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ナイアルラトテップ

「そうか……二年生はもう進路を考える時期なのか」

「もっと考えないといけないだろお前」

「俺は……」


ベルがジャックに突っ込まれ、大きくため息を吐いた。そのまま背後を振り返って


「アジアンは進路をどうするんだ?」

「私? 私は大学に行くかそのまま就職かな」

「当てはあるのか?」

「マリアの実家だからね」


ベルはほう、と感嘆の息を吐いた。そして自分の場合は就活をしないといけない、という落差に苦笑する。


「ジャック、そっちの会社ってどんな感じなんだ?」

「割とフリーダムだぜ。ま、色々頭を悩ませてくれる奴らがいるけどよ」

「どんな奴らなんだ?」

「一言で言えばトッププレイヤーたちだな」

「へぇ」

「主にアリア」


ベルがジャックの言葉にため息を吐く。その様子を眺めながらアジアンは足踏み式ポーション量産機を動かす。そしてそのまま


「ジャック、何か食べる?」

「そうだな……魚系の何かを頼む」

「分かりました」


ベルはざる蕎麦を啜り、ふと思った。


「マリアと結婚するのなら良いんじゃないのか?」

「え?」

「就職だよ。進路とも言える」

「それ言ったらお前もだろ」


ベルが顔を顰めた。それを見てジャックはおかしそうに口元を歪めた。


*****


「そう言うわけで憂さ晴らしをしたい」

「えー? ベルと一緒だったらかなり僕に危険が及ぶんだけど」


ベルのふて腐れたような様子での頼みにアリアはんー、と虚空を見上げて


「ベル、珠って揃えている?」

「珠? 一応クトゥルフ神話系三種はあるぞ」

「うん、それなら充分だよ。ベルはまだ挑んだことはないかな?」

「ああ。《ナイアルラトテップ》だろう?」


アリアは無言で首肯する。それにベルは頷いて


「他のメンバーは? まさか二人きりじゃないだろうな?」

「うん。エミとシェリ姉とあと二人を誘っているよ」

「そうか。だったら装備の耐久を回復してくれ」

「ほーい」


カーマインブラックスミスに鍛冶の注文は異常なまでに多い。何故ならば一流の加治屋がアリアしかいないからだ。まぁ、その一流の鍛冶師が私情を優先しているのだが。


「アリア、《ナイアルラトテップ》についての情報は無いのか?」

「うん、多分僕たちが最初に挑むからね」

「ふむ……属性が分かったとしても物理が効くか特殊が効くかも分からないからな。とりあえずストックの用意もしておくか」


ベルはそう言いながら貸し倉庫の中身をスクロールして


「札と護符を一通り持って行くか? いやだが……耐性系のアクセサリーも持って行くか」

「ベル、インベントリに余裕はあるの?」

「ああ、少しはある。だが……アリア、お前こそ大丈夫なのか?」


ベルの言葉にアリアが戸惑っていると


「お前、最近剣をたくさん装備しているみたいだが……大丈夫なのか?」

「うん、実際に使っているのは少ないからね。たくさん使うのは対人戦だけだよ」


アリアはそう言いながら《悪魔龍皇剣》と《聖剣エクスカリバー》、《無銘真打》に《比翼天連》と《比翼地連》の五本を腰に差して


「さてと、後はポーション系だけどこれは準備万端だし」

「それじゃあ行くか」


そう言ったベルが最初にやられるとはこの時、誰も思っていなかった。


*****


「さてと、全員珠は持っているよな?」

「うん、持っているよ」

「持ってます」

「同じく」

「僕もあるよ」

「俺もだ」


ベルの言葉に全員が三つの珠を掌に載せる。そしてそのまま扉に近づいて……ゴゴゴ、と音を立てて扉が開いた。そして


「ベル!?」

「ぬぉ!?」


扉から瞬間的に飛び出してきた黒い何か、それがベルに巻き付いた。そして扉の中に引き込もうとした。とっさにアリアが《比翼地連》を抜いてそれを切り裂こうとするが


「硬い!?」

「アリア! 体勢を立て直してからにしろ!」

「え!?」


