構えて


*****


「さてと、やれるかな?」

「やるしかないじゃん」

「まぁねー」


アリアは妹と声を交わしながら剣を構えて


*****


「しっかり動きなさいよ」

「分かっているよ、お姉ちゃん」


姉弟は堂々と構えて


*****


「魔王、しっかりやれよ」

「ふん、お前もな」

「魔王もジャックもどうしてそう牽制し合うかね」

「アスモ、お前も加われば良い」

「マジ勘弁」


初期メンバーたちは軽口を叩きながら構えて


*****


「マリア、道具効くのか?」

「無理っぽいね。でも《劫火》があるし」

「そうですね、道具に頼るだけじゃありませんからね」

「マリアなら何とかなるって」


新入りたちは苦笑しながら構えて


*****


最初に仕掛けたのは洋紅色の髪の少女、アリアーーに先んじてシェリルだった。


「《セブンソード・メテオ》!」

「わ!?」


自分の頭上を飛んでいった7本の剣に驚きつつ、アリアは《アザトース》に斬りかかり、弾き飛ばされた。どうも七割を切ったら一撃ごとに吹き飛ばされるようになっているようだ。しかしアリアは持ち前の反射神経で宙を舞い、体勢を立て直して勢いを利用して高速の攻撃を開始する。


「悪いけどアリアちゃんだけが敵じゃないのよ! 《サウザンドソード・メテオ》!」


千本の剣が高速で《アザトース》の表面に激突する。そしてダメージ上限を次々と叩き出す。限界の9999が千本、これで終わるはずと思ったが


「爆散を利用された!?」


爆発の衝撃が剣を砕き、誘爆させたようだ。シェリルが歯がみしている真横から


「ーー見えた、《スナイピング》《ランス》《アーリィ》!」


高速かつ貫通性のある弾丸が《アザトース》に1万を超えるダメージを通した。それはつまり


「《致命的位置クリティカルポイント》がある……っ!」


アリアは喜びと共に二本の剣を握る力を増す。そして


「ルフ! ちゅう吉!」

『ばぉん!』

『ちゅう!』

「かーらーの、ひよちゃん!」


アリアの声に応じ、ルフとちゅう吉からそれぞれ業火の槍と烈風の槍が放たれた。それは《アザトース》に確かなダメージを与えた。そして


「いゃっほぅ!」

『ちぃっ!』


ひよちゃんに飛び乗り、飛翔する。最高速度と加速はひよちゃんの方が上なのだ。


「秘剣二刀流の型ーー《絶刀・天薙ぎ》!」


二本の剣を、居合いの速度で放った。さらにそのまま


「《シェルインパクト》!」


防御し、その衝撃を跳ね返す。しかしひよちゃんまでは守れず、衝撃で弾き飛ばされる。咄嗟に二本を鞘に戻して


「んっ」


ポーションの小瓶を砕く。その液体を振りかけて体力を回復させる。


何度も全損し、何度も攻撃を仕掛けてーー体力が3割を切った。そしてーー


*****


「マグナ? どうしました?」

『……優、《アザトース》のAIから救援を求められました』

「え」


優は戸惑った。そこまで高度なAIに進化していると思ってもいなかったからだ。しかしそんな戸惑っている優を無視して


『まぁ、断りますけどね』

「……何故か、聞いても?」

『最初っから省かれていたのに途中で形成逆転されたら助けを求めるなんて虫が良過ぎです。後悔しなさい、といった感じです』

「……改めて思うのだけど、あなた本当に私たちが創ったの? 信じられないのだけど」

『自意識の芽生えはアリアが原因です。その意味ではアリアは私のお母さんです』


優はその言葉に苦笑する。すると


『だからこその反抗期なのですが』

「……人間よりも人間らしいわね」

『褒め言葉です』


*****


アリアがいない。《アザトース》のAIがそう思ったのは体力が3割を切った瞬間だった。

アリアの攻撃で3割を切ったと思っていたが故に戸惑った。しかしアリアの攻撃だったのは間違いない。《アザトース》がそう錯覚したのはひとえにアリアが高速過ぎたからだ。


「ん」


自分で投げた剣を足場に跳ぶ。そのまま《アザトース》に斬りつけ、弾かれ、再び先ほどとは違う剣を足場に《アザトース》へ突撃する。もはやアリアの動きはシステムの限界に迫っていた。だがいくらアリアでも体力に限界はあるのだ。だからこそ、全損直後、アリアは姿を消した。


*****


「アリアがいなくなった、ねぇ」

「まーた何か企んでいるんでしょ」


レヴィとシェリルの言葉を聞きつつ、マモンは矢を引き絞り、放つ。何度も放ち続けているが


「遠距離耐性が出来たみたいね」

「そうね……面倒な」


レヴィが弾丸を放ち続けている。しかしそのダメージは軽微だ。もはや耐性が新たに創り上げられていると言っても過言では無い。


「《致命的位置クリティカルポイント》を撃ち抜かないとダメみたいね……」

「でも最下層担当の私たちから離れちゃったみたいだよ?」

「何の根拠があるのよ……」

「私の堪」


マモンの言葉に鼻を鳴らしつつ、レーザー光線を正面から撃ち抜いていく。しかし


「そろそろきりがない上に全損すると思うのだけど」

「大丈夫だよ、レヴィ。もうそろそろ、だと思うからね」


*****


もうそろそろ、だと思うからね。マモンの呟きが耳に入った気がした。でもそんなのはあり得ない。だって今僕がいるのはーー雲の直下だからだ。高度限界である雲、それに足を着けて、逆さまに立っていた。

アリアは目を閉じていた。どこに何があるのかも分からないし、何も分からない。だけどアリアは確信していた。


「るぁ~」


歌詞など無い適当な口ずさみ、アリアは楽しそうにそれを続けていた。下では《アザトース》が全力を振り絞り、全てのプレイヤーを全損させようとしていた。強制全損までの時間は残り3分も無かった。


「んふふ~」


もはや口ずさみでも何でも無い、ただの気分で適当に歌っているとも言えない音だけだ。そしてーー


「あぁ~、気高き華よ~」


適当な歌詞を呟いて、アリアは雲を蹴った。高速で落下するアリアの姿は目視で洋紅色の閃光としか思えないほどだった。


「咲き誇れ~一瞬で尽きる栄華だとしても~」


速度が増した。隕石のような高速の落下に《アザトース》が気づいた。しかし気づいたとしても反応できるとは限らない。翼が、重力がアリアを加速させる。そして


「せやぁぁぁぁあぁっ!」


技でもスキルでも何でも無い、その高速の一撃が《アザトース》の天辺に叩きつけられた。しかしそこは《致命的位置クリティカルポイント》ではない。だから削りきれない。そして《致命的位置クリティカルポイント》は移動して


「あなたなら逃げる、そう思っていました」


絶対の瞬間を狙っていたそのプレイヤーを目にし、《アザトース》のAIは叫びたくなった。助けを求め、断ったその者は目を細くして


「終わりです」


容赦も躊躇いも無く、《致命的位置クリティカルポイント》を射貫いた。

《アザトース》爆殺!


そう言うわけで次回は夏休み突入します


涼風舞風買っちまったぜ


投稿ペースを護る

時間が無い

エロゲを買う

時間がさらに無くなる

小説書けない

ゲームしなけりゃ良いんじゃね?(本末転倒に近い何か)

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