ベルが扉の中に吸い込まれた。そしてベルの体力ゲージが一気に削れて……ベルの体力が三割を切った。そしてそこでベルの体力が減るのが止まった。解放されたみたいだ。


「待っている場合じゃない!」

「兄さんの言う通りだ。シェリルは僕らが護るからアリアとエミは攻めてくれ」

「うん!」

「良いの?」

「エミ、言う通りにして良いのよ」


エミは少し躊躇いながら、アリアは何の躊躇いもなく扉を開けた。そしてアリアたちに黒い何かが迫るが


「秘剣陸の型ーー鎌鼬!」


アリアの高速の双剣が黒いそれを打ち払い、部屋に飛び込んだ。それにエミが続いた。扉の外に顔を出した黒い触手はアリアたちを追うように部屋の中に飛び込んでいった。


「ルシファー、サタン。行くわよ」

「ああ」

「はい……気をつけてね」


二人を伴って部屋に入ると黒い靄のようなものの集合体から触手が生えているのを目撃、そしてその触手を相手取っているアリアたち三人がいた。


「《セブンソード・メテオ》8! 《エンチャントーライト》!」


七本の光の剣が8セットが黒い靄の集合体に、おそらく《ナイアルラトテップ》目掛けて飛来する。しかし


「受け止められた!?」

「……兄さん、今のって……」

「ああ、消えたんじゃない。吸収されたな」

「《魔法吸収》スキル?」

「かもしれない……シェリルは下がっていてくれ。ルシファー」

「はいはい。兄さんはどうするつもりなの?」

「ベルを護る」


サタンはそう言いながら彼の代名詞でもある《セブンスドラゴニックライオネルソード》の進化形、《七龍獅子剣》を背中の鞘から抜いて駆けた。そんな彼に向けての触手は剛剣の一閃で斬り飛ばされた。


「ベル!」

「《エレメンタルブラスト》24! どうした?」

「光属性は吸収された! 他は?」

「今のところは何も無い!」

「おっけ!」


サタンの剣が触手を切り払いながらベルの前に立つ。そしてそのサタンを足場にアリアが跳躍して


「秘剣柒の型ーー星崩!」


アリアの剣が《ナイアルラトテップ》の触手をまとめて切り裂く。しかし、そんなことが出来たとしても


「触手を打ち払うので精一杯、ね」

「シェリ姉も魔法で何とかしてよ!」

「光属性が効かないのよ?」

「シェリ姉は雷も氷も使えるでしょ!?」


妹の言葉に仕方ないわね、と思うながら錫杖を構える。そのまま使用魔法を選択し、対象を選択。そして


「降り注ぎなさい、《極雷》256!」


ここで初めて《ナイアルラトテップ》の靄にダメージが通った。それは靄を弾き飛ばして


「え!? 今のは……」

「クリスタル……だったな。とりあえずサタン、前に出てくれ、援護する」

「了解、無茶すんなよ」

「お前が言うな。特に今は一人だろう?」

「ま、ね!」


サタンの剣が触手と激突した。そして切れ目を作り、斬り飛ばした。斬り飛ばされた触手は地面でのたうち回り……動きが止まった。その様子をアリアは眺めて


(地面に落ちたのは問題ない、と)


そう思いながら《比翼天連》と《比翼地連》を振るい、触手を断ち切る。さらにそのまま前に出て靄に剣を振るった。


「っ!?」


靄の一部がはじけ飛んだ。そして結晶が顔を見せた瞬間、レーザービームが飛んできた。それはなんとか《比翼天連》と《比翼地連》で切り裂いて


「っ!」


結晶に一撃を加えた。そしてようやく初めて《ナイアルラトテップ》にダメージが通った。

(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー! (」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー! (」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!


次回も《ナイアルラトテップ》戦です


もうサークル入る気失った

私はもうなろう人として生きていくんだ


ナイアルラ、ダベリオン、アスフォ……うっ、頭が

